nubia RedMagic 5Gレビュー。144Hz+冷却ファン+S865+LPDDR5の最高ゲーミングスペック

この記事の賞味期限は切れています。掲載内容や情報が古い可能性があります。

最高峰の性能を備えたゲーミングスマホ、nubia RedMagic 5G グローバル版を購入しました。


ハードは最高クラス、ソフトは…

nubia RedMagic 5G NX659JはSnapdragon 865にX55 5Gモデムを搭載した、5G (SA + NSAデュアルモード) 対応ゲーミングスマホです。

超高速なLPDDR5メモリ搭載で、6.65インチ画面はリフレッシュレート144Hzとスマホ史上最高です。さらにゲームプレイで使いやすいショルダートリガー、最大15,000RPMの冷却ファンに55Wでの超急速充電、4500mAh大容量バッテリー搭載で、カメラもSony IMX686の64MPトリプルカメラにアップグレードされています。

ハード的な性能はこの通り最高なのですが、実際に使ってみると「ソフトウェアが開発途上」という意外な足かせがありました。(発売当初)

nubia RedMagic 5G NX659J
OS Android 10
RAM 8GB/12GB LPDDR5
ストレージ 128GB/256GB UFS 3.0
プロセッサ Snapdragon 865 (+ Snapdragon X55 5Gモデム)
ディスプレイ 6.65インチ FHD+ 2340 x 1080
サイズ 168.56x78x9.75mm
重さ 218g
SIM Nano SIM
Dual SIM
メインカメラ 64MP (Sony IMX686) + 2MP (マクロ) + 8MP (超広角)
フロントカメラ 8MP
バッテリー 4500mAh
USB端子 USB Type-C (55W)

Blueprintを使ってグローバル公式ストアでRed Magic 5Gを購入したところ、謎のおっさんが書かれたパッケージで届きました。おまけとして、スキンシールで有名なdbrandのクリーニングクロスが10枚も付いていました。

Red Magic 5G

付属品はUSB Type-A充電器とUSB Type-A to USB Type-Cケーブルなどです。

クイックスタートガイドには日本語も入っています。

付属品

144Hzディスプレイ

Red Magic 5Gは6.65インチ AMOLED ディスプレイを搭載しており、リフレッシュレート144Hz、タッチサンプリングレート240Hzとなっています。

最初から保護フィルムが貼られていましたが、埃が付きやすい上に貼り付けミスで端が浮いていたので、ミヤビックスさんに保護フィルムを作っていただきました。

ディスプレイは平面に見せかけて実は端がほんの少しカーブしているため、OverLay FLEXでない普通の保護フィルムにする場合は少し小さめになります。5/5現在まだ発売されていませんが、GW開けには出てくると思います。

アンチグレアフィルム OverLay Plus だと指滑りが良く、指紋も付きにくいのでかなり快適です。画面内指紋認証も問題なくできます。

Amazon

ディスプレイ

ディスプレイのリフレッシュレートはデフォルトでは90Hzで、設定にて144Hzに変更できます。

ステータスバーに現在の設定を表示できますが、あくまで設定値であり現在のFPSが分かるわけではありません。

リフレッシュレート

設定からは60Hz・90Hz・144Hz (シーンによって自動変更) しか選べませんが、Activity Launcher等でcn.nubia.factory.ChooseFpsActivityを起動すれば120Hzモードも選べるようになります。

120Hz

World of Tanks Blitzで実際に試したところ、120FPSでプレイできました。ゲーム側がようやく120Hzに対応してきた、という段階なので、144Hzをフルに使えるゲームはまだまだ少ないようです。PUBG MOBILEやMINECRAFTでは144Hzに対応しています。

120Hz

画面の色については、設定では色温度の調整とNormal (DCI-P3)・Colorful・Natural (sRGB) の3つのモード選択しか出来ませんが、com.qualcomm.qti.qcolor.QColorActivityを起動することでレーシングやシューティング用モードも選べるようになります。ゲームモード中に選べるモードと同じだと思います。

ディスプレイモード

光る背面

「ゲーミング」といえば無駄に1677万色で光るイメージがありますが、Red Magic 5Gも例に漏れず光ります。

背面

中央のREDMAGICの文字 (Light Strip) と下部のロゴ (Redmagic Symbol Lamp) が別々に光るようになっており、REDMAGICの文字は通知がある時や充電中に、下部のロゴは画面点灯中に光らせられます。

