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USB PD 100Wと60W出力できるUSB Type-Cポート2つにUSB Type-Aポート2つを搭載した、最強のモバイルバッテリーZendure SuperTankをいただいたのでレビューします。
目次
27,000mAhで計138W出力、なのに525g
Zendure SuperTankは容量27,000mAh / 99.9Whで、USB PD 100W対応・合計138W出力のモンスター級モバイルバッテリーです。USB Type-Cポートは2つ搭載されており、片方が100W、もう片方が60Wまで出力出来ます。
出力は5V / 9V / 12V / 15V / 20Vすべての電圧に対応と、これ一台さえあればありとあらゆるUSB Power Delivery対応機器を充電できます。
USB PD 100Wのおかげで15インチMacBook Pro 2018さえもフルスピードで充電でき、なんと1.5時間で0%から100%まで充電できてしまいます。
Zendure SuperTank | |
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サイズ | 約11.9 × 7.37 × 4.06 cm |
重さ | 約525g (実測525.3g) |
USB Power Delivery出力 (100W) | 商品説明: 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3A, 20V/5A 実際のPDO: 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3A, 20V/5A ※20V/5Aは対応ケーブル使用時のみ |
USB Power Delivery出力 (60W) | 商品説明: 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3A 実際のPDO: 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3A |
USB Power Delivery入力 | 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 20V/3A, 20V/5A |
USB Type-A出力 (18W) | 5V/3A, 9V/2A, 12V/1.5A |
USB Type-A出力 (15W) | 5V/3A |
ポート数 | USB Type-C x2 USB Type-A x2 |
Zendure SuperTankにはUSB Type-C・USB 3.1 Gen1のe-Marker付きケーブルと説明書、ステッカーが付属しています。説明書は日本語も書かれています。
SuperTankは27,000mAh・100W出力の超大容量・高出力バッテリーながらも、重さは525.3gと他社の類似製品よりも軽量です。
外装はスーツケースでも使われているポリカーボネート+ ABSでできており、外からの衝撃に強くなっています。
99.9Whのため飛行機での機内持ち込みも可能で、どんなところにでも持ち運べます。
ポートはUSB PD 100W入出力ポート、USB PD 60W出力ポートにUSB Type-A 18W / 15Wの2ポートで合計4ポートです。4つのデバイスを同時に充電できるので、持ち運ぶガジェットが多い人も安心ですね。
USB Type-A 15Wポート以外は古い機器でも急速充電できるようにするためQuick Charge 3.0対応になっているので、完全にはUSB Type-C規格適合とはなりませんが、RAVPowerのように「本当は規格違反のQC3.0対応なのに隠して売り続けている、指摘しても開き直る」メーカーとは違ってちゃんと公表しているので、好印象です。USB Type-Aポート2つだけをQC対応させてくれていれば一番良かったですが…。
SuperTankはLEDディスプレイでバッテリー残量が数値表示 (写真だとうまく映りませんが) されるので、どれだけ残っているか分かりやすいです。
低電力なデバイスのためのX-Chargeモードも用意されており、他社モバイルバッテリーだと充電が始まらないことがある、スマートバンドやBluetoothイヤホンといったものも問題なく充電できます。
電源ボタンを2回押すとX-Chargeモードに入り、もう一度2回押すと、X-Chargeモードはオフになります。
Mi Band 4の場合X-Chargeモードでなくても充電できましたが、手動で充電モードが選べるのは嬉しいですね。
USB Type-Cでは両方向で電流を流せますが、SuperTankの場合電源ボタンを長押しすると、電流の方向を切り替えて「接続した機器→SuperTank」「SuperTank→接続した機器」とどちらを充電するか選べるようになっています。「ノートPCを充電したかったのに、逆にノートPCからモバイルバッテリーが充電されてしまった…」という経験がある方におすすめです。
