OnePlus Nordレビュー。4万円台でAMOLED & 90Hz、S765Gの十分な性能を持つミドルレンジ

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OnePlus Nord

OnePlusのミドルレンジスマートフォン、OnePlus Nord AC2003を購入しました。

安定した性能とOSで普段使いにぴったり

OnePlusは最近では10万円を超えるOnePlus 8 Proなどハイエンド・高価格路線に移り変わってきていましたが、OnePlus Nordで新たなミドルレンジシリーズが開始されることになりました。

OnePlus Nordは5万円以下というミドルレンジの価格でありつつも、Snapdragon 765Gに90Hzリフレッシュレート・画面内指紋認証対応のAMOLEDディスプレイに48MPクアッドカメラ、4115mAhバッテリーと普段使いで不満を感じさせない構成です。

ちなみに、これまでのOnePlusシリーズでは食べ物の名前がコードネームになることが多かったですが、Nordの場合は「Avicii」とアーティスト名になっています。

  • 快適な普段使いができる性能とOS
  • 90Hzリフレッシュレートでなめらか
  • Samsung製Fluid AMOLED
  • 4115mAhバッテリー、30分で0%→70%
  • ミドルでもLTE B19など対応バンドは広い
  • USB 2.0で映像出力できず
  • Xiaomi・realmeに比べると高め
  • 型落ちのOnePlus 7Tや8と価格差が小さい
  • 5Gは日本では使えず
OnePlus Nord AC2003
OS Android 10
RAM 8GB/12GB
ストレージ 128GB/256GB UFS2.1
プロセッサ Qualcomm Snapdragon 765G
ディスプレイ 6.44インチ FHD+ (2400 x 1080)
サイズ 158.3 x 73.3 x 8.2mm
重さ 184g
SIM nano SIM + nano SIM
メインカメラ 48MP (Sony IMX586) + 8MP (超広角) + 5MP (深度) + 2MP (マクロ)
フロントカメラ 32MP (Sony IMX616) + 8MP (超広角)
バッテリー 4115mAh
USB端子 USB Type-C (WARP Charge 30T対応、USB 2.0)

別途プレオーダー版の開封レビューを載せていますが、従来の赤色がメインのデザインとは異なり、黒色の箱に水色のラインが見えるようなデザインになっています。

OnePlus Nord

保護用のフィルムには「This way Nord. (北はこちら)」と書かれています。

Nordの箱

付属品は保護ソフトケース、WARP Charge 30充電器、USB Type-A to Type-Cケーブル、取扱説明書、透明ロゴステッカーです。保護フィルムは最初から貼り付けられています。

付属の充電器はそのままでは使えませんが、変換アダプタを使うかUSプラグのWARP Charge 30充電器を別途購入すれば0%→70%をたったの30分で充電できるため、充電し忘れていてもちょっとした空き時間で一日使えるレベルまで充電できます。

OnePlus Nordの付属品

付属ケースはディスプレイ側の四隅が少し高くなっており、USB Type-Cポートを塞ぐキャップも付いています。

ケース

OnePlus 8 Pro Ultramarine Blueと並べてみました。OnePlus NordのBlue MarbleはiPhone XRのブルーより少し薄め、という印象です。

光によって色が変わり、青緑っぽく見えることもあります。

カバーガラスには衝撃に強いCorning Gorilla Glass 5が使用されています。

OnePlus 8 Pro vs. OnePlus Nord

OnePlus Nordの重さは保護フィルム込で187.4gです。

さすがにPixel 4aには負けますが、4115mAhバッテリーに6.44インチディスプレイを搭載して180g台なら及第点といったところでしょう。

重さ

ミドルでも90Hz & Fluid AMOLED

ディスプレイはSAMSUNG S6SY761 (Pixel 3と同じ) + Goodix GT9886となっており、6.44インチ FHD+ 408ppi・90Hzリフレッシュレートで解像度となめらかさを両立しています。

ミドルレンジではAMOLEDではなくLCDを搭載するモデルが多いですが、OnePlusは妥協せずFluid AMOLEDを搭載し、HDR再生にも対応しています。

OnePlus 8 Proと比べても遜色ないレベルの細さのベゼルで、没入感があります。

 

