Helio P60・Android 9.0搭載のUMIDIGI F1を購入しました。
水滴型ノッチで利便性向上
UMIDIGIの過去機種、UMIDIGI Z2ではノッチ付きで画面占有率約90%を実現していましたが、ノッチの幅が広いため通知アイコンが表示されない、という問題がありました。
UMIDIGI F1ではハイエンド機種でも採用されている、水滴型のノッチを採用することで画面占有率を92.7%に高めつつ、通知アイコンを表示できるようになりました。
MediaTek Helio P60を搭載しており、MediaTek SoC搭載機種ではまだなかなか見かけないAndroid 9.0を標準搭載しています。
UMIDIGI F1 | |
---|---|
OS | Android 9.0 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 128GB |
プロセッサ | MediaTek Helio P60 |
ディスプレイ | 6.3インチ 2340×1080 |
サイズ | 156.9 x 74.3 x 8.8mm |
重さ | 186g (実測192.9g) |
SIM | Nano SIM Dual SIM |
メインカメラ | 16MP + 8MP |
フロントカメラ | 16MP |
バッテリー | 5150mAh |
USB端子 | USB Type-C |
日本語説明書付き
今回購入したのはAmazon.co.jpで販売されているバージョンです。中国から配送されるのかと思いきや、Amazonの倉庫からヤマトで送られてきました。
ハードウェア的には他地域と変わりませんが、日本向けにACアダプタがPSEマーク付きのものになっていたり、機械翻訳気味ながらも日本語の説明書が付いていたりします。

充電器は5V/2A、9V/2A、12V/1.5Aに対応した18W USB Type-A充電器です。

柔らかめな保護ケースも付いています。ほぼ全面を覆うので本体色がほぼ見えなくなってしまいますが…。

省スペースの水滴型ノッチ
公式サイトのレンダリング画像ではベゼルが極端に薄くなっていますが、実際はもちろん少し太いベゼルがあります。Pocophone F1と似たようなものですし、この価格帯では普通でしょう。
ノッチはインカメラ一つのみに絞った水滴型なので、時計やバッテリー、Wi-Fiアイコンなどのシステムアイコンの他、Gmailなどの通常のアプリの通知アイコンも表示できるようになっています。ただ、公式サイトの画像ではバッテリーの%テキスト表示があるにもかかわらず、何故か実機ではオプションにありません。このツメの甘さがUMIDIGIらしいと言えばらしいですが…。
最初から保護フィルムが貼られていますが、手作業で貼り付けているようでずれてしまっています。

そのため、ミヤビックスさんに保護フィルムを作成していただくことにしました。現在Amazonでも販売されています。
アンチグレア (反射防止) タイプのOverLay Plusを作っていただきましたが、じらじらした感じがなく、指滑りもなめらかで素晴らしいです。
ノッチにちゃんと沿った形にカットされており、画面にぴったり合います。

UMIDIGI F1はLTPSディスプレイを搭載しており、格安ながら発色や視野角も特に問題ありません。いつもPixelのライブ壁紙「穏やかな海岸、ラゴス」を入れて色合いを確認しているのですが、有機ELディスプレイを搭載したPixel 2 XLで色設定をビビッドにした時の色合いに近い印象です。
もちろん設定で好きなように色温度などを変更できるMiraVisionも搭載されているので、さらに微調整して自分好みのディスプレイ設定で使えます。

背面はカラーによって手触りが若干異なるようです。レッドではPocophone F1より滑らかな手触りで、あまりプラスチック感がありません。

背面の16MP + 8MPのデュアルカメラはほとんど出っ張っていません。机の上に置いたときもあまりガタガタしないので、置いたままの操作も問題ないと思います。

カメラはUMIDIGI Z2 Proと同じサムスン製 S5K2P7が使用されているので、画質はほぼ向上していません。
MediaTekのカメラアプリ自体が微妙な感じなので、Open Cameraなどをインストールしたほうがいい結果になるかもしれません。
UMIDIGI F1のデザインやコンセプトの元ネタであるPocophone F1と同じく、イヤホンジャックを搭載しています。最近ではOnePlusですらイヤホンジャックをなくしていますし、UMIDIGIがちゃんとここもパクってくれて良かったです。
USB Type-Cポートは残念ながらUSB PDには対応しておらず、USB PDのみ対応の充電器だとUSB DCPの5V/2A程度でしか充電できません。