他のモバイルバッテリーでは「スマートに入出力の方向が切り替わる (だからスイッチは必要ない)」などと主張しているものもありますが大体はスマートではないので、手動で切り替えられるのは大きなメリットです。
PSEマークもあります…が、事業者名がマークの近くに書かれていないため、このままでは無効な表示になります。
100W出力は残量50%以上のみ
Cold Socket (非Vbus Hot) – ○
USB Type-Cの規格では、機器が接続されたことを確認してからVbusに電圧をかけるよう定められています。
この充電器は機器が接続されていない状態ではVbusに電圧をかけておらず、規格に適合した動作をしています。
Bridged CCs – ○
USB Type-Cポートは別個のRpでプルアップされています。
e-MarkedケーブルでもSinkの接続を検出できるため、問題なく充電できます。
PDO – ○
仕様とTotal Phase USB Power Delivery Analyzerで確認した実際に通知されているPDOは一致しました。
接続した時点で下記のPDOを通知していたため、Split PDOではありませんでした。
まずUSB PD 100Wポートに5A対応ケーブルを接続した時は以下のように20V/5Aが通知されます。付属ケーブルだけでなく、aceyoon USB Type-C to CケーブルやNimaso USB-C to Cケーブルのような格安な5A対応ケーブルでも問題なく使えます。
5A非対応、3Aまで対応のケーブルを接続した場合は、20V/3Aの通知に変わります。
Zendure SuperTankは計138Wまでしか出力出来ないため、USB PD 100Wポートと60Wポート両方にケーブルを挿している場合も最大20V/3Aに制限されます。
USB PD 100WポートでZendure SuperTankを充電し、60Wポートでは他の機器へ給電する、というようなパススルー充電も可能です。
USB PD 60Wポートでは、当然ですが20V/3Aが最大値です。
USB PD 100W・60Wポートどちらでも12V/3A充電が出来るので、OneMix 3やCHUWI MiniBookなどのUMPCも急速充電できます。
ちなみに付属ケーブルはe-Marker搭載です。VIDは「Hynetek Semiconductor」です。
高速充電規格 – ×
USB PD以外の急速充電規格に対応しているので、規格違反となります。Quick Charge 2.0/3.0対応のため、古いスマートフォンでも急速充電できるというメリットはあります。
USB DCP対応のため、USB PD非対応のUSB Type-Cポート搭載スマートフォンなども充電できます。
過電流防止機能 – ○
20V/5AのPDOでは、5.23Aで出力がシャットダウンされました。
USB PD 100Wポートでの出力は常に一定というわけではなく、バッテリー残量が50%を切ると強制的に20V/3A = 60Wに制限されてしまいます。
PDOの通知も20V/3Aに切り替わるため、49%になる瞬間に一旦切断され、もう一度接続されます。USB PD 60Wで充電できる機器なら充電が続きますが、USB PD 100Wが必須な機器では残量49%以下では充電できなくなります。
100%→60%程度の時点でポート周辺の表面温度が65℃近くに上昇していました。持てないほどではないですが、熱に弱いものは近くに置かない方が良さそうです。温度上昇は他のUSB PD 100W充電器でも同様なので、Zendure SuperTank特有の問題というわけではありません。
100%→50%は100W、49%以降は60W出力で計測した結果では、44Wh + 37.4Wh = 81.4Whとなりました。多少のロスはありますが十分でしょう。
USB PD 60W出力のポートでは3.35Aで出力がシャットダウンされました。
充電時は19.9V/2.56A = 約51Wで充電開始され、約2.3時間で100%充電できました。仕様としては100Wで充電でき、充電器に対してZendure SuperTankは5Aを要求しているはずなのですが、手持ちのUSB PD 100W充電器 (Less is More 4ポート充電器、HP Thunderbolt3ドック 120W G2、Zendure SuperPort 4) ではどれも最大20V/3Aまでしか使われませんでした。
50%以上残量がないと100W充電できないのは残念ですが、「コンセントなしに100W出力する」というのはそれなりに電力を使うものなので仕方が無いでしょう。
Zendure SuperTankは15インチMacBook ProなどUSB PD 60W以上でないと素早く充電できない機器にも60W~100Wで急速充電できるので、外出先でもノートパソコンを長く使いたい方にぴったりです。
27,000mAhと大容量で、低電力な機器にも充電できるので災害対策用にもおすすめです。
USB Type-C製品のレビューが役立った場合、私のほしい物リストから何か贈っていただけると嬉しいです。