【規格適合・誇大広告】iMuto Z2 20100mAh 45W PD2.0&QC2.0 USB-C 充電器レビュー。20Vでは35Wまで

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提灯レビューをするところには無料で配られているらしい、iMuto Z2を買ってみました。

45W出力できるUSB Type-Cモバイルバッテリー

iMuto Z2はUSB Type-Cポートが一つ、Type-Aが一つある充電器です。USB Power Deliveryに対応しており、最大45W入出力が可能です。国内で販売されている他社のモバイルバッテリーでは最大30Wのものがほとんどですが、45W出力できることで他社製品よりもさらに多くの機器の充電に対応できています。

iMuto Z2
品番 Z2
サイズ 162 x 78.5 x 22.5mm
重さ 370g
USB Power Delivery出力 公称: 5V-20V/2.25A
実際のPDO: 5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/1.75A
ポート数

USB Type-C入出力ポートx1、USB Type-A出力ポートx1、Micro USB 入力ポートx1

パッケージには製品がサポートしている内容ではなく、何故かPower Delivery自体の一般的な説明が書いてあり、100Wまでのスマホやノートパソコンに対応する…と書かれています。もちろんiMuto Z2は最大45W出力なので、45Wより上を要求するデバイスでは使用できません。

誤解を招く表現
誤解を招く表現

側面の電源ボタン横にはLEDが4つ付いており、残量が一目で分かります。20Vでの充電中はこのあたりから「ジジジジ…」とノイズのような音が発生していました。

LED
LED

Micro USBポートは入力専用です。

3ポート
3ポート

PSEマークはありませんが、モバイルバッテリーではPSEマークは原則必要ないそうです。ここでもUSB Power Delivery出力は5V-20V/2.25Aと書かれています。

仕様
仕様

USB Type-C規格適合だが…

Cold Socket (非Vbus Hot) –


USB Type-Cの規格では、機器が接続されたことを確認してからVbusに電圧をかけるよう定められています。

iMuto Z2は規格通り、機器が接続されていない状態ではVbusに電圧がかかりませんでした。

Bridged CCs –


iMuto Z2はUSB Type-Cの規格通り、それぞれが別個のRpでプルアップされています。

e-MarkedケーブルでもSinkの接続を検出できるため、問題なく使用できます。

PDO –

仕様ではUSB Type-Cポートの出力は5V-20V/2.25Aとなっていますが、Total Phase USB Power Delivery Analyzerで確認したところ、実際に通知されているPDOは5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/1.75Aでした。 (ログはこちら)

USB Type-C規格で定められている5V、9V、15V、20Vを満たしてはいますが、なんと仕様に書かれているものとPDOがすべて一致しないという過去最悪の結果となりました。

以前私がPDOの食い違いを指摘したためか、Amazonの商品説明や取扱説明書では5V-20V/2.25Aと最小/最大値しか表記されていません。USB Power Deliveryでは最大値だけでなく、他にどんな電圧に対応しているかも製品選びの際に重要となるので、このようなあいまいな表記は好ましくありません。

しかも、5V~20Vの範囲で電流の最大値が2.25Aと書いているにもかかわらず、どの電圧でも最大値は2.25Aではなく、20Vでは1.75A (=35W) までしか出力できません。

接続した時点で上記のPDOを通知しており、追加でPDOを通知する動作はしなかったため、Split PDOではありませんでした。

PDO

高速充電規格 –

iMuto Z2はUSB Type-Cポートではなく、USB Type-AポートでQuick Charge 2.0 (5V/3A、9V/2A)に対応しています。

USB Type-C規格ではUSB Power Delivery以外の高速充電規格は認められていないため、規格に違反しないようにUSB PDとQC2.0出力を両立させる設計は素晴らしいです。

過電流防止機能 –

iMuto Z2には過電流防止機能が付いています。過電流を検知するとシャットダウンされ、「ピーピー」と警告音が鳴ります。

5Vでは3.1Aほどになると出力がシャットダウンされました。

3.1Aほどで停止
3.1Aほどで停止

20Vでは2.3Aほどで出力がシャットダウンされました。一応これで仕様通りの電流にはなりますが、Kotomi Proで強制出力しただけなので、通常の環境では1.75A前後しか出力できません。

2.3Aほどで停止
2.3Aほどで停止

USB PDとQCを両立させるなど基本的な部分は良いにもかかわらず、出力詐称が大きなマイナスポイントとなっています。また、充電時にノイズが発生したり、Amazonのレビューでは別モデルですが数ヶ月で壊れた、1カ月で異臭が発生したといったハード面での不良が目立つなど、安全面・耐久性に不安が残ります。

(Amazonでのレビューはこちら)

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