イヤホンジャックの位置はPocophone F1と違って下部なので、上部はマイクの穴だけです。

これまたPocophone F1と同じですが、microSDカードスロットがあるのもGoodポイントです。残念ながら256GBまでの対応ですが、128GBの内蔵ストレージで足りない場合はmicroSDカードで容量を増やせます。
普段使いに十分なパフォーマンス
UMIDIGI Z2ではHelio P23を搭載しており、パワー不足が否めなませんでしたが、F1ではパワーアップしたHelio P60 MT6771 V/Cを搭載しています。
AnTuTuベンチマークでの結果は144041とSnapdragon 660搭載機種と同じぐらいのスコアなので、負荷の高いゲームをする時以外であれば大丈夫でしょう。

GPUレンダリングも問題なく、画面の操作でイラッとするレベルのカクつきは感じません。下の画像はGPUレンダリングのプロファイルで、バーが画面下の緑色のラインを超えると60fps表示できない状態、ということになるのですが、UMIDIGI F1では素早くスクロールしても緑の線の下に収まることがほとんどでした。

Wi-Fiのリンク速度は11acでも433Mbpsが最大のようで、866Mbpsで利用できるハイエンド機種に比べれば少し遅いものの、Speedtest by Ooklaで試した結果では下り272Mbps・上り287Mbpsなどと通常利用では困ることがない速度が出ます。
ジェスチャー関連が充実
標準のロムではプリインストールアプリはGoogleアプリがメインで、一画面に収まるレベルしか入っていません。

大画面化したことでジェスチャー関連の設定が増えており、通常のナビバーの他、ZTE nubiaなどで採用されているような薄いバーから上にスワイプするタイプのナビバーに変えることもできます。

指紋センサーも単に指紋認証するだけではなく、二回押したり長押ししたりしてスクリーンショットを撮影したり写真を撮ったり、と別のアクションをするよう設定できます。

ディスプレイ設定にある「指を離してスリープ状態から復帰」は日本語訳が間違っていて、実際は「端末を持ち上げるとスリープ状態から復帰」する機能です。そこそこいい精度で動いてくれるので、電源ボタンを押さなくても良くなります。

Smart Assistantでは端末を裏返したらミュートにする機能や画面の動画を撮影する機能、バックグラウンドで動くアプリを制限するAppblockerなどがあります。
Android 9.0で完成度が増したTreble
MediaTek SoC搭載端末といえばカスタムロムを作りにくい機種がほとんどでしたが、Android 8.0の頃から取り組みが始まったProject Trebleのおかげで、カーネルソースが公開されていなくてもシステムイメージを焼くだけでカスタムロムを起動できる時代になりました。
初期のTrebleではいくつか問題があったのですが、Android 9.0では完成度が増し、より完璧な形でロムを動かせるようになっています。GoogleによるとAndroid 9.0未満のTrebleはレガシー扱いなので、Android 9.0標準搭載端末からが真のTrebleと言えそうです。
UMIDIGI F1のBootloader Unlockコマンドはfastboot oem unlock
ではなくfastboot flashing unlock
とモダンなコマンドに変わっています。相変わらずBootloaderのメッセージ表示が小さいのですが、fastbootモードでfastboot flashing unlock
を実行したあと、音量キー上を押せばUnlockされます。
GSIはシステムイメージを焼くだけなので、xdaなどで探してきてfastboot flash system 焼きたいsystem.img
と実行するだけでOKです。
UMIDIGI F1ではsystem-as-root・A-onlyなので、A/B用のイメージをダウンロードしてください。A-onlyなのにA/B用を焼く、というと不思議な感じがしますが、Android 9.0未満のレガシーなTrebleの頃はsystem-as-rootがA/Bパーティション端末でしか使われていなかったため、今でもそのネーミングがそのまま残っているのです。
起動したあとパスワードを聞かれることがありますが、この場合「defaultpassword」と入力すればデータを初期化して暗号化をやり直せます。fastbootモードでfastboot -w
を実行することでも初期化できます。
自ビルドのPixel Experience GSiを焼いてみたところ、Wi-FiやDSDS、暗号化なども特に問題なく動かせました。ノッチについても最初からUMIDIGI側で/vendor/overlayで指定してくれているため、ノッチ非表示オプションで簡単に隠せます。
実際のノッチと1px程度ずれていたり角丸の設定はされていなかったりするので調整は必要ですが、かなりいい感じです。
バッテリーのパーセント表示などもカスタムロムならできますし、標準のロムに不満があればカスタムロムにしたほうがいいと思います。

SP Flashtoolで焼ける標準ロムのイメージも公開されているので、戻したくなったときや起動しなくなった時も安心です。
Magiskはv17.1かv17.3でないと起動できなくなるようです。Magiskパッチしたboot.imgはここに置いておきます。Magisk Manager v6.1.0をインストールしてから焼いてください。
UMIDIGI F1はAliExpressやAmazon.co.jpで販売されており、AliExpressなら$197.49 (約21,600円)、Amazon.co.jpなら23,837円とほぼ変わらない値段で購入できます。