海外通販サイト、GearBest様よりLeEco Le Max 2をいただいたのでレビューしたいと思います。
目次
LeEcoとは?
日本ではまだあまり知名度がありませんが、LeEcoは中国で最大級のストリーミングサービス、LeTVを提供している企業です。これまでスマートTVなど自社のストリーミングサービスに関連した製品を販売しており、2015年頃からスマートフォンに新規参入しました。
他のスマートフォンをメインに開発している企業と違い、あくまでストリーミングサービスを利用してもらうための手段としてスマートフォンなどを開発・販売しているので、製品価格が安く設定されています。ハイスペックなのはもちろん、ヘッドフォンジャックを廃止してUSB Type-Cを採用するなど最新技術の採用にも意欲的で、LeTVが簡単に見られることも相まって中国では人気が高まりつつあります。
Le Max 2 X820 (4GB+32GBモデル) のスペック
幅 | 高さ | 薄さ |
---|---|---|
![]() |
156.8mm | ![]() |
77.6mm 重さ 185g |
8.0mm |
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- ディスプレイ:
- 5.7インチ WQHD
- IPS LCD
- 1440 x 2560
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- カメラ:
- 21MP ƒ/2.0レンズ
- 8MP フロントカメラ
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- バッテリー:
- 3,100 mAh
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- チップ:
- Qualcomm Snapdragon 820 msm8996
- 4GB RAM
- 32GB 内部ストレージ
- microSDカード非対応
- デュアルSIM デュアルスタンバイ
- nano SIM
※4GB+32GBの他に4GB+64GB、6GB+64GB、6GB+128GBモデルなどがあります。
ケーブル・充電器・カバー付き
黒いシンプルな箱に本体・充電器・USB Type-Cケーブル、アダプタ、SIMピンなどが入っています。

充電器は中国向けなので、日本ではあまり使わない方が良いかもしれません。Type-Cケーブルは残念ながらType-A側は普通のタイプですが、Type-C側はもちろん裏表気にせず差し込めるようになっています。Type-Cケーブルの他にアダプタも付いていますが、これについては後述します。

サービスなのか分かりませんが、透明なケースも付いています。背面はカメラの出っ張りと同じぐらいの厚さになっているので、このケースを使うと平らになります。

フレームレスデザインのシンプルなボディ
Le Max 2はフレームレスデザインで、ディスプレイ左右のベゼルが無いようなデザインになっています。ベゼルが無いわけではなく、ディスプレイの周囲数㎜が黒枠になっているので、画面を点灯した状態だとはっきり分かるようになります。
電源ボタンは右側に配置されており、その上に音量ボタンがあるので、持ったときにも間違って押してしまうことがありません。

SIMスロットは左側で、デュアルSIMに対応しています。4G+3Gのデュアルスタンバイができ、LTEはB1/2/3/4/5/7/8/12/17/20/25/26、3Gは850/900/1900MHzに対応しています。micro SDカードに対応していないので、micro SDカードスロットはありません。

上面には赤外線ポートが配置されています。TVなどを操作できるリモコン (Remote Control) アプリもプリインストールされているのですが、残念ながら家にあるテレビでは動作しませんでした。

下部にはUSB Type-C端子とスピーカーがあります。

指紋センサーが背面のカメラ下にあるので、手に持った時に指紋認証しやすい反面、机に置いて使う時などには指紋認証が使えないようになってしまっています。指紋センサーはGoodix社のものを採用しているようで、指紋認証の精度はXperia X Performanceなどに採用されているFingerprint Cards AB社のセンサーより悪いです。鏡面仕上げのため指紋がセンサー部分にはっきりと残ってしまうところもマイナスポイントなので、後継機種では改善されることを期待しましょう。

カメラ横にはデュアルLEDがあり、一つしか搭載していない端末に比べかなり明るいので、暗い場所を歩くときや、写真撮影するときに活躍します。なお、ライトは□ボタンを押すと開くコントロールセンターからオンにできます。

Le Max 2では画面内のソフトウェアキーではなく、画面下のタッチキーに触れて操作するようになっています。ユーザー補助設定でバックキーとマルチタスクキーの動作を入れ替えられますが、△と□の表示は変わりません。

ディスプレイは2K、WQHD (1440 x 2560) で、視野角も十分良いので、とても見やすいです。文字を拡大しても綺麗なのは良いですが、やはり画像はアップスケールされる訳ではないので、高解像度での表示に対応していない画像は少しぼけた感じに表示されます。

ちなみに内部ストレージはUFS 2.0を採用しており、なかなか高速な読み書き速度で安定しています。読み書きにかかる時間が短いということなので、特にゲームアプリなどではローディング画面を見る時間が少し短くなりそうです。

USB Type-C採用でヘッドフォンジャック無し
Le Max 2はUSB Type-C端子を採用し、3.5㎜イヤフォンジャックを廃止しています。iPhone 7ではイヤホンジャックが廃止されましたが、それに先駆けて廃止した形になります。私の知る限りではイヤホンジャックを廃止したのはLeEco社製品が世界初です。
従来のイヤホンを使うには、付属のアダプタに接続して使います。音質も劣化するようなことはなく、通常のイヤホンジャック搭載端末と同じように聞こえます。