写真だと伝えにくいですが、OnePlus 8 Proのディスプレイに比べるとNordより8 Proのほうが彩度が高く、明るいように見えました。比較のために使用した画像をDell S2719DMモニターで見たときの表示とNordで見た時の表示が同じぐらいでした。

個人的にはOnePlus 8 ProのAMOLEDらしい表示が好きですが、OnePlus Nordも単体で見ればミドルレンジらしからぬ綺麗さですし、十分満足できると思います。

ちなみに低照度時に画面が緑や紫色になる不具合が一部で報告されていましたが、私の個体では発生しませんでした。

ディスプレイ

左上には超広角撮影ができるフロントカメラがパンチホール型ノッチの形で搭載されています。フロントデュアルカメラはOnePlusシリーズでは初です。

自撮りする人には良いと思います。私にとっては無駄でしかありません…。

OnePlus Nordはエッジがなく平らなので、保護フィルムが貼りやすいです。個人的にはアンチグレアが良いのでミヤビックスさんに製作依頼しました。

デュアルカメラ

ステータスバーを移動して黒くすることで、ノッチを隠すこともできます。

ノッチ隠し

AMOLEDを搭載しているおかげで、画面内指紋認証にも対応しています。

OnePlus 8 Proだと1秒未満でロック解除できるのですが、Nordはほんの少し遅いように感じます。とはいえ認証精度は全く問題ないですし、ストレスには感じません。

画面内指紋認証

高速な顔認証も併用できるので、タップでの画面オンと組み合わせて指紋認証を使わずロック解除することもできます。

顔認証

暗い場所でも顔認証しやすくする補助照明も利用できます。

Pixel 4aだと指紋認証しかできませんが、OnePlus Nordなら指が汚れているときでも、マスクを付けているときでも2つの生体認証を使い分けられるので便利です。

顔認証

リフレッシュレートは90Hzと60Hzで切り替えられます。adb shell settings put global oneplus_screen_refresh_rate 0を実行すれば強制的にどのアプリでも90FPSで動作させられます。

リフレッシュレート

48MPクアッドカメラ

背面カメラは48MP Sony IMX586 + 8MP (超広角) + 5MP (深度) + 2MP (マクロ) で、最新ではないとはいえハイエンドモデルに搭載されているIMX586に、超広角やマクロなど便利なカメラが揃っています。

超広角などは画素数があまり高くないので、あくまで48MPカメラがメインで他はおまけ程度に考えていた方が良いです。

同じSoCでも格安なXiaomiスマートフォンなどではOIS (光学手ブレ補正機能) が省かれていることが多いのですが、OnePlus NordはちゃんとOISを搭載しています。

カメラ

カメラが出っ張っているため、机に置いたまま触ると少しぐらぐらします。

カメラの出っ張り

OnePlus Nordで撮影した写真はGoogle フォトに保存しています。

 

2倍まではセンサーズームが可能で、2.1倍~10倍ではデジタルズームとなります。

ズーム

マクロは…2MPなのもあって微妙です。あまり近くに寄れない上、本体が被るので暗く映ります。

正直あまり役に立たないマクロや深度カメラを付けるぐらいなら、いっそ外してメインカメラをOnePlus 8 Proと同じIMX689にアップグレードして欲しかったです。

夜景モードは明かりがほぼない場所でも明るく映してくれますし、かなり頑張っています。実際はもっと薄暗くて見にくい状態なのですが、それなりに風景が分かるように映っています。

動画の解像度は何故かリアカメラは4K 30fpsまでしか選べず、フロントカメラでは4K 60fpsで撮影できます。

Googleカメラを入れるとリアカメラでも4K 60fps撮影できますし、無効化している理由が分かりません。パフォーマンスや発熱の問題があるならフロントカメラでも制限されると思うのですが…。

4K 21:9のシネマ画質で撮影することもできます。

4K 30fps

幅広い対応バンド

OnePlus Nordの対応バンドは

  • GSM: GSM850, GSM900, GSM1800, GSM1900
  • WCDMA: B1, B2, B4, B5, B8, B9, B19
  • LTE-FDD: B1, 2, 3, 4, 5, 7, 8, 12, 17, 18, 19, 20, 26, 28, 32, 66
  • LTE-TDD: B34, 38, 39, 40, 41
  • 5G: N1, N3, N7, N28, N78

と幅広いです。ミドルレンジでありつつも、国内ではNTT docomo回線でも使われているLTE B19などのプラチナバンドに対応しているのはさすがOnePlusです。