赤色、緑色、グラデーションなどの9パターンから機能毎にそれぞれ光り方を選べます。RedMagic 3の頃はもっと自由に光らせられたのですが、ワンパターンな光らせ方しかできなくなったのが残念です。

LED

出っ張りの少ない64MPカメラ

背面のカメラはあまり出っ張っておらず、机に置いてもそれほど大きく傾きません。

64MP (Sony IMX686) + 2MP (マクロ) + 8MP (超広角) と、ゲーミングスマホとしては豪華なトリプルカメラです。

64MPカメラ

写真は64MPでも撮影できますが、4枚の画像を組み合わせて高画質化するための高画素なので、16MPで撮影するのが基本となります。

撮影した写真はこちらに保存しています。AIオートモードだと葉っぱの緑色を変に強調しすぎることがあるように感じますが、AIオートを外せば十分きれいにに撮影できると思います。

64MP

望遠 (ズーム) レンズなしではありますが、IMX686のおかげで3倍ズーム程度までは綺麗に撮影できます。望遠レンズありのOnePlus 8 Proに比べるとディテールに欠けるところはありますが、ゲーミングスマホとしては十分なレベルでしょう。

2MPのマクロは端末が大きくて影になることもあり、写りが微妙です。

ズーム

イヤホンジャック付き、有線映像出力も

上部には3.5mmイヤホンジャックがあります。

音楽ゲームなど遅延がプレイに悪影響を与える場合には有線のほうが良いですし、変換アダプターなしに使えるのは良いですね。

3.5mmイヤホンジャック

下部にはUSB Type-Cポート、スピーカー、SIMスロットがあります。

対応バンドは

  • 5G: NR n41/n78
  • GSM 2/3/5/8
  • WCDMA B1/2/4/5/8/19
  • CDMA/EVDO BC0/BC1
  • TD-LTE B34/B38/39/40/41
  • FDD-LTE B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B20/B12/B17/B18/B19/B26

と前モデル同様幅広く、日本向けのプラチナバンドもばっちりカバーしています。

USB Type-C

USB Type-C to USB Type-CケーブルUSB Type-C to HDMI変換ケーブル等を使ってモニターへ映像・音声出力することもできます。

無線だと途切れたり遅延が起きたりしますが、有線なら問題なく大画面でゲームや動画を楽しめます。ただし、DRM保護が掛かっているコンテンツは外部モニターには出力出来ません。

手持ちのディスプレイが60~75Hzまでしか対応していないので外部モニターで90Hz以上出せるのかは確認出来ていませんが、World of Tanks Blitzだと65FPSにはなっていました。

DP Alt Mode

また、有線LAN対応ハブを使えば有線接続することも可能です。残念ながら無線に比べてスピードは遅くなってしまいますが、安定したネット接続でプレイしたければ有線のほうが良いと思います。

有線

4500 mAhの大容量バッテリーはUSB PD・Quick Charge 4+に対応しており、9V/2Aの18W充電のほか、USB PD 100W充電器にて12V/2.5A = 30W充電も確認出来ました。

PPS 3.3-11V / 5A対応の充電器であれば55W充電できるのですが、電圧・電流がぴったり合っていないと有効にならないようで、Baseus GaN 65W 3ポート充電器のようなPPS 3.3-21V/3A充電器では18W充電にしかなりませんでした。

