日本初、Xperia R1 Dual G2199レビュー。これはXperiaにしてXperiaにあらず

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Xperia R1 DualがeBayで売られていたので、ついहाथがफिसलしてしまいました。


Xperia R1 Dualのスペック

Xperia R1の他にXperia R1 Plusというバリエーションもあります。R1 PlusはR1と基本的なスペックは同じですが、RAMが3GB、ストレージが32GBになっています。

なお、Sony Mobile公式では「Xperia R1」とだけ書かれており、Amazon.inでは「Xperia R1 Dual」と書かれています。

Xperia R1 Dual
OS Android 7.1.2/8.0
RAM 2GB
ストレージ 16GB
プロセッサ Qualcomm Snapdragon 430 MSM8937
ディスプレイ 5.2インチ HD
サイズ 146 x 73.2 x 8.89 mm
重さ 154g
SIM Nano SIM
Dual SIM
メインカメラ 13MP
フロントカメラ 8MP
バッテリー 2,620mAh
USB端子 USB 2.0 Type-C (USB Power Delivery非対応)

LTE Band 1, 2, 3, 5, 7, 8, 40,41(120MHz)に対応しています。

(詳細なデータはこちら)

Xperia R1はeBayで購入しました。Make offerで約19%オフしてもらえました。

商品名にSHIP DHLと書かれていますがただ書いているだけのようで、実際にはポスト投函の国際特定記録でした。

2018/03/09 13:48 引受   INDIA
 
2018/03/10 15:34 国際交換局に到着 DELHI IMC INDIA
 
2018/03/10 15:42 国際交換局から発送 DELHI IMC INDIA
 
2018/03/21 14:27 国際交換局に到着 川崎東郵便局 神奈川県
219-8799
2018/03/22 09:00 通関手続中 川崎東郵便局 神奈川県
219-8799
2018/03/23 00:20 国際交換局から発送 川崎東郵便局 神奈川県
219-8799
2018/03/24 05:09 到着 ***郵便局 京都府
2018/03/24 11:15 お届け済み ***郵便局 京都府
箱潰れはほぼ無し
箱潰れはほぼ無し

DHLではなく普通の郵便なのに、箱は右下が少し潰れているくらいでした。

インド限定販売のXperia

Xperia R1はインドだけで販売されているXperiaですが、どうもSOMCは開発に深く関わっていないようで、コードネームすら設定されていません。かろうじてro.build.product.name=sny_l2800_a02という記述はありますが…。

箱の裏面には製造は中国のLCE (Huizhou) Co. Limited.が行っていることが書かれています。

封印シール付き
封印シール付き

Xperia R1はXperia Companionでサポートされておらず、Sony Developer Worldでもカーネルソースが全く公開されない (公開請求をしても無視、延々と自動返信されるだけ) というひどい扱いを受けています。

Xperia R1には5V/1.5A充電器、USBケーブル、カナル型イヤホンの他に保護フィルムも付属しています。

保護フィルム付き
保護フィルム付き

日本語リソースは無し

Amazon.inで「Made for India」としてインド向けに特別にデザインした、と書かれている通り、言語もヒンディー語を初めとするインドの言語か英語、中国語しか入っていません。

中国語が入っているのは中国で開発されたからでしょう。デバッグメニューにもワンタップで中国語に変更するオプションがありました。

日本語などはリソース自体が削除されているため、MoreLocale 2を使っても設定などは日本語表示にはなりません。Noto Sans CJKは入っているので、Googleアプリやサイト上では日本語を問題なく表示できます。

英語とインドの言語のみ
英語とインドの言語のみ

デフォルトの壁紙はXperia X Compactで使われている壁紙です。後から商品ページの画像のように、Xperia XZsなどで使われている壁紙に変更できます。

Xperiaのような何か
Xperiaのような何か

指紋センサー非搭載

Xperia R1は指紋センサーを搭載しておらず、懐かしいデザインの電源ボタンになっています。他社では同価格帯どころかもっと安い端末でも指紋センサーを搭載しているのですが、SOMC (が開発を依頼した会社) では無理だったようです。

懐かしい電源ボタン
懐かしい電源ボタン

左側面はSIMスロットがあるだけで、すっきりしています。

SIMスロットのみ
SIMスロットのみ

Nano SIMが2枚、micro SDカードが1枚入れられるようになっています。ハイエンドなXperia XZ1 DualではNano SIM+Nano SIMかNano SIM+micro SDカードのどちらかの組み合わせでしか使えないのですが、R1だとちゃんとトレイが分けられているのはSOMCが開発にほぼ関わっていない影響でしょう。

