4,999円で87W充電器が買えるのか…?ということで、STAIGO 87W USB-C電源アダプタ ST-87Wを購入してみました。
目次
本当に87W出力可能
Apple純正品の見た目を丸パクリしたSTAIGO 87W USB-C電源アダプタはUSB Type-Cポートが1つだけある充電器です。
2mのUSB Type-C to Type-Cケーブルも付属しています。後述しますが、ケーブルまでApple純正品をコピーする徹底ぶりです。

STAIGO 87W USB-C電源アダプタ ST-87W | |
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品番 | A1719 |
サイズ | 79 x 79 × 26mm |
重さ | 実測 約225.4g |
USB Power Delivery出力 | 商品説明: 5.2V/2.4A、9V/3A、20.2V/4.3A 実際のPDO: 5V/3A、9V/3A、20V/4.3A |
ポート数 |
USB Type-C出力ポートx1 |
PSEマークはありません。

USB Type-CポートではUSB Power Deliveryで87Wまで出力出来ます。

Apple純正品をパクった商品では過去にSTISpeed 87W充電器をレビューしましたが、60Wしか出せない誇大広告品でした。それに比べればちゃんと87W出せる分改善 (?) されています。
規格不適合
Cold Socket (非Vbus Hot) – ○
USB Type-Cの規格では、機器が接続されたことを確認してからVbusに電圧をかけるよう定められています。
STAIGO 87W USB-C電源アダプタは機器が接続されていない状態ではVbusに電圧をかけておらず、規格に適合した動作をしています。
Bridged CCs – ○
STAIGO 87W USB-C電源アダプタは別個のRpでプルアップされています。
e-MarkedケーブルでもSinkの接続を検出できるため、問題なく充電できます。
PDO – ×
仕様ではUSB Type-Cポートの出力は外装では5.2V/2.4A、9V/3A、20.2V/4.3Aとなっていますが、Total Phase USB Power Delivery Analyzerで確認したところ、実際に通知されているPDOは5V/3A、9V/3A、20V/4.3Aでした。 (ログはこちら)
5V・20Vが異なるところはApple純正品も同じなのでそれについては設計不良とは言いがたいですが、5Vで2.4Aとしているところが3Aになっているのは問題です。
さらに、20V/4.3Aに対応しているのに15Vには対応していないため、規格不適合です。
また、接続した時点では5VのみのPDOを通知していたため、Split PDOということになります。一部の機器では正常に充電できない可能性があります。
また、VDM DiscIdentityを見るとVIDがApple, Inc.、XIDが0x00000a26となっていることが分かります。ケーブルまでApple純正品クローンです。

高速充電規格 – ○
USB Type-CポートでUSB Power Delivery以外の高速充電規格に対応していません。USB DCPには対応しています。

過電流防止機能 – ×
STAIGO 87W USB-C電源アダプタでは、過電流が起きると出力がシャットダウンされますが、しきい値が高すぎます。
5VのPDOで確認したところ、4.5V/3.68Aほどで出力がシャットダウンされました。
20VのPDOでは、19.1V/4.91Aほどで出力がシャットダウンされました。定格では87Wのところ、94Wまで出力出来てしまいます。
87W出すだけなら4,999円で実現できてしまうことが分かりました。ただ、15V非対応、Split PDOなど詰めが甘い部分が多くあり、日常使用にはおすすめできません。
USB Type-C製品のレビューが役立った場合、私のほしい物リストから何か贈っていただけると嬉しいです。