LTE B3・B18対応のため楽天モバイル (MNO・Rakuten UN-LIMIT) でも使用できます…が、そもそも楽天モバイル自体のサービス品質が劣悪すぎるのでおすすめできません。APN設定だけでは電波アイコンが×のままになるので、電話アプリで*#*#4636 *#*#を押して携帯電話情報を開き、優先ネットワークの種類をLTE Onlyにしないとデータ通信できません。

また、何故かSIM2に楽天モバイルを挿しているとデータ通信できず、SIM1だと通信できました。

DSDS

5Gのバンドは海外向けですが、日本では今のところ5Gはほぼ広まっておらず使い物にならないですし、問題はないでしょう。nano SIM対応で、4GのDSDS (Dual SIM Dual Stundby)か、5G シングルSIM運用ができます。

DSDS

公式にはIPレーティングはありませんが、SIMトレイには防水性を高めるためのゴムパッキンがあります。

位置情報サービスでは、GPS (L1+L5 デュアルバンド)・GLONASS・Galileo (E1+E5a デュアルバンド)・Beidou対応です。

 

USB Type-CポートはUSB 2.0対応のため、DisplayPort Alt Modeでの映像出力はできません。USB 3.1 Gen1のOnePlus 7Tなどでは対応していますが、コスト削減のため切り捨てられたようです。

WARP Charge 30Tのほか、USB PD 5V/3A = 15Wでの充電も可能です。

便利なジェスチャー操作

OnePlusではおなじみの「アラートスライダー」もちゃんと搭載されています。

一発でマナーモードやサイレントモードに切り替えられるので便利です。

アラートスライダー

電源ボタン長押しはデフォルトではGoogleアシスタントを呼び出す動作になりますが、設定で電源メニューに変更することもできます。

ジェスチャー

音量キーは右側面にあります。

音量キー

クイックジェスチャーでは持ち上げて着信を受ける機能や、ダブルタップで画面オンにする機能を有効化できます。ロック時に画面をタップして時計や通知を表示する「アンビエントディスプレイ」と「ダブルタップでスリープ解除」は併用できるようになっています。

ロック画面でダブルタップするとスリープするようになっているため、一度画面をオンにすると電源ボタンでないとスリープできない他機種と違い地味に便利です。

O、Wといった文字を描くことでアクションを起こせるジェスチャーもあります。カメラ起動やライト点灯だけでなく、好きなアプリに変更できます。

ジェスチャー

シングルスピーカーでも音量は十分

OnePlus Nordは残念ながらステレオスピーカーではなく、シングルスピーカーです。

シングルとはいえ音量はしっかり出ており、スマホで聞くには十分です。音質を求めるような人がミドルレンジモデルを買うとは思えませんし、コスト削減のためにはシングルで正解だと思います。

root化してMagiskモジュールをインストールすることで、無理矢理上部の通話用スピーカーを使ってステレオスピーカー化することもできます。

 

オーディオチューナーはDolby Atmosではなく、Diracが搭載されています。

Dirac

Bluetoothは5.1で、AAC、aptX、aptX HD、LDACコーデックに対応しています。

一部サイトではNFC非対応と誤掲載されていますが、ちゃんとNFCに対応しています。

NFC

シンプルで高機能なOxygenOS

格安な中華スマホにありがちなのが、「やたらとカスタマイズされたOS」。中身は同じAndroidなのにUIがiOS風になっていたり、やたらとバックグラウンドアプリを終了したがったりして使いにくいことが多いです。

OnePlus Nordに搭載されているOxygenOSはAOSP・ピュアAndroidな見た目を維持しつつも、かゆいところに手が届く高機能なOSとなっています。また、ソフトウェアアップデートは2年間提供、セキュリティアップデートは3年間提供されることが約束されています。

OxygenOSにもバックグラウンドアプリを終了する「RAMブースト」は搭載されていますが、設定で簡単にオフにできます。

 

パラレルアプリ、アプリロッカーといったアプリのデータを複数持ったり、アプリ単位でパスワードロックしたりできる便利機能がいくつも搭載されています。指紋認証エリアの長押しでアプリを起動できる「クイック起動」も地味に便利です。

