CHUWI MiniBook先行レビュー。4万円台で買える、拡張性に優れたUMPC界の革命児【一般販売開始】

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MiniBook

クラウドファンディングで出資受付中のUMPC、CHUWI MiniBookの評価機をいただきました。


ちょうど良いサイズの2in1

CHUWI MiniBookは8インチのディスプレイを搭載した、超小型のUMPCです。

7インチではなく8インチ、さらにアスペクト比16:10のディスプレイを採用することで、従来のUMPCよりも広い画面で使えるようにしつつも携帯性は損なわないようになっています。

また、UMPCでは珍しくM.2 SSDスロットを備えているため、容量が足りなくなっても後からSATA SSDかNVMe SSDを増設できるという特徴もあります。

CHUWI MiniBook
OS Windows 10 Home
メモリ 8GB/16GB
ストレージ 128GB eMMC
(m3-8100YではM.2 2242 NVMe SSD、N4100ではM.2 2242SATA SSD増設可能)
プロセッサ Intel m3-8100Y / Celeron N4100
ディスプレイ 8インチ FHD 16:10 1920 x 1200
10点マルチタッチ・専用スタイラスペン対応
バッテリー 3,500mAh (USB PD 12V/2A~3Aのみ対応)
サイズ 201 x 128.6 x 19.3mm
重さ 約659g (実測)
フロントカメラ 2MP
端子 USB Type-C (DisplayPort Alt Mode映像出力対応) x1
USB Type-A (USB 3.1 Gen1) x1
USB Type-A (USB 2.0) x1
mini HDMIポート x1
microSDカードスロット x1
3.5mmイヤホンジャック x1

製品版では変わるかもしれませんが、CHUWI MiniBookの外箱はCHUWIロゴと連絡先が載っているぐらいのシンプルな物です。NG08 minibookと手書きメモが残されていました。

NG08

今回いただいたのはエンジニアリングサンプルのため、付属品はACアダプターのみでした。

○TmediaではアダプターはUSB PD対応などと書かれていますがデタラメで、実際は「USB Type-Cの形をしているDCプラグがついた、ACアダプター」です。

MiniBookでのUSB PD関係の挙動についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

名状しがたい充電器

iPad miniぐらいのサイズ感でキーボード・OFN (光学式) マウスが付いているので、タブレット単体よりも操作や入力はしやすくなっています。

他のUMPCと異なり2MPのフロントカメラがあるため、Web会議でも別途カメラを用意しなくて済みます。残念ながらWindows Helloでの顔認証には対応していません。

小型PC

画面は反射するタイプなので、ミヤビックスさんに保護フィルムを作成していただきました。反射防止のアンチグレア保護フィルムを貼ると指紋を気にせず操作できるため、かなり快適になります。

天板はCHUWIロゴだけのシンプルなデザインです。ロゴのサイズは約26 x 5mmと小さく、あまり目立ちません。

厚さ19mmというのは蓋を閉じた状態でゴム足を含んだ数値なので、開けて手に持った時はそれほど厚みは感じません。

ロゴ

2in1 ノートPCと同じく360°曲げられるようになっているため、キーボードを使わず動画鑑賞をしたい時や、タッチ操作で使いたい時に好きなようにスタイルを変えられます。

テントスタイルでは接地面が小さくなるので、新幹線や飛行機のシートのテーブルなど、狭い場所でも置きやすいです。

1920 x 1200解像度のディスプレイは発色や視野角も十分で、格安UMPCとは思えないほどきれいです。

テントスタイル△

画面を回転させて、縦向きでメモのようにして使うこともできます。評価機の段階ではペン非対応でしたが、ストレッチゴール達成で専用アクティブスタイラスペンHiPen H3に対応するようになったため、製品版では1024段階の筆圧の検知もできます。

もちろんテントスタイルやタブレットスタイルの状態では、キーボードを押しても反応しないようになっています。

縦向き

キーボードはバックライトが付いており、Fn + Escキーを押すことでオンオフできます。BIOSにそれらしき項目がなく、消灯状態の記憶もしてくれないので、AutoHotKeyなどで制御しないといけなさそうです。

右上の電源ボタン兼指紋認証センサーは他のキーとは高さが違うため、間違って押してしまうことがありません。

キー配列が変態過ぎるのはUMPCの宿命なので、これはもう慣れるしかありません。

キーボード

指紋認証センサーはFocalTech製で、認識はかなり高速です。Windows Helloにて登録できます。

評価機では英語キーですが、日本語キーボードのオプションもあります。

下の画像が最終的に採用された日本語レイアウトだそうなので、日本語キーボードに出資済みで決定版が気に入らない方は、CHUWIに連絡すれば英語キーボードに変えてもらえます。

英語キーボードの右ShiftキーはPrtSc・SysRqキーに置き換えられているなど、いろいろ詰め込まれています。

日本語キーボード

十分な拡張性あり

CHUWI MiniBookは基本的にはUSB Type-Cポートで電源供給から映像出力、データ転送をこなせます。

USB Type-Cケーブル一本では無理、ハブを持っていない、という方でも使えるよう、USB Type-Aポートを左右に一つずつ、左側にはmini HDMIポートが用意されています。