ちなみに、micro SDカードを入れた場合、Adoptable Storageで内蔵ストレージ化することもできます。

SIM+microSDが使える
SIM+microSDが使える

背面下側にはインドBIS認証のロゴが付いています。

インドBIS認証ロゴ付き
インドBIS認証ロゴ付き

上部にはイヤホンジャックがあります。

イヤホンジャック
イヤホンジャック

下部にはスピーカーやUSB Type-Cポートがあります。USB PDやQuick Chargeには対応しておらず、最大5V/1.5Aでしか充電できません。

USB Type-Cポート
USB Type-Cポート

Sony製アプリはインストールできず

プリインストールされているアプリのパッケージ名一覧はこちらです。…見ての通り、Sony製のアルバム、ミュージック、ホームアプリなどは一切入っていません。

アイコンはSony製っぽくなっていますが、どれも中身はSony製ではなく、AOSPやQualcomm純正アプリです。

Sonyアプリは一切なし
Sonyアプリは一切なし

SOMCによるカスタマイズが入っていないため、Playストアでも「Xperiaではない」と判断されてミュージックやアルバムをインストールできません。

これにはサポートフォーラムやレビューでも批判が殺到しているのですが、SOMCは無視し続けています。「サポートしていません」ぐらい返信しても良いと思うのですが…。

入れることも出来ず
入れることも出来ず

カメラアプリもQualcomm純正のSnapdragon Cameraです。どこかの誤字が多いサイトはカメラアプリが刷新されたと書いていましたが、単純にSOMCのカメラアプリが搭載されていないだけです。

SnapCam
SnapCam

リアカメラはSony IMX258、フロントカメラはSamsung S5K4H8です。IMX258は他社製品ではLG G6・Xiaomi Mi 5s Plus・Xiaomi Redmi Note 4などに使われているセンサーです。

カメラ機能はXperia Xシリーズのものを受け継いでおり、先読みオートフォーカスも搭載しています。目玉機能が少ないので、スペック情報でわざわざカウントダウンタイマーやLEDフラッシュが付いていることをアピールしているのが悲しいところです…。

ローエンド端末にしてはなかなかの画質だと思います…が、Sonyロゴが付いていないと嫌だ、という人以外は安くて性能も良いXiaomi Redmi Note 4を選ぶと思います。

R1で撮影Xperiaとしてカスタマイズされているのは着信音と壁紙ぐらいなので、実質的にXperiaと名乗っているだけの中華スマホです。

Xperia R1 Dual G2199 S000003_171015のシステムダンプはここからダウンロードできます。一部のファイルは権限が足りず取得できていません。

なお、発売時はAndroid 7.0でしたが、3月8日にAndroid 8.0 Oreoにアップデートされました。手元のR1には降ってきていませんが…。

SOMCが開発に関わっていないので、カーネルバージョンのところが定番のBuildUser@BuildHostではなくubuntu@ubuntuになっています。

Ubuntuでビルド
Ubuntuでビルド

見かけ上のもっさり感をなくすためか、アニメーション速度はデフォルトで.5xに設定されています。

アニメ速度は.5x
アニメ速度は.5x

AnTuTuのベンチマーク結果は57306でした。

57306
57306

追記: Android 8.0アップデート

Android 8.0のをインストールしたところ、言語設定から中国語が削除され、代わりに日本語が追加されました!

ただ、build.propを初めとするほとんどのファイルがadb shellでは読み取れないようになっていて、システムダンプが作れませんでした。

日本語対応
日本語対応

素直にXA2を買った方が良い

Xperia R1はXperiaロゴが付いているだけで中身はほとんどカスタマイズされておらず、カーネルソースコードが公開されていないのでカスタムロム開発が難しく、将来性もありません。

カスタマイズしていない割にバッテリーの持ちが悪く、夜間に放置している時でさえ6時間で33%減るぐらいです。

よほどのSony・Xperiaロゴ好きのインド人でない限り、Snapdragon 630やSonyアプリ、4GB RAMなどが搭載されている上、Open Devices対象なのでAOSPのビルドもしやすいXperia XA2やXA2 Ultraを買った方が幸せになれると思います。

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