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STISpeed USB-C 61W for MacBook Proを買ってみました。確認出来る範囲では規格適合でしたが、違法な製品です。
目次
20V/3Aに対応
STISpeed USB-C 61W for MacBook ProはMacBook Pro向けに作られたUSB Power Delivery充電器です。
STISpeed USB-C 61W | |
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品番 | 61w-usb-c |
サイズ | 約74.0 x 74.0 x 2.7mm |
重さ | 約138g |
USB Power Delivery出力 | 公称: 5V/3A、9V/3A、15V/3A、20.3V/3A 実際のPDO: 5V/3A、9V/3A、15V/3A、20V/3A |
ポート数 | USB Type-C USB PD対応出力ポートx1 |
コスト削減のためかケーブルは箱に入っておらず、チャック付きの袋に充電器のパッケージと一緒に入れられていました。メーカー名などの記載はなく、箱の裏面には英語などと並び、日本語で「61W USB-C 電源アダプタ」と書かれていました。おそらくApple純正品からコピペしてきたのでしょう。

プラグは他地域向けにもできるようにするためか、取り外し可能になっていました。微妙に奥まで入らないので、少し出っ張ります。

金色の部分には仕様が書かれているのですが、なんと認証マークは一切ありません。海外でも使用できると商品説明に書かれていますが、ほとんどの国で違法となる可能性が高いです。もちろんPSEマークがないので日本での販売は違法です。
また、この金色の部分は取り外しが可能でした。

USB Type-C規格適合
Cold Socket (非Vbus Hot) – ○
USB Type-Cの規格では、機器が接続されたことを確認してからVbusに電圧をかけるよう定められています。
STISpeed USB-C 61Wは規格通り、機器が接続されていない状態ではVbusに電圧がかかりませんでした。
Bridged CCs – ○
STISpeed USB-C 61WはUSB Type-Cの規格通り、それぞれが別個のRpでプルアップされています。
e-MarkedケーブルでもSinkの接続を検出できるため、問題なく使用できます。
PDO – ○
仕様ではUSB Type-Cポートの出力は5V/3A、9V/3A、15V/3A、20.3V/3Aとなっていますが、Total Phase USB Power Delivery Analyzerで確認したところ、実際に通知されているPDOは5V/3A、9V/3A、15V/3A、20V/3Aでした。
Apple純正の61W電源アダプタでも20.3Vと言いつつPDO上は20Vになっているので、ある意味純正品を正しくクローンできています。
接続した時点で上記のPDOを通知しており、追加でPDOを通知する動作はしなかったため、Split PDOではありませんでした。

高速充電規格 – ○
USB Type-Cポートは規格通りUSB Power Deliveryのみに対応しており、Quick Charge 2.0/3.0などの規格外の高速充電規格には対応していません。
過電流防止機能 – ○
STISpeed USB-C 61W には過電流防止機能が付いています。厳しめに設定されており、3.2Aほどで出力がシャットダウンされました。

Xiaomi Mi Notebook Air 13を充電したところ、20V/2.5A程度で充電できました。 (Total Phaseのログはこちら)
確認した限りではUSB Type-C規格に適合した動作をしているのですが、PSEマークを初めとする各種認証マークが一切ありません。
違法であるばかりか安全性の確認がされているか不明確なので、おすすめはできません。
【09/06追記】
STISpeedに問い合わせたところ、
こちらは商品を仕入れ、ただのいち販売者です。詳しくはわからないので、メーカーさんにお問い合わせいたします。
なお、返品する場合、購入履歴から該当データの詳細ページの「返品」ボタンをクッリクし、ご返品ください。
とのことでした。法律を理解せずに販売するような店は中国に帰って欲しいです。
USB Type-C製品のレビューが役立った場合、私のほしい物リストから何か贈っていただけると嬉しいです。