S810の発熱問題を克服? Xperia Z5 E6653レビュー。

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Xperia Z5

二週間前から使っているXperia Z5のグローバル版、E6653のレビューです。


Z5の箱

見た目はすっきり、ただし…

指紋センサー兼電源ボタン

Xperia Z5で一番進化した部分といえば、なんと言っても指紋センサーでしょう。
他機種のように背面に付けてしまうようなことはせず、電源ボタンと一体化しているため机に置いたままでも指紋センサーを使えます。

ただ、Z3+/Z4以前のように電源ボタンが出っ張っていないので、押しにくくなりました。
タップして起動→指紋センサーで解除、というように使う方が良いかもしれません。

また、指紋センサーとの兼ね合いなのか、音量キーやカメラキーの位置が従来より下に移動しています。
慣れるまでは邪魔になるかもしれませんが、間違って押してしまうほどではないのですぐ気にならなくなります。

私としては、位置よりもキーを押したときのマウスをクリックしたときのような音のほうが気になりました。
Z3に比べると堅めで、良く言えばクリック感があり、悪く言えば音が鳴って押しづらい…といった感じです。

挿入口が一つに

左側の側面は、Z3+/Z4と同じくマグネット充電に非対応となったことですっきりしています。

USB端子がキャップレス防水となったことでmicroSDカードとSIMカードを入れる挿入口だけカバーを取り外して使うようになっています。
ただし、どちらかだけ差し替えたい、というときでも、必ずSIMカードを外さないといけないので強制的に再