ポケットモード

パラレルアプリはDiscord、Instagram、LINEといったアプリに対応しています。

パラレルアプリ

ポケットモードをオンにしておけば、ポケットや鞄の中での意図しないロック解除を防げます。

ポケットモード

バッテリー寿命を延ばすための「充電の最適化」も搭載されています。

寝ている間に長時間充電し続けている場合などでも、バッテリーの負荷を減らすため自動で調整してくれます。

4115mAhバッテリーのおかげで普通に一日持ちますし、早い代わりに負荷が高いWARP Charge 30Wを使わず夜の内にUSB PD 15Wでゆったり充電しておく、という使い方でも良さそうです。

いたわり充電

OxygenOSではGoogle系プリインストールアプリが電池の最適化をしない設定にできず通知が遅れることがある、とデメリットがありましたが、OnePlus Nordに搭載されているバージョンではGmailなどもちゃんと最適化しないように変更できます。

最適化

これまではOnePlusの電話・メッセージアプリが搭載されていましたが、OnePlus NordではGoogle純正のアプリに置き換わっています。

スパム・迷惑電話対策やウェブサイトのプレビューなど、地味に便利な機能が使えます。

Googleアプリ

普段使いに十分なパフォーマンス

OnePlus NordはSnapdragon 765Gを搭載しており、性能的には数世代前のハイエンド SoC Snapdragon 835と845の中間ぐらいとなっています。メモリも8/12GB、ストレージは128GB/256GBとハイエンドモデル並です。

Geekbench 5でのベンチマーク結果はシングルコア: 620・マルチコア: 1957でした。Snapdragon 835のXperia XZ Premiumではシングルコア: 364・マルチコア: 1592だったので、特にシングルコア性能はSnapdragon 835より大きく優れていることが分かります。

他のSoCとの比較データはこちらに記録しています

Geekbench 5

PCMark Work 2.0 performanceでのベンチマーク結果は8838でした。

PCMark Work 2.0 performance

ストレージはUFS 2.1と少し古い規格ではありますが、体感ではそれほど大きな違いがあるようには思いません。影響があるのは大容量のゲーム読み込み時 (それも数秒程度の違い) などだけでしょう。CPDT Benchmarkでの結果はシーケンシャルライト321.80MB/s・シーケンシャルリード 691.91MB/s、ランダムライト 20.35MB/s・ランダムリード 17.70MB/sでした。

メモリコピーも5.67GB/sとなっています。

CPDT

 

OnePlus Nordは”Never Settle”と言わなくなったこともあり無難で尖ったところがないスペックですが、OSがAOSP・Pixelに近い見た目で高機能なため、クセが少なく使いやすくなっています。XiaomiOPPOiQOOといったスペック上ではすごいけれどOSがあまりにも使いにくい…というスマホと違い、メイン機にもしやすいです。

ただ、ここでライバルとなってくるのが「OnePlusのハイエンドモデル達」。

元々OnePlusはコスパの良い機種を投入している上、発売から時間が経って値崩れしているため、例えばSnapdragon 865にUFS 3.0、ステレオスピーカーを搭載したOnePlus 8は57,864円と、1万円足すだけで最新ハイエンドモデルを買えてしまいます。また、Snapdragon 855+のOnePlus 7Tは49,443円ともはやNordと変わらない価格にまで落ちています。

 

  • 快適な普段使いができる性能とOS
  • 90Hzリフレッシュレートでなめらか
  • Samsung製Fluid AMOLED
  • 4115mAhバッテリー、30分で0%→70%
  • ミドルでもLTE B19など対応バンドは広い
  • USB 2.0で映像出力できず
  • Xiaomi・realmeに比べると高め
  • 型落ちのOnePlus 7Tや8と価格差が小さい
  • 5Gは日本では使えず

型落ちでも良ければOnePlus 7Tでいい気がしますが、このポップな水色はNordにしかない特徴です。

Pixelシリーズのような明るい色合いのOnePlusスマホが欲しかった、という方にはOnePlus Nordのほうが魅力的に映ると思います。

 

ETORENでは47,100円 + 送料 1,944円で、8月12日発送開始予定となっています。ETORENは税込価格のため、海外輸入と違って後から消費税の追加支払いなどがありません。

発送から1~3日で到着しますし、今からOnePlus Nordを買うならETORENがおすすめです。

多少時間が掛かっても良ければ、AliExpressではYTDC Storeにて43,120円で販売されています。

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