USB Type-CポートでのUSB PD充電やDisplayPort Alt Modeについてはこちらの記事を参照してください。

左側

右側には3.5mmイヤホンジャック、USB 2.0ポート、micro SDカードスロットがあります。

最近では512GBのSanDisk製microSDXCカードでも$88.99で買えるので、他の機器にすぐ移し替えて使いたいという場合には便利です。

microSD

左右にスピーカー穴があるステレオスピーカーで、見た目だけでなくちゃんと左右の音が分かれて再生されます。ただ、画面の回転に合わせた位置変更には対応していないため、テントスタイルだと左チャンネルの音が右から、右チャンネルの音が左から聞こえることになります。

 

CHUWI MiniBookは冷却ファンを内蔵しており、起動中は常に動作しています。

コォォ…というファン音がするため、静かな場所では気になってしまいます。残念ながら手動でオフにすることはできないようで、BIOSにもオフにする項目はありません。すでに出資している方はIndiegogoのコメントや公式Facebookグループで要望を上げてもらえれば、要望が多かったスタイラスペンのように対応してもらえるかもしれません。

後ろ

後ろの部分と背面の両方が排気口となっています。

裏面

技適マークもありますが、認証番号が併記されていないのでこの表示は無効です。

技適マーク

裏面左上にはUMPCでは珍しいM.2 SSDスロットがあり、プラスねじを外すだけで簡単に接続できます。M.2 2242ですがCPUによって対応するSSDに違いがあり、N4100版ではSATA SSD、m3-8100Y版ではNVMe SSDにのみ対応しています。

私は元々m3-8100Y版用にLexar M.2 2242 NVMe SSD 256GBを買っていたのですが、N4100版の評価機に挿してもやはり反応しませんでした。

M.2 SSDスロット

内蔵のeMMCは取り外し不可です。N4100版に搭載されている128GBのeMMCはGeneric SLD128という名称のノーブランド品で、CrystalDiskMarkでのベンチマーク結果は以下のようになりました。eMMCとしてはそれなりのスピードです。

eMMC

128GB eMMCは天使の取り分を除いて115GBと認識され、OSなどで18GBほど使うため、初期状態での残りストレージ容量は97GBになります。

クラウドサービスを使う人ならこれでも良いかもしれませんが、ローカルにデータを置いておきたい人には心許ない空き容量なので、M.2 SSD増設オプションに出資しておくか、自分で買って増設したほうが良いと思います。

残りストレージ容量

裏蓋はプラスねじを外すだけで簡単に取り外せます。

バッテリーはモデル名NV-635170-2Sで、5,000円ほどで買えるようです。発売後しばらくすればAliExpressなどで出てくるでしょう。PSEマークがないため、このままでは日本での販売はできません。

内部のモジュールはOneMix 2Sと同じIntel 3165D2W (Dual Band Wireless-AC 3165) が使用されており、こちらでは認証番号付きの技適マークが書かれています。

バッテリー

バッテリー容量は3,500mAhです。高パフォーマンス・明るさ50%・キーボードバックライト点灯の状態でバッテリーベンチマークソフトBBench (キーストロークあり、60秒ごとのウェブ巡回) で残量100%→5%までの電池もちを計測すると、結果は約4.3時間となりました。何十というタブを開いたままの負荷の高い状況で4時間なので、格安UMPCとしては十分なレベルでしょう。

CPU-Zでのベンチマーク結果はこちらです。シングルスレッドで185、マルチスレッドで707という結果で、Core i3-7100Uを上回る性能です。

ドラゴンクエストXのベンチマークでは、グラフィック設定 標準品質・解像度1920 x 1080だと「重い・1627」という評価でした。さすがに3DのゲームをするにはN4100では厳しいですが、通常のブラウザ操作やOfficeソフトなどでは問題ありません。

DQX

BIOS (UEFI) セットアップ画面はエンジニアリングサンプルということもあり、いろいろオプションが表示されていますが、実際に効果があるものは少ないです。

UEFIBIOSBIOSBIOS

M.2 SSDを挿した場合、Boot Option Prioritiesでそちらを選べるようになるとのことです。

OSはもちろん日本語対応

他の人の評価機では英語版や中国語版Windowsがインストールされているものもあるようですが、私の評価機はちゃんと最初から日本語表示になっていました。

製品版でも多言語対応のWindows 10 Homeがインストールされるので、OSの入れ替え等は必要ありません。

評価機では「10タッチポイントでのタッチのサポート」になっていますが、製品版ではペンのサポートも入ります。

RAMはBIOSでは8192MBと認識されるのですが、OSには8018MBと認識されるため、実装RAMは7.83GBという表示になっています。174MB程度の差ですが、製品版で直っていることに期待します…。

N4100

 

冷却ファンが止められない、電源がUSB PD 12V/2A~3Aのみ対応、という課題点はあるものの、それ以外の点ではWeb会議向けフロントカメラの搭載や押し間違えにくい電源ボタン、日本語キーボードのオプションにM.2 SSDスロット搭載など、競合製品との差別化がちゃんとできています。

海外でのクラウドファンディングは終了しましたが、現在N4100版がBanggoodで販売されています。なんと128GB eMMCの他に128GB SSDも付いて4.7万円と、Indiegogo価格より安くなっています。

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