Android 6.0 Marshmallowで追加された新機能、
Adoptable StorageをXperia Z5で有効化し、使ってみました。
目次
Adoptable Storageとは?
Adoptable Storageは、外部SDカードを内部ストレージの一部として
使用できるようにする機能で、内部ストレージとしてフォーマット
した後はデータの保存はもちろん、アプリの保存場所としても
SDカードを利用できるようになります。
Xperia Z5など非対応端末で有効化するには
残念ながら、Adoptable StorageはXperiaでは無効化されています。
無理矢理有効化して使うには二通り方法が有り、
- root化せずコマンドで有効化する
- root化し、Xposedモジュールなどで有効化する
のどちらかでAdoptable Storageを使えるようにできます。
root化せずコマンドで有効化する方法
こちらのページで紹介されている通りの方法です。
この方法では設定から操作はできないものの、
容量の50%だけを割り振る、といったことができます。
コマンドは、まず
adb shell
sm list-disks
を実行して、
sm partition (sm list-disksの結果) private
(例: sm partition disk:179,64 private)を実行します。
もし一部だけをAdoptable Storageに割り当てたければ、
sm partition (sm list-disksの結果) mixed (数字)
(60%にする例: sm partition disk:179,64 mixed 60)
と実行してください。
root化し、Xposedモジュールなどで有効化する
Xposedモジュールを使う方法では、設定に項目が表示
されるようになるため、上記のようなコマンドを入力せず
Adoptable Storageの機能を使えるようになります。
SystemUI Patcher for Lollipop | Xposed Module Repository
Change quick settings’s number of rows & columns Enable Close All button in recent panel Hide search widget in recent panel Hide No SIM icon … and more!
変更しているのは、Settings.apkのbool値、
config_permitToAdopt
です。
SystemUI Patcherでチェックを入れて再起動すると、
設定→ストレージ→SDカード→メニュー→設定で
「内部ストレージとしてフォーマット」を選べるようになります。
動画ではデータの移行をしていませんが、「後で移動」を選んだ場合は
SDカードのメニューから「データの移行」を選ぶと
内部ストレージからSDカードに移動できるデータを移行できます。
データの移行を済ませると、アプリ→移動したいアプリを選択→
ストレージでSDカードへ移動できるようになります。
Adoptable Storageの問題点
Adoptable Storageが無効化されているのにはやはり理由が有り、
Xperia Z5を初めとするハイエンド端末では使い物になりません。
理由1. バグが多い
常用する上で一番やっかいなのが、バグの多さです。
確認できたバグや報告されているバグには、
- スクリーンショットが保存できない
- MTPでデータを転送できない
- ファイラーアプリで閲覧できない
- 移動したアプリが動かない
などがあります。
理由2. SDカードなのに他の端末で読み取れない
Adoptable Storageでフォーマットすると暗号化されるため、
フォーマットした端末以外では基本的に読み込めなくなります。
キーを取り出してデータを読み込む方法はあるものの、
必要なときに取り出してPCや他の端末で使える、
というSDカードならではの利便性がなくなってしまいます。
理由3. パフォーマンスが落ちる
ハイエンド端末で使用されている内部ストレージは
基本的には市販されているSDカードよりも高速です。
そのため、遅いSDカードとごちゃ混ぜになると
読み取り/書き込み速度がネックとなり、
全体的にパフォーマンスが落ちる原因になります。
Adoptable Storageが有用な場面とは
デメリットが多く、Adoptable Storageを使う意味が無いように
思えてきますが、一つだけ有効活用できる場面があります。
それは、内部ストレージが4GB~8GB程度しかない、
ローエンド端末でのストレージ不足解消です。
ローエンド端末ではストレージもあまり高速ではなく、
購入した時点でほぼデータを保存できない状態になるため、
多少端末のパフォーマンスを落としてでも、
Adoptable Storageを使って内部ストレージとして
使える容量を増やすことに大きなメリットがあります。
日本では16GBは当たり前、機種によっては128GBまでも、
といった状況のため、一般的な日本人にとっては不要な
機能ですが、海外で安い端末を買ったときなどに
Adoptable Storageを使うと便利かもしれません。