GearBest様より手のひらに乗るサイズの小型PC、Alfawise T1をいただきました。
省スペースで簡易ホームサーバー向きのPC
Alfawise T1に搭載されているCPUはIntel Gemini Lake N4100で、内蔵GPUはIntel HD Graphics 600です。
4GB DDR4 RAM + 64GB ストレージを搭載しており、ストレージは512GB M.2 SSD や 2.5 インチ 2TB HDDなどを後から追加できます。
Alfawise T1 | |
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OS | Windows 10 Home x64 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 64GB eMMC (最大2TBまで増設可能) |
プロセッサ | Intel Gemini Lake Celeron N4100 |
GPU | Intel UHD Graphics 600 |
サイズ | 約16.00 x 13.45 x 3.20 cm |
インターフェース | 前面:マイク x1 USB Type-Cポート x1 USB 3.1 Gen1 Type-Aポート x2 Micro SDカードスロット x1 背面:セキュリティキーホール x1 HDMI ×2 有線LANポート RJ45 ×1 USB 2.0 Type-Aポート x2 イヤホンジャック x1 |
消費電力 | 公称36W 実測:通常時5W未満 アプリ起動時:5~7W |
Alfawise T1にはACアダプタ、PCホルダーの他HDMIケーブルが2本 (80mm、20mm)も付いてきます。
Alfawise T1本体裏面のネジ穴にPCホルダーを付けることで、PCのディスプレイ裏などに取り付けられるようになります。
ファンレスで静かなので、裏面に取り付けた場合でもあまり気にならないと思います。

前面にUSB Type-Cポートが付いていることが欲しい理由の1つだったのですが、実際に確認すると機器が接続されていなくても常に5Vが供給されている、いわゆるVbus Hot問題を抱えていました。ハブやUSB Type-Cケーブルでスマホを接続してもうまく動作せず、DisplayPort Alt Modeに対応しているわけでも無いので、実質的にはただの穴です。
高速なデータ転送ができるUSB 3.1 Gen1ポートは2つとも前面にあるので、USB Type-Cポートが使えないのは残念ですが、データ転送はUSB 3.1 Gen1ポートで代用は可能です。

背面にはHDMIポートが2つあり、ミニPCながらも2画面出力が簡単にできるようになっています。
有線LANポートも付いているので、Wi-Fiしか搭載していないPCよりも安定した通信をすることができます。

残念ながらメモリは増設できないのですが、ストレージは増設できます。
裏面のネジを外すと、M.2 2242 SSDや2.5インチHDD/SSDを差し込めます。

内蔵されているストレージはSanDisk DA4064 64GBで、OSで消費される分を除くと空き容量は43GB程度しかありません。
ブラウザでちょっとウェブサイトを見る程度なら全く問題ないのですが、今回は録画サーバーを立てるために使うのでファイル保存用にトランセンドのSSDを増設しました。
増設と言ってもシステムドライブを交換するわけではないので、差し込んで起動した後「ディスクの管理」でフォーマットするだけで利用できるようになります。
内蔵eMMCとCrystalDiskMark 6.0.0で速度を比較してみると、体感としてはあまり変わらないのですが数値的には結構な開きがありました。
CPU-Zでのベンチマーク結果はシングルスレッドが108、マルチスレッドが480でした。最大消費電力が32W、チェッカーで確認した数値で通常時5W未満、Chromeなどアプリ起動時に7W程度とかなり省電力なPCなので、Core i3などと比べると非力なのは仕方が無いでしょう。
プリインストールされている録音アプリに注意
スパイウェア…というわけではないと思いますが、Alfawise T1には中国xunjieshipin.com製の録音アプリ (C:\Program Files (x86)\AudioRecorder) がプリインストールされています。
MS純正のボイスレコーダーがあれば事足りるはずなので、設定からアンインストールするか、初期化してから使うようにしましょう。

そのほかにもMicrosoftが勝手にゲームやら何やらプリインストールして容量を消費しているので、設定やコマンドで削除すると良いと思います。
また、もっと空き容量を増やしたければCompact OS (システムを圧縮するモード) を使うのも一つの手です。管理者権限のあるPowerShellウインドウを開き、compact /compactos:always
と実行すればシステムが圧縮され、3GB程度空き容量を増やせます。システムファイルの読み書き時にCPUリソースの消費が増えてしまいますが、あまり遅くなったようには感じませんでした。compact /compactos:never
を実行すれば元に戻せます。
UEFIの設定項目は少ない
残念ながら、Alfawise T1のUEFIメニューで設定できる項目はWake On LanやQuiet Boot、Fast Bootなどだけで、あまり細かな設定は変更できません。
最初からSecure Bootは無効になっていました。

PX-W3U4を使って録画サーバーにしてみた
小型で静音、それなりのCPU・メモリというAlfawise T1の特徴を活かすべく、PLEX 地上デジタル・BS・CS対応TVチューナー PX-W3U4を使い、TS抜きできる録画サーバーにしてみました。
PX-W3U4はUSB 3.0ポートに挿すと
停止コード: PAGE_FAULT_IN_NONPAGED_AREA
失敗した内容: PXW3U4.sys
というブルースクリーン (BSOD) が発生しやすくなる相性問題があるため、USB 2.0ポートに挿しています。
私が使用したソフトは
などです。
EPGStationは最近活発に開発されている録画管理ソフトで、マテリアルデザインのUIが採用されているのでスマホでも使いやすくなっています。
予約もキーワード、除外キーワード (正規表現にも対応)、ジャンル検索など自由度が高いです。何よりテレビのリモコンで操作しなくて済むので楽ちんです。
私の場合G Suite for Businessで容量無制限にしているので、最初はgdriveを使って年月別のフォルダを自動的に作って頑張ってフォルダIDを取得してアップロード、というPowerShellスクリプトを作っていたのですが、そんなことをしなくてもパス指定すれば「フォルダが無ければ作成、あればそこにアップロード」としてくれる上位互換のRcloneがあったので、Rcloneを使ったPowerShellスクリプトを録画終了後に動かすようにしています。
Alfawise T1、PX-W3U4共に冷却ファンが付いておらず、特にPX-W3U4はアンテナ部分が火傷しそうなくらい発熱してしまうので、物置に埋もれていたノートパソコン用冷却ファンを動かして冷ましています。スペース的に無駄なので本当はちゃんとした冷却ファンを用意するべきでしょうが…。
冷却ファンを動かしているとは言え近づかないと分からない程度の音で、HDDレコーダーのような動作音が聞こえてくることがないので快適です。
2~3時間ほどの番組を録画しても今のところ録画が止まっている、ドロップが発生しているなどはないので、Celeron N4100でもそれほど問題はないようです。
ただし、PX-W3U4自体がWindowsでは不安定なので、BSODが続くようであればUbuntuなどに入れ替えないといけないかもしれません。
今回は録画サーバーにしましたが、これに限らずテレビの横に置いてストリーミングサービスの動画を見られるようにするTVボックス的な使い方もできますし、見た目重視で机の上にディスプレイとキーボード・マウスしかないデスクトップ環境を作ることもできます。
小型で省電力なPCが欲しい方は、一度Alfawise T1を検討してみてはいかがでしょうか。
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