さらにLeEco社はContinual Digital Lossless Audio (CDLA) という規格を作り、USB Type-C専用のイヤホンも開発しています。LeEco社製CDLAイヤホンは、GearBestで2,400円程度で販売されています。CDLAがこれから世界に広まっていくのか、LeEco社の独自規格として埋もれてしまうのか、注目です。
Le Max 2はDolby Atmosに対応しており、音楽や映画、ゲームなど場面に応じたエフェクトを適用できます。オンにするとサラウンド感が増し、より音が強調されて聞こえます。

接写もフォーカスも強い、性能十分なカメラ
リアカメラは21MPまで対応しており、フォーカス速度もかなり高速です。マクロ性能も高く、Xperiaだとピントが合わずぼやけてしまうような距離でも、素早くちゃんとフォーカスしてくれます。

カメラアプリではコントラストやホワイトバランス、シャープネスなどを好きなように変更できます。スローモーションやパノラマ写真も撮影できます。シャッターボタンを長押しすると連写撮影されます。UFS 2.0採用が効いているのか、保存時の突っかかりも無く、いつの間に撮ったのか分からなくなるほどスムーズに撮影できます。

Huawei P9にあるような、ウォーターマークを左下につけるオプションも用意されています。LeEco社のカメラに対する自信の程がうかがえます。
OSはAndroid 6.0.1ベースのEUIを採用
Le Max 2はLeEcoが独自に開発した、Android 6.0.1ベースのEUIが搭載されています。GearBestから出荷された状態ではOTAアップデートができないようなので、アップデートしたい場合はカスタムROM (CUOCO92) をインストールしてアップデートするようにしないといけません。(GearBestの保証対象外になります)

ブートアニメーションなどもEUI仕様になっていて、起動時にはShare the Eco Worldなどとキャッチコピーが表示されます。Superpowered by Ecosystemなど3種類のサブタイトルがランダムに表示されるという妙に凝った起動画面となっています。

LeTVなどLeEco社のサービスを使うための各種アプリがプリインストールされているほか、おそらくGearBest側でインストールしたものだと思いますがGoogle Playストアなども入っています。LeEco社製アプリは自社サービスの利用を前提としたものですが、日本ではほぼ利用できません。

インストールされているROMは中国版のようで、日本語も選択できるようになっています。(インド版ROMでは無効化されているようです。)フォントはNoto Sans CJKが搭載されているので、日本語が中華フォントで表示されてしまうことは基本的にありません。

日本語が選べるものの、設定などは日本語に翻訳されていない部分が大半です。簡単な英語ばかりなので、中華スマホを買うような人なら十分設定できると思います。

EUIの豊富な独自機能
「表示」設定では、Color modeで画面の色表示を4種類から選べます。デフォルトで設定されているLeEcoが一番良いと思いますが、Softに設定して簡易的なブルーライトカットをするのも良さそうです。

最新ROMだと設定から消えているようですが、Display real-time speedを有効にすると、ステータスバーに通信速度をリアルタイム表示できます。
設定で見つからない場合、adb shell
でsettings put system realtime_speed 1
を実行することで有効化できます。

「電源ON/OFFのスケジュール設定」(何故か設定の最初のページのタイトルだけ日本語訳されています) では、設定した時間に自動的に電源をオン/オフするようにできます。ガラケー時代ではどの機種にも似たような機能がありましたが、セキュリティ強化のためかスマホでは見かけなくなってしまいました。
スリープ時のバッテリー消費が少なめなのであまり効果は無いかも知れませんが、スマホを触らない時間が長いと分かっている時には、この設定をした方がバッテリー消費を抑えられると思います。

省電力機能も多く搭載されており、スタンバイ時や夜間のwakelockを削減するAlign wakeup機能や、バッテリー消費の多いアプリを警告してくれる機能などがあります。

Quick Chargeにも対応しているので、急いでいるときでもすぐ充電でき、省電力機能を使って長持ちさせられます。

また、設定画面に項目が無いようなのですが、ロック画面は全画面では無く、右下寄りの表示となっています。大画面なのでこの表示の方がパターンロックの解除をしやすいのですが、表示がおかしいみたいで嫌だ…という人は、adb shell
でsettings put system leui_single_hand_unlockscreen 0
を実行することで無効化できます。

スクリーンショットでは、スクロールした範囲もスクリーンショットに入れてくれるScroll機能や、Le Max 2のフレーム画像の中にハメコミ合成してくれるFramed機能などがあり、ブログ記事を書くときなどに役立ちます。共有や編集もその場ででき、よくスクリーンショットを共有する人にとってはこの機能はかなり便利なので、これが搭載されていない端末だと不便で仕方が無い…となってしまいます。

豊富な機能に最高レベルのスペックで2万円台
Le Max 2には上に書いた機能以外にもポケットでの誤動作防止など様々な機能が搭載されており、ユーザーが欲しがる機能が意欲的に取り込まれています。個人的にはタップして起動があるともっと良かったのですが、過去にアップデートで追加されたこともあるそうなので、今後のアップデートに期待です。
Snapdragon 820、4GB RAMに2Kディスプレイ、UFS 2.0のストレージと、日本で9万円近くで販売されているスマホでも追いつけないようなスペックであるにもかかわらず、価格は$269.63 (約2.7万円) という驚きの価格です。
CyangenModやResurrection Remix、MoKeeなども焼けるBootloader Unlockedな端末 (ROM焼きについては別記事にする予定です) なので、公式なアップデートが終了しても新しいOSを使える可能性もあり、スマホを買い換えたいけれどお金が無い、という人や、サブスマホが欲しいけれど低スペックなものは嫌だ、という人にLe Max 2はおすすめです。