国内ではまだまだ珍しい、Quick Charge 4+/PPS対応のUSB PD充電器、SEKC 2ポートUSB急速充電器を購入しました。
目次
高速充電規格が勢揃い
Qualcomm製SoC、Snapdragon 855や660などを搭載しているスマートフォン (Xiaomi Mi 9やRedmi Note 7、Pocophone F1など) で利用できる高速充電規格、Quick Charge 4 / 4+は、Quick Charge 3.0以前とは異なりUSB PD (Power Delivery) を利用した高速充電が可能となっています。
Quick Charge 4はUSB PD準拠でQuick Charge 3.0以前の機器には非対応、Quick Charge 4+はQuick Charge 3.0以前の機器でも急速充電できる (=USB PD規格違反) となっています。
対応スマートフォンが少ない上、対応充電器がかなり少なく、国内ではAUKEY 46W充電器ぐらいしか販売されていませんでした。さらに周知されていないことを良いことに、Quick Charge 4+対応と言っておきながら実は対応していない充電器もあるほどでした。
SEKC 2ポートUSB急速充電器はQC4+に対応している上、Samsung AFCやHUAWEI FCPなどにも対応しているようです。
SEKC 2ポートUSB急速充電器 | |
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品番 | SWC-PD3230WT |
サイズ | 54 x 62 x 31mm |
重さ | 約106g |
USB Power Delivery出力 | 商品説明: 5V/3A、9V/3A、12V/2.5A、15V/2A PPS 3V-5.9V/3A、3A-11A/3A 実際のPDO: 5V/3A、9V/3A、12V/2.5A、15V/2A PPS 3V-5.9V/3A、3A-11A/3A |
ポート数 |
USB Type-Cポートx1、USB Type-Aポートx1 |
箱は無駄に凝った作りになっていて、充電器の画像の部分が少し浮いた感じになっています。日本での販売はギッシュジャパン株式会社 (代表は中国人) が行っており、箱の説明書きや説明書もすべて日本語になっています。

USB Type-CポートとUSB Type-Aポートの2ポート構成で、USB Type-AポートではQuick Charge 3.0に対応しています。2ポート合計で30Wまでしか出せないため、USB Type-Cポートで高速充電しているとUSB Type-Aポート側はほぼ使えません。

プラグは折りたたみ式になっていて、収納の邪魔になりません。本体は埃が付きやすい素材になっています。

PSEマークの下には「ギッシュジャパン株式会社」と書かれています。

底面にまで商品仕様が書かれている耳なし芳一状態でダサいです。

概ねOK
Cold Socket (非Vbus Hot) – ○
USB Type-Cの規格では、機器が接続されたことを確認してからVbusに電圧をかけるよう定められています。
この充電器は機器が接続されていない状態ではVbusに電圧をかけておらず、規格に適合した動作をしています。
Bridged CCs – ○
この充電器のUSB Type-Cポートは別個のRpでプルアップされています。
e-MarkedケーブルでもSinkの接続を検出できるため、問題なく充電できます。
PDO – ○
仕様と、Total Phase USB Power Delivery Analyzerで確認した実際に通知されているPDOは一致しました。 (ログはこちら)
12Vにも対応しているため、GPD PocketやOneNotebook One Mix 2などでも高速充電できます。
接続した時点で上記のPDOを通知していたため、Split PDOではありませんでした。
高速充電規格 – –
USB Type-CポートでUSB Power Delivery以外の高速充電規格であるQuick Charge 2.0/3.0、Samsung AFC 9V、HUAWEI FCP 9V/2A、HUAWEI SCP 4.5V/5Aに対応しています。(5Aは出せないはずですが…)
USB Type-C規格ではUSB Power Delivery以外の高速充電規格は認められていないため規格不適合となりますが、Quick Charge 4+に対応する時点で規格違反せざるを得ないので、仕方が無いでしょう。
他にはApple 2.4A、USB DCP、Samsung 5V/2Aに対応しています。
過電流防止機能 – △
5VのPDOでは、3.2Aほどでシャットダウンされました。
15VのPDOでは、定格では2Aまでのところ、3.0Aになるまで出力がシャットダウンされませんでした。
おそらくPPSでの最大値 3Aと間違えてしきい値を設定したのではないかと思います。想定通りの挙動なのか問い合わせ中です。
【追記】
商品部から返事がありまして、本製品は実際に表記されったよりレベルアップしております。
つきまして、3Aに立ってもまた負荷範囲以内でございますためシャットダウンされませんでした。
御社製品には安全機能がありますため、ご安心ください。
との返答がありました。まさかのレベルアップ…w
PPS 3A-11A/3Aでは、3.4Aほどで出力がシャットダウンされました。
青い線が段々になっているのは、PPSで電圧を徐々に上げていったためです。
Xiaomi Mi 9で充電してみると、ちゃんと5Vから9Vまで徐々に電圧が上がっていきました。9.67V/1.97A (19W) 程度をピークに、17~18W程度で充電されました。
15VのPDOで3A出せてしまうところが気になりますが、それ以外ではおおむね問題ありません。
QC4+対応スマートフォンではまだ15Vは使われていませんし、USB PD規格違反でいいからQuick Charge 4+を使いたい、という人にはおすすめです。
USB Type-C製品のレビューが役立った場合、私のほしい物リストから何か贈っていただけると嬉しいです。