ジャストシステムがJust MyShopで販売している、IMMEDIA Type-C PDポート搭載AC-USBマルチチャージャーを購入しました。商品説明に不足点が多く、厳格な国内検査とやらは中華レベルです。
目次
60W出力可能、ノートPC用変換コネクタ付き
IMMEDIA Type-C PDポート搭載AC-USBマルチチャージャー IMD-A261はUSB Type-Cポートが1つ、USB Type-Aポートが3つある充電器です。本体カラーはジャストシステムのイメージカラーである赤色になっています。
USB Type-Cポートに付属の変換ケーブル・プラグを付けることで、丸型・角型プラグを採用したノートPCを充電できます。また、USB Type-Aポートの内一つはQuick Charge 3.0に対応しています。
USB Type-C to Type-Cケーブルも付属しています。

IMMEDIA AC-USBマルチチャージャー IMD-A261 | |
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品番 | IMD-A261 |
サイズ | 103 x 28 × 72mm |
重さ | 約228g |
USB Power Delivery出力 | 商品説明: 5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/3A 実際のPDO: 5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、18V/3A、20V/3A |
ポート数 |
USB Type-C出力ポートx1、USB Type-A出力ポートx3 |
株式会社イミディアと事業者名が書かれたPSEマークがあります。

4ポート合計で75Wまで、USB Type-CポートではUSB Power Deliveryで60Wまで出力出来ます。
『商品は一点一点すべて国内メーカー「イミディア社」にて国内検査をおこなっています。専門の技術者がすべての各USBポート通電テストはもちろんのこと、本体キズの有無まで厳格に検査を行っています。』と商品説明に書かれているのですが、届いた時点で側面やポート面が擦り傷だらけでした。
【01/09追記】
問い合わせに対する返答は
本体の擦傷につきましては、実際には傷では無くケースの成型条件によるもので、金型への成型樹脂の流れ込み跡が
表面に生じているものであります。
本来であれば、成形品の下地を出さない様、塗装処理を施すのですが、本製品は諸般の事情により塗装処理を
施しておりませんので、擦傷の様な成型条件跡が表面に現れてしまいます。
只、ご購入頂ました各お客様方にはご入手された際には確かに残念に思われることもあるかと思います。
この件につきましては、正直にお詫びを申し上げます。
でした。他のメーカーではよほどの安物でない限りこのようなことは無かったので、「諸般の事情」というのはコスト削減をしたかった、ということでしょう。

通電していることが分かるLEDも付いており、周囲の明るさによって少し明るさが変化します。

DC変換プラグ接続用ケーブルの品番はZU100でした。

規格不適合
Cold Socket (非Vbus Hot) – ○
USB Type-Cの規格では、機器が接続されたことを確認してからVbusに電圧をかけるよう定められています。
IMMEDIA AC-USBマルチチャージャー IMD-A261は機器が接続されていない状態ではVbusに電圧をかけておらず、規格に適合した動作をしています。
Bridged CCs – ○
IMMEDIA AC-USBマルチチャージャー IMD-A261は別個のRpでプルアップされています。
e-MarkedケーブルでもSinkの接続を検出できるため、問題なく充電できます。
PDO – △
仕様ではUSB Type-Cポートの出力は外装では5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/3Aとなっていますが、Total Phase USB Power Delivery Analyzerで確認したところ、実際に通知されているPDOは5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、18V/3A、20V/3Aでした。 (ログはこちら)
USB Type-C規格で定められている5V、9V、15V、20Vを満たしていますが、仕様に無い18V/3Aがあります。
【01/09追記】
問い合わせに対する返答は
本製品で使用しているパワーデリバリー(以後PDに略)-ICは部品仕様上でDC18Vの電圧出力が可能であることは
確認しておりましたが、只、弊社でDC18V入力のPD被充電機器が入手できず、実機での動作確認が
出来ておりませんでしたので、念の為から製品仕様からDC18Vの出力仕様の記載は省かせて頂きました。
でした。
接続した時点で上記のPDOを通知していたため、Split PDOではありませんでした。
高速充電規格 – ×
IMMEDIA AC-USBマルチチャージャー IMD-A261はUSB Type-Cポートで、USB Power Delivery以外の高速充電規格であるQuick Charge 2.0に対応しており、規格に適合していません。
商品説明にはType-C PDポートとしか書かれておらず、Quick Charge 3.0対応ポートはちゃんと別で表記されているため、商品説明を読んだだけではまさかUSB Type-CポートでQuick Chargeに対応しているとは思わないでしょう。
仕様に無い動作をする製品を売っておいて「ご購入の後キャンセルは受け付けておりませんので、注意事項を必ずご確認のうえ、ご購入ください。」はひどすぎます。
【01/09追記】
問い合わせに対する返答は
USB Type-CポートでQuick Charge(以後QCに略)が出力できる事に関しましては、
本QCの機能は上記PD-IC内に搭載されておりますので、上記の通りに把握はしておりましたが、
本製品の別ポートにはQC専用ポート(上記PDとは別回路です)を設けておりますので、
本製品のType-C ポートでもQCが使用可能とした場合には、ご使用されるお客様方に混乱、ご迷惑をお掛けするかと
思いましたので、製品の仕様記載から省かせて頂きました。※ 本製品のPD-ICには上記の通りにQC機能も付与されていますが、本IC自体はUSB-IFに認可されており、
認可Noも登録されております。
尚、弊社都合で申し訳ございませんがICの型式や認可Noの明記につきましては控えさせて頂きます。
でした。まさかのUSB-IFが規格違反を容認しているとは…。
規格違反と知りながら隠していた、というのは悪意があるようにしか思えません。

過電流防止機能 – ×
IMMEDIA AC-USBマルチチャージャー IMD-A261では、過電流が起きると出力がシャットダウンされますが、しきい値が高すぎます。
5VのPDOで確認したところ、4.27Aほどで出力がシャットダウンされました。定格は3Aまでのため、過電流を防止できているとは言いがたいです。

20VのPDOでは、4.3Aほどで出力がシャットダウンされました。定格では充電器全体で75Wのところ、USB Type-Cポートだけで85Wまで出力出来てしまいます。

【01/09追記】
問い合わせに対する返答は
過電流保護の検知幅につきましては、昨今の被充電器の定格は充電電圧や充電電流の関係上、
非常に低負荷条件となっていますので、動作安定性の為に本製品の出力定格から少し高めに設定させて頂いております。
でした。
商品説明と違う仕様が多数あり、「厳格に検査」と謳っておきながら無名の中華メーカーレベルの品質です。USB PD対応機器も非対応のノートPCも、スマートフォンも充電できるというコンセプトは良いものの、品質が追いついていません。
Just MyShopでは定価8,980円、一太郎・ATOKユーザーは5,980円で購入できますが、5,980円の価値はありません。
USB Type-C製品のレビューが役立った場合、私のほしい物リストから何か贈っていただけると嬉しいです。