Android 10での大きな変更によりサポートされなくなり、2019年10月から動きがなかったTWRPですが、ついに非公式版でAndroid 10に対応したものが公開されました。
Android 10対応
今回公開されたのは公式版ではなく、中国のLR.Team・wzsx150氏がOnePlusBBSにて公開した非公式版です。(現在ダウンロード先のpan.baidu.comが不安定なのでこちらにミラーしておきます)
Android 10搭載のOnePlus 8 Proに対応したもので、TWRPの機能は一通り動作するようになっています。
recoveryへ焼くこともできますが、基本的にはZIPから取り出したrecovery-TWRP-3.4.1B-0425-ONEPLUS8PRO-CN-wzsx150.imgをfastboot boot recovery-TWRP-3.4.1B-0425-ONEPLUS8PRO-CN-wzsx150.img
にて焼かずに起動するほうがおすすめです。
デフォルトでは中国語表示になるので、最初の画面で下側右のボタンを押してEnglishに設定しておきましょう。
暗号化されたdataの復号にも対応しており、バックアップもこの通りdataやbootなどを選べるようになっています。
復号はこれまで通りパスワードなしなら自動的に実行され、PINやパターンならそれを入力すれば復号されます。
約7分でバックアップ完了しました。
これまでAndroid 10プリインストール端末では「ダイナミック パーティション (動的パーティション)」や、これまでbootloaderに実装されていたfastbootをuser spaceへの実装に変更する「ユーザー空間 fastboot」と呼ばれる仕組みが採用されたことでリカバリに大幅な変更が必要となり、TWRPはそれに追従できていない状態でした。
TWRPがない状態では安心してカスタムロムを導入できず、インストールも難しくなってしまうため開発が落ち込んでいましたが、今回非公式版とはいえ完璧に動作するTWRPが登場したことでカスタムロム開発はまた盛り上がりを見せそうです。
気がかりなのは、非公式版を公開したLR.Team・wzsx150氏はソースコードを公開しておらず、TWRP公式へのパッチ提供もしていないように見えることです。
TWRPはGPLで公開されており、改変版を公開する際はソースコード公開が必須です。このままであれば「wzsx150氏はTWRPチームの開発成果にタダ乗りしている」状態になってしまい、TWRP公式チームが車輪の再発明のようにAndroid 10対応を進めなくてはいけません。TWRP公式チームは開発リソースが足りないことを公表していますし、ライセンスのことを抜きにしても、開発成果を使わせてもらっているのであれば公式版への貢献もするべきでしょう。
クローズドなのは中国共産党だけで十分なので、wzsx150氏にはパッチ提供をお願いしたいところです。