海外通販サイト、GearBest様よりいただいたInFocus M560に、開発中のAndroid 6.0 Marshmallowを焼いてみました。
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InFocus M560はbootloader unlockの必要なし
日本や欧米で販売されている、Qualcomm社製CPUを搭載した一般的なスマートフォンやタブレットは、ほとんどがbootloaderがロックされており、ロック解除しないとカスタムロムなど非公式なファームウェアを利用できないようになっています。
しかし、MediaTek (MTK) 社製CPUを搭載していることが多い中国の格安スマートフォンでは、ほとんどがロックされておらず、専用のツールさえ準備してしまえばカスタムロムやリカバリを焼けるようになります。
InFocus M560もロックされていない機種なので、ドライバーをインストールし、専用ツール「SP Flashtool」をインストールすることでカスタムリカバリを焼いてroot化できます。
専用ツールのダウンロード
ドライバーのインストーラはここからダウンロードできます。
展開してInstall.batを実行してください。Windows 8以降など、ドライバーの署名チェックでインストールできない場合は、無効化してからやり直してみてください。
SP Flashtoolはここからダウンロードできます。
Android 6.0 ロムはxdaで公開中
SP Flashtoolで焼けるAndroid 6.0 Marshmallowのデータはxdaで公開されています。中国の格安スマートフォンは主に中国やロシアのフォーラムで話題になることが多いため、そこからの転載となっています。
ZM1-0-622B-00WW-A02.7zが7月13日時点で公開されている最新バージョンです。root化する場合は、リカバリのZM1-0-622B-00WW-A02-TWRP.zipもダウンロードしてください。
ZM1-0-622B-00WW-A02-TWRPを焼くためのスクリプト (scatter) はここからダウンロードできます。
SP Flashtoolでロム焼き
ダウンロードしたZM1-0-622B-00WW-A02.7zを展開すると、ZM1-0-622B-00WW-boot.imgなどが入った00WWフォルダが出てきます。bootはカーネル、systemはシステムのイメージといったようにそれぞれのファイルが焼くファイルなので、焼く前に編集することも可能です。
SP Flashtoolで焼く時は、flash_tool.exeを起動して、Downloadタブを開いてください。
Scatter-loadingボタンを押して焼きたいファイルと同じフォルダにあるscatterを選んでください。
ZM1-0-622B-00WW-A02のscatterを選んだ場合、上の画像のようにすべてのチェックボックスにチェックが入ります。そのままではuserdata (内部ストレージを含む、データ保存領域) まで焼いてしまうので、データを初期化したくなければuserdataのチェックを外してください。userdata以外は、分からなければ焼いて起きた方が良いと思います。
Downloadを押した後、InFocus M560の電源を切り、5秒ほど経ってからUSBケーブルを接続してください。
SP Flashtoolと自動で接続され、イメージの書き込みが始まります。
完了すれば、上の図のようにマークが出てきます。後はUSBケーブルを外し、通常通り起動するだけです。
TWRPもインストールした場合は、2通りの方法でTWRPを起動できます。
- 電源を切った後、USBケーブルを挿し、2秒ほど待ってから電源ボタンと音量上キーをロゴがでるまで押し続ける
- 起動後、USBデバッグを有効にして、コマンドプロンプトで「adb reboot recovery」を実行する
Xperiaで使われているようなボタンを押して起動するようにしてみようとカスタムしてみたのですが、リカバリを起動できずログも無いので手詰まり状態です…。
なお、root化対策などはされていないので、SuperSUのzipをインストールすれば簡単にroot化できます。
ただし、System Protectionアプリではroot化状態をチェックしているようなので、保証を受けられなくなるかも知れません。そもそも保証がないにも等しいですが…。
Android 6.0の新機能、Turbo Download
ZM1-0-622B-00WW-A02ではセキュリティパッチレベルが6月1日と、なかなか素早い対応がされています。
ちなみに、Android 6.0ではスクリーンショットをスクロールして撮影することもできるようになっています。
細かな所で機能追加がされているのですが、一番目立つ新機能はTurbo Downloadです。
他の機種でも搭載していることがありますが、Wi-Fiとモバイルデータ通信の両方を利用することで、20MB以上の大きなファイルのダウンロード速度を改善する機能です。回線の速度によっては便利な機能ですね。
カーネルソースが公開されていないなど、あまりオープンとはいえないものの、1万円程度と格安で有りながらある程度カスタムできるのは魅力的です。7月13日現在はセール価格になっているようなので、気になった方は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。