12V/2.5A

右側面には電源ボタンと音量キー、ショルダートリガーボタンがあります。

残念ながらゲームモード中にしか動作しませんが、タッチすれば画面を触らずにアクションを起こせます。

ショルダートリガー

左側面にはドック用のコネクタやゲームスペースのスイッチがあります。

ゲームモード

重さは221.2gと、重ためです。持てない重さではないですが、片手操作は落としてしまう危険性があり難しいです。

あくまでも横持ちのゲーム特化ということでしょう。

221.2g

パフォーマンスを最大化できるゲームモード

左側面の赤いスイッチを押すとGame Space (ゲームモード) になります。

ゲームスペースでは選択したアプリに優先的にリソースが割り当てられるようになり、パフォーマンス調整もできるようになります。

誤操作防止のためナビバーなどは無効化されており、右側をスワイプして出てくるメニューでないと戻る操作ができないようになっています。

ゲームモード

「Enhancement」ではゲーム中のパフォーマンスについて、CPU・GPUターボして改善できます。

発熱や消費電力は大きくなりますが、少しでも高いパフォーマンスでプレイしたい場合は「Super Performance」にすると良いでしょう。

ブースト

コントラスト調整をしてレーシングやシューティングなどゲームに応じた表示にすることもできます。

表示

「Pro Trigeer」では指の移動を最小限にできるショルダートリガーの設定ができます。

L・Rボタンは画面内のどこにでも設定できるようになっており、タッチ感度も調整できます。

ショルダートリガー

その他ゲームスペース設定では冷却ファンの動作も変更できます。

デフォルトではCPU負荷に応じて動作するようになっていますが、常時最高速度で動かしておくことも出来ます。

冷却ファン

左側に吸気口、右側に排気口があります。

動作中の音は最大だとそれなりに大きい (録画したものはこちら) ですが、音楽を聞きながらだとあまり気にならないレベルだと思います。

冷却

ちなみに冷却ファンはゲームスペース以外でも使えるようになっており、設定で使用する時間帯を決めたり、急速充電中にオンになるようにしたりできます。

充電中でも温度が上がりにくくなるため、バッテリーを気にせず充電しながらプレイすることもできます。

冷却ファン

「Record Settings」ではベストな瞬間を自動的に録画できる…ようなのですが、対応ゲームは画像の4つと少ないです。

レコード

「Basic」ではLEDのオンオフや明るさの固定などの設定ができます。

LED

最高峰のパフォーマンス

どれほどの性能に仕上がっているか、いくつかベンチマークしてみました。ベンチマークはすべて144Hzリフレッシュレート・冷却ファン最大・CPU/GPUターボ オンの状態でしています。

 

まずAnTuTuベンチマークではスコア 597638となりました。公式では最大633724とのことでしたが、60万には達しませんでした。OnePlus 8 Proでは576129でしたが、CPUターボ等のおかげで少しスコアが高くなっているようです。

OnePlus 8 Proでは8℃上昇していたのに対してRed Magic 5Gでは4℃の上昇に収まっており、冷却ファンの効果のほどがうかがえます。

597638

Geekbench 5ではシングルコア 910、マルチコア 3337でした。ここではあまりOnePlus 8 Proと変わらないスコアになりました。

Geekbench 5

3DMarkではOpenGL ES 3.1にてスコア 7302、Vulkanにてスコア 6656でした。

3DMark

Red Magic 5Gは超高速なLPDDR5メモリ搭載で、A1 SD Benchでのベンチマーク結果ではRAMコピー速度 17580.02MB/s でした。

ストレージもUFS 3.0と高速なものを搭載しているため、アプリ起動や読み込みのスピードが速いです。

メモリ

ハードに対してあまりにも貧弱なソフトウェア

ここまで紹介してきた通りハード面では、世界最高峰のSnapdragon 865に超高速LPDDR5メモリ、強力な冷却ファンに144Hz AMOLEDと約6万円という価格にしては破格の性能といえます。

しかし、ゲーミングスマホとしてだけでなく普段使いのスマホとして使う際に重要となる「ソフトウェア」の面では、1万円のスマホにも劣る未完成具合と言わざるを得ません。

軽くリストアップしてみると

  • ホームアプリを変えられない
  • 顔認証やSmart Lockがない
  • ステータスバーにバッテリー残量の%表示ができない
  • 設定から電池使用量を見られない
  • 設定やクイック設定でバッテリーセーバーをオンにできない
  • 設定からテーマを変えられない
  • AOSPで日本語があるはずの項目も英語のまま

こんなに問題点があります。1万円のスマホでも当たり前にできることが、Red Magic 5Gではできないのです…。

 

まずホームアプリについてはデフォルトのホームアプリはあまり多機能とはいえない、ゲーミング関連の機能があるわけでもないものなのですが、「ホームアプリを別のものにしても設定が反映されない」ためホームボタンを押すとすぐデフォルトのホームに戻ってしまい、Nova Launcherなどに変更できないようになっています。

