まともなUSB Power Delivery充電器を求めてアマゾンの奥地へ向かったところ、マイクロソリューション USB PD Universal Type-C Portable Power Supply PDPC60-Bを見つけたので購入してみました。
目次
簡素な箱だがケーブル付き
マイクロソリューション USB PD Universal Type-C Portable Power Supply PDPC60-Bはフラストレーション・フリー・パッケージとなっていて、段ボールにシールが貼られただけの簡素な箱になっています。
結局Amazonの箱に入ってくるので過剰包装気味ですが、開けやすく捨てやすいので良いですね。

本体に加え、リール式のAC電源ケーブルとUSB Type-C to Cケーブル、説明書が付属しています。

本体裏面には仕様やロゴが書かれています。PSEマークも存在しますが、事業者名は書かれていません。しかもモデル名を間違えています。

本体のみの重さは約163gです。

付属のAC電源ケーブルとUSB Type-Cケーブルも含めると約275gです。

PDPC60-BにはUSB Type-AとUSB Type-Cポートが各一個ずつ、合計2ポートあります。USB Type-Cポートで充電しつつType-Aポートでも充電する、ということができます。

USB Type-C規格に適合、ただし一部問題あり
Cold Socket (Vbus Hot) – ○
USB Type-Cの規格では、機器が接続されたことを確認してからVbus (=電気を供給する配線) に電圧をかけなければならないと定められています。いわゆる”Vbus Hot”とは、規格に従わず、機器の接続を確認せず電圧をかけている、という意味です。
特別な機器なしにVbus Hotであるかどうか確認する手順は
- 充電器・ハブの接続を解除する
- USB Type-A to Type-CケーブルのType-C側を、充電器のType-Cポートに挿す
- USB Type-A to Type-CケーブルのType-A側を、ハブに挿す
- 充電器をコンセントに挿す
で、ハブが光っていれば充電器がVbus Hotであるということになります。
USB Type-Cポートで確認したところ、ハブのLEDは点灯しませんでした。つまり、Vbus Hotでなく、規格に適合した動作をしていることが分かります。

Bridged CCs – ○
iMuto U4 ProはUSB Type-Cの規格通り、それぞれが別個のRpでプルアップされています。
e-MarkedケーブルでもSinkの接続を検出できるため、問題なく使用できます。
PDO – △
Kotomi Proで通知されているPDOを確認したところ、仕様通りのPDOであることを確認出来ました。
ただし、接続して数秒間は5V/3A、9V/3A、15V/3Aのみが通知されており、後から20V/3Aが追加されました。これはSplit PDOと呼ばれる挙動で、危険性があるわけではないものの、ごく一部の機器で相性問題が発生する可能性があります。

過電流防止機能 – △
PDPC60-Bには過電流防止機能が付いているのですが、4.8Aほどにならないと出力がシャットダウンされませんでした。電圧も特に3A~4Aを超えても制限されませんでした。
過電流と見なすしきい値の設定が悪いように思います。

XPS 15でも充電可能
60W以上で無いと受け付けてくれないDELL XPS 15 (9550) ですが、PDPC60-Bは60W充電に対応しているため、ちゃんと充電できました。純正品のACアダプターよりかさばらないので、持ち歩いている人はもちろん、家で使っている人にも邪魔にならなくて良さそうです。

Xiaomi Mi Notebook Air 13.3でも20V/2Aほどでの充電が出来ました。

Nintendo Switchでは、ゲームプレイ中に15V/0.4Aほどで充電できました。ただし、ドックに挿した場合は15V/0Aのままになり、動作しませんでした。

HTC U11 601HTでも9V/2Aでの充電が出来ました。2Aはピーク時だけのようで、しばらくすると0.5A程度に収まりました。

Xperia XZ Premium G8142でも9V/0.5Aでの充電を確認しました。

【7/30追記】
Xiaomi Mi Notebook Air 13に接続し、TotalPhase USB Power Deliveryアナライザで確認したところ、以下のようになりました。
Data Centerで開けるログファイルはここからダウンロードできます。
コレ一台でノートPCからスマホまで何でもOK
Vbus Hotや出力詐称をするなどUSB Type-C規格に違反した製品が数多くある中、PDPC60-Bは60Wと高出力なのに目立った問題点がないUSB Power Delivery充電器です。これさえあればノートパソコン、スマートフォンにNintendo SwitchまでありとあらゆるUSB PD対応機器を充電できるので、持ち歩きや旅行には最高のお供になると思います。
本体が薄めなので鞄の隙間に入れやすく、電源ケーブルも巻き取り式なので他のケーブルと絡まってしまう心配もありません。
今回購入したカラーはブラックですが、ホワイトも用意されているので、好みに合わせて選べます。
現状ではサードパーティー製USB Power Delivery充電器の中でトップクラスの製品であると思います。
マイクロソリューション USB PD Universal Type-C Portable Power Supply PDPC60-BはAmazonで販売されています。
【7/30追記】
PSEマークとモデル番号のミスについては「次回プリント時に変更予定です。次期モデル端用を変更予定のため、再度 PSE 取得予定です。」とのことでした。
USB Type-C製品のレビューが役立った場合、私のほしい物リストから何か贈っていただけると嬉しいです。