RAVPower 60W 5ポートUSB-C充電器 RP-PC059を購入してみました。
目次
USB Type-Aポートx4だが…
RAVPower 60W 5ポートUSB-C充電器 RP-PC059はUSB Type-Cポートが1つ、USB Type-Aポートが4つある充電器です。
ただし、全体で60Wまでとされているのに各ポートの最大値はUSB Type-Cポートで最大45W、USB Type-Aポートが4つ合計で5V/6A=30Wまで(=全体で最大75W)、と矛盾しています。

RAVPower 60W 5ポートUSB-C充電器 RP-PC059 | |
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品番 | RP-PC059 |
サイズ | 101 x 69 x 29 mm |
重さ | 約211g |
USB Power Delivery出力 | 商品説明: 5V/3A、9V/3A、15V/3A、20V/2.25A 実際のPDO: 5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/2.25A |
ポート数 |
USB Type-Cポートx1、USB Type-Aポートx4 |
PSEマークはありますが、事業者名が近くに書かれていません。
過去にレビューしたRAVPower製品ではニアバイダイレクトジャパンとしか書かれていなかったのですが、RP-PC059はStiger International Trade Investment Co., Ltd.の製品で、あくまでニアバイダイレクトジャパンはJP Importer(日本輸入者)である、という風になっています。

LEDが付いており、通電しているかどうか一目で分かります。

規格不適合
Cold Socket (非Vbus Hot) – ○
USB Type-Cの規格では、機器が接続されたことを確認してからVbusに電圧をかけるよう定められています。
RAVPower 60W 5ポートUSB-C充電器 RP-PC059は機器が接続されていない状態ではVbusに電圧をかけておらず、規格に適合した動作をしています。
Bridged CCs – ○
RAVPower 60W 5ポートUSB-C充電器 RP-PC059のUSB Type-Cポートは別個のRpでプルアップされています。
e-MarkedケーブルでもSinkの接続を検出できるため、問題なく充電できます。
PDO – △
仕様ではUSB Type-Cポートの出力は外装では5V/3A、9V/3A、15V/3A、20V/2.25Aとなっていますが、Total Phase USB Power Delivery Analyzerで確認したところ、実際に通知されているPDOは5V/3A、9V/3A、12V/3A、15V/3A、20V/2.25Aでした。 (ログはこちら)
仕様にない12Vが利用できてしまうため、GPD Pocketなどを使う人には良いものの、製品としてはあまり良くありません。
接続した時点で上記のPDOを通知していたため、Split PDOではありません。
高速充電規格 – ×
USB Type-CポートでUSB Power Delivery以外の高速充電規格に対応しています。Quick Charge 2.0/3.0の他、Apple 2.4A、USB DCP、Samsung AFC、HUAWEI FCPに対応しています。
USB Type-C規格ではUSB Power Delivery以外の高速充電規格は認められていないため、規格不適合となります。
Quick Charge 2.0/3.0に対応していることは商品説明には一切書かれていない、というところも問題です。

過電流防止機能 – ×
RAVPower 60W 5ポートUSB-C充電器 RP-PC059は、過電流が起きると出力がシャットダウンされます。
20VのPDOでは、19.9V/2.69Aほどで出力がシャットダウンされました。定格では45Wのところ、53Wまで出力出来てしまいます。
USB Type-Aポートに電子負荷とスマホを接続した状態だと合計70Wも出ていました。商品説明には「本充電器はマルチ保護機能が付いておりますが、充電器やお使いの機器に損害を与えないよう、出力を60W超えないようお控えください。」と書かれてはいますが、そもそも各ポート最大の合計値が充電器全体の最大値と矛盾しない設計にするべきです。

最大値の矛盾や記載されていない12Vがある、QCに対応しているなど、RAVPower側で製品仕様を全く把握できていないようです。他にも不具合がある可能性があるため、RP-PC059の使用はお勧めできません。
USB Type-C製品のレビューが役立った場合、私のほしい物リストから何か贈っていただけると嬉しいです。