USBデバッグを有効化した上でadb shell pm uninstall -k --user 0 "cn.nubia.launcher"と実行すれば強制的に無効化して他のホームアプリを使えるようになりますが、今度は「アプリ履歴画面が出てこなくなる」不具合が出てきます。これはホームアプリ内部にアプリ履歴画面が含まれているためで、別途Pixel Launcherなどを入れてもアプリ履歴は使えません。

Taskerなどで代替するか、adb shell cmd package install-existing "cn.nubia.launcher"でデフォルトのホームアプリを復活させて使うかしかなく、まるでiPhoneを使っているかのような不便さを味わえます。

 

なお、デフォルトではテーマが四角いアイコンになっているのですが、設定にはテーマを変更するオプションがありません。設定に「Lockscreen, Launcher and Theme」という項目はあるのにその中にはリンクがなく、Activity Launcher等でcn.nubia.theme.local.ThemeActivityを起動してようやく変更できるようになります。

ホーム

次にバッテリーについては、これまた設定画面にリンクがありません。これまでいくつも中華スマホを触ってきましたが、こんなことはRed Magic 5Gが初めてです。

Activity Launcher等でcom.android.settings.Settings$PowerUsageSummaryActivityを開けば確認出来ますが、作りかけで止めたらしくダークモードに対応していなかったり、有効化できないPerformance Modeがあったりします。

電池残量の%をステータスバーに表示するオプションがありますが、有効化してもステータスバーには表示されず、Always On Display (AOD) 上にしか出てきません。

【05/16追記】
アップデートが公開され、バッテリーの残量表示については追加されました。(アップデートの手動DLはこちら)

バッテリー

ちなみにAODはテキスト、アナログ時計、さらには自分の好きな動画ファイルなど色々選べるようになっています。何故基本機能ではなくここに開発リソースを費やしたのか…。

AOD

セキュリティオプションでは信頼エージェントにGoogleがないため、付近のBluetooth端末や位置情報でロック解除する「Smart Lock」が使えません。

さらに顔認証も搭載されていないため、画面内指紋認証以外の簡単なロック解除方法がありません

画面内指紋認証も調整不足で、指を置いた時に画面全体が最大まで光ってすぐ元の明るさに戻るため、目がチカチカします。例えばOnePlus 8 Proでは指紋センサー部分しか光りませんし、ユーザビリティへの配慮が足りていません。

 

ちなみに、Bootloader Unlockすると指紋認証センサーはエラーが発生し使えなくなります。は?

ロック

More Featuresから「Double click to light up」を有効化すればAODからでもダブルタップでスリープ解除できるので、ここはまだマシでした。

One-handed modeなんてこの画面サイズのゲーミングスマホを買う人はほぼ使わないでしょうし、開発リソースの使い方を完全に間違えていると思います。

ジェスチャー

今後のアップデートに期待

Red Magic 5Gはハード面は世界最高峰なのですが、今のところソフトウェアの完成度がそれに見合っていません。

ゲーム専用スマホとしては良い選択肢だと思いますが、普段使いもこれ一台で済ませようとしている方は注意が必要です。中国版のファームウェアでは顔認証やステータスバーのバッテリー残量表示は搭載されているので、グローバル版も今後のアップデートで改善される…はずです。

普段使いがメインではなく、とにかくゲーム用に最高速の環境を格安に整えたい、という方にRed Magic 5Gはおすすめです。

【05/16追記】
アップデートが公開され、バッテリーの残量表示については追加されました。(アップデートの手動DLはこちら)

今後もアップデートでソフトウェア上の問題は解決していくでしょう。

 

グローバル版8GB+128GBは$579 (約6.3万円)、12GB+256GBは$649 (約7万円) で購入できます。

RedMagic 公式ストアは日本への直送もしてくれるようになっているため、わざわざ他の小売から買わなくても最初から定価で購入できます。

公式ストアでRedMagic 5Gを購入

AliExpressで購入

GIZTOPで購入

はてブ Pocket Mastodon タイトルとURLをコピー
カテゴリ:

技適の無い機器の使用は自己責任です。
中国版デバイスは日本語に対応していないものが多いため、ADBコマンドでの日本語化が必要です。
root化済み・非rootそれぞれのやり方はこちらの記事を参考にしてください。