Xperia FTFの作り方

この記事の賞味期限は切れています。掲載内容や情報が古い可能性があります。

Xperiaをroot化するに当たって必須なファイルである
FTFの作成方法を解説しているサイトは多くありますが、
情報が古かったり間違った手順だったりすることが
あるので、改めてまとめておきます。

1. FTFの元ファイルの取得

まずFTFの元になるファイルの取得には三つ方法があります。
一つ目は自分で手に入れる方法で、PC Companion
やSony Update Serviceを経由して手に入れられます。

[7/25 追記] Sony Update Serviceはサポートが停止されたため、
PCCを使いこの記事に書いてある手順でしないといけません。

この方法が基本となりますが、自分の持っていない
端末のFTFが手に入れにくい、Bootloader Unlock
していたりカスタムロムを焼いていると認識されないなどの欠点があります。
※Bootloader Unlockした端末で、なおかつ対応している
端末であればPCCではなくEmmaを使ってFTFを作成できます。

そこで開発されたツールが、XperiFirmです。
(紹介記事はこちら)
直接ソニーのサーバーからFTFに必要なファイル群をダウンロードし、
FlashtoolですぐFTFにできる形にしてくれます。
現状ではこれでFTFを作るのが一番簡単です。
Flashtool 0.9.18.6ではメニュー右端のボタンで
XperiFirmを起動できます。

XperiFirmでFTFの素をダウンロードした場合、
全く何も操作することなくFTFが作成されます。

三つ目の方法は、FTFの元をDLするときのURLが
固定されていることを利用した方法です。

このページに書いてある手順でURLを取得すれば
誰でもPC CompanionやSony Update Serviceなしで
FTFの素ファイルが手に入れられます。
@Wirbelwind_IFさんをはじめ多くの方が公開されているので、
一つ目の方法で手に入れられないときに重宝します。
ただし、時間が経つとSonyのサーバーからファイルが
削除されるので早めにDLしておかないといけません。
一つ目の方法で取得するとFlashtoolが対応している
ファイルになっているので何も言うことはありませんが、
二つ目の方法では279914849_Ba+04VUfZYSyTm728dU0CtKh.bin
と不要な英数字がついたり、4・5個ほどに分割されていたりします。
このbinはリネームする必要があるのですが、
キューブキューブさんが自動でリネームするスクリプトを
配布されているので、それを使わせてもらいます。

bin2ftffiles.vbsをbinファイルがあるフォルダにコピーし、
ダブルクリックして実行するとリネームされます。
これでFTFの元の準備が完了しました。

2. FTFの作成

ここからはFlashtoolで復号し、FTFに変換する作業になります。
XperiFirmを使用する場合は自動でされるので不要です。

解説にはFlashtool v0.9.14.0 日本語版を使用しています。
Flashtoolを開き、ツール→SEUS復号を選びます。
本家0.9.16.0以降では Tools→Bundles→FILESET Decryptです。


ソースフォルダ(FTFの元があるフォルダ)を…を押して選んでください。
FILE_xxxxxxxxxが出るので、すべて選んだ後「->」を
クリックして、「Convert」(変換)ボタンを押します。
復号が終わると自動的に次のウインドウが開きます。

このウインドウが出てきたら、Device:(端末名:)の横の
ボックスをダブルクリックして端末名を選択します。
Idは内部で処理するためのものなので無視してください。
端末名を選ぶとSO-03FやSOL23といった名前を選ぶ画面が出てきます。
例えば、Xperia Z1 SOL23の場合はまずSony Xperia Z1をダブルクリックして
次に出てくるウインドウでSOL23をダブルクリックします。

Branding(ブランド、キャリア名など)やVersion(バージョン)も
入力したら、フォルダリストのすべてのファイルを
選んで「->」をクリックします。

すると、このようにFirmware content(ファームウェアの内容)に
FTFに入るものが表示されます。
このとき、partition-image.sinが抜けていると
海外ファームウェアを焼いたときに間違って
PARTITIONを焼いてしまった場合に復旧できないので注意してください。
simlock.taは自動で無視される(自分で後から入れても同様)ので、
何も抜かなくていいです。
「Create」(作成)ボタンを押すとFTFの作成が始まります。

このように「Bundle creation finished」(FTFを作成しました)と
表示されれば完了です。
Flashtool.exeのあるフォルダのfirmwaresフォルダに
torrentファイルとともに保存されています。

[0.9.18.6以前の表示]

Wipe(消去)カテゴリの説明:

  • APPSLOG – アプリのログを保存している領域(?)を消去する
  • CACHE – その名の通りキャッシュを保存している領域を消去する
  • DATA – /data以下を消去する(/data/media以下が内部ストレージとなるのでDATAにチェックを入れると内部ストレージも消去される)

Exclude(除外)カテゴリの説明:

  • BOOTBUNDLE – 起動に必要なファイルのセットで、Z以降の端末で焼かなかったり違うバージョンのものにすると復旧不可能・復旧が難しい状態になる可能性がある。
  • PARTITION – パーティション情報で、たとえば海外版(16GB)のPARTITIONを国内版(32GB)に焼いてしまうと16GBしか認識されなくなる。
  • TA – Trim Area (DRMキーなどが保管されている領域)のファイル。とはいっても地域情報のリセットぐらいしかできない(これも「Reset customization」にチェックしないと焼かれないようになった)ため、除外してもしなくてもいい。
  • KERNEL – ダウングレードしてroot化する際などで一番重要な、カーネル。ブートローダーアンロックしたりhijackしたりしないとカスタムしたものにできないが、カスタムできれば様々な機能を追加できる。
  • FOTA – PCCやSUSではなく無線接続でアップデートする「Firmware On-The-Air」に必要。海外端末ではここにリカバリを入れることがある。
  • BASEBAND – 無線通信のバンド情報などを保管してある。国内版のBASEBANDを海外版に焼く、といったことはできない。
  • SYSTEM – /system以下のデータ。ブートループした際はDATAを消去してKERNELとSYSTEMを焼けば復旧することが多い。
  • ELABEL – 法的情報の「認証」で表示されるものを保管している。国内版は別の方法で表示しているため無い。(SO-03Fから国際版との違いが内部的に少なくなり、elabelも追加された)

Misc(その他)カテゴリの説明:

  • No final verification – 整合性を確認しない
  • Reset customization – 内部ストレージを消去せずに/dataだけ消去する (TWRPのFactory Resetと同じ)

[0.9.19.0以降の表示]

Wipe (消去、初期化) カテゴリの説明:

  • APPS_LOG – アプリのログを保存している領域(?)を消去する
  • B2B – Xperia™ in Business向けデータが保存されている領域を初期化する (通常は関係なし)
  • DIAG – 通信関係のデータを保存する領域と思われるが、詳細不明。市販モデルでは未使用?
  • SSD – ストレージ関係と思われるが、詳細不明。
  • USERDATA – /data以下を消去する (/data/media以下が内部ストレージとなるのでDATAにチェックを入れると内部ストレージも消去される)

Exclude (除外) カテゴリの説明:

  • AMSS_FSG、AMSS_FS_1、AMSS_FS_2、MODEM – 無線通信のバンド情報などを保管してある。以前はBASEBANDと表記されていた。国内版のBASEBANDを海外版に焼いて対応バンドを増やす、といったことは基本的にできない。
  • BOOT_DELIVERY – 起動に必要なファイルのセットで、Z以降の端末で焼かなかったり違うバージョンのものにすると復旧不可能・復旧が難しい状態になる可能性がある。以前はBOOTBUNDLEと表記されていた。
  • CACHE – 焼いた場合、キャッシュを保存している領域を消去する。
  • ELABEL – 法的情報の「認証」で表示されるものを保管している。国内版は別の方法で表示しているため無い。(SO-03Fから国際版との違いが内部的に少なくなり、elabelも追加された)
  • FOTAKERNEL – PCCやSUSではなく無線接続でアップデートする「Firmware On-The-Air」に必要。海外端末ではここにリカバリを入れることがある。
  • KERNEL – ダウングレードしてroot化する際などで一番重要な、カーネル。ブートローダーアンロックしたりhijackしたりしないとカスタムしたものにできないが、カスタムできれば様々な機能を追加できる。
  • OEM – キャリア毎のカスタマイズなどが入っている。通常は大部分のキャリアアプリなどがsystem領域ではなくOEM領域に入っているが、国内キャリアはsystemにも変更を入れさせている。
  • PARTITION – パーティション情報で、たとえば海外版(16GB)のPARTITIONを国内版(32GB)に焼いてしまうと16GBしか認識されなくなる。
  • PERSIST – ファクトリーリセットされてもMy Xperiaが生き残るようにするための領域? 詳細不明。
  • RAMDUMP – 詳細不明。
  • SYSTEM – /system以下のデータ。ブートループした際はDATAを消去してKERNELとSYSTEMを焼けば復旧することが多い。

MiscTA Exclude (MiscTAの除外) カテゴリの説明:

  • AUTO-BOOT – 電源を切っているときにUSB接続すると充電モードになるのを無効化する (焼くと通常は無効化されないようになる)
  • CUST-RESET – 内部ストレージを消去せずに/dataだけ消去する (TWRPのFactory Resetと同じ)
  • FOTA-RESET – 開発機ではFOTAKernelでZIPをインストールできるようだが、市販モデルではこれで無効化されている。
  • OSV-RESTRICTION – おそらく開発機でのAndroidバージョンアップを制限している。 ドコモモデルのcom.nttdocomo.android.osvと関係あり?
  • RESET-NON-SECURE-ADB – 意味深な名前だが、USBデバッグでフィンガープリントを認証しなくてもADB接続できるようになるだけで、#になれるわけではない。市販モデルでは無効化されている。

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