世界最小USB PD 18W充電器、Anker PowerPort III Nanoを忘年会の景品で手に入れました。
目次
小型USB PD18W充電器
Anker PowerPort III Nanoは18W出力出来る充電器でありながら、iPhoneで長らく使われていた5W充電器と同じ程度のサイズ・重さという持ち運びに便利なコンパクトさを誇っています。
ただし、残念ながらAnkerもRAVPowerと同様、USB PD規格違反を堂々とするようになってしまいました。
Anker PowerPort III Nano | |
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型番 | A2616 |
サイズ | 約45×27×27 mm |
重さ | 約30g (実測30.7g) |
USB Power Delivery出力 | 商品説明:5V/2.4A、9V/2A 実際のPDO:5V/2.4A、9V/2A |
ポート数 | USB Type-C x1 |
充電器本体に合わせたサイズになっているため、パッケージもかなり小型です。
折りたたみ式プラグではないので、何かケースに入れておかないと他のものに当たって傷を付けてしまう可能性があります。とはいえ超小型でかさばらないので、入れる場所の心配は無いでしょう。
PSEマークは菱形の物があります。
①…Apple 5W充電器、②…Anker PowerPort III Nano、③…USB PD 30W充電器 Anker PowerPort Atom PD 1、④…世界最小クラス60W充電器 Innergie PowerGear 60Cです。
5W充電器と同じサイズでありつつ18Wの急速充電ができるため、スマホ専用として持ち運ぶならアリでしょう。製品説明には「Apple製品やタブレット端末、ノートPC等のUSB-C対応機器へ幅広く対応」と書かれていますが、18WではノートPCは大概充電できません。
重さは30.7gです。
Anker、お前もか
Cold Socket (非Vbus Hot) – ○
USB Type-Cの規格では、機器が接続されたことを確認してからVbusに電圧をかけるよう定められています。
この充電器は機器が接続されていない状態ではVbusに電圧をかけておらず、規格に適合した動作をしています。
Bridged CCs – ○
USB Type-Cポートは別個のRpでプルアップされています。
e-MarkedケーブルでもSinkの接続を検出できるため、問題なく充電できます。
PDO – ✕
仕様とTotal Phase USB Power Delivery Analyzerで確認した実際に通知されているPDOは一致しました。
通知されているのは5V/2.4Aで、規格ではUSB PD充電器の場合5Vで3Aを出せないのは認められていません。
実用上は9V以上が使われることがほとんどなので影響は小さいですが、例えばOnePlus 7 ProやOnePlus 7Tなど5Vしか受け付けないスマホでは他の18W充電器よりも低速になってしまいます。
接続した時点で下記のPDOを通知していたため、Split PDOではありませんでした。
高速充電規格 – ×
USB PD以外の急速充電規格に対応しているので、規格違反となります。
PowerIQ 3.0の説明には「USB Power Delivery、Qualcomm Quick Chargeなどの充電規格と互換性があり」と書かれていますが、完全な互換性があるわけでもないのにそんなことを書かないでもらいたいです。有象無象の中華メーカーが好む、既存の規格にタダ乗りしてさも自社の技術が優れているかのように見せかける手法をAnkerが取った、というのは残念です。
過電流防止機能 – ○
9VのPDOでは、2.5Aで出力がシャットダウンされました。
OneMix 3 Proに接続したところ、電源オフ・スリープ中は充電できず、電源オン時は8.52V/2.16Aほどで充電できました。
世界最小を競う余り製品品質を軽視するようになりつつあるAnkerの今後が不安ですが、USB PD 18W出力をこのサイズに収める技術力はあるので、今後PowerIQ 3.0を廃止してまともなUSB PD準拠製品を開発していただきたいです。
USB Type-C製品のレビューが役立った場合、私のほしい物リストから何か贈っていただけると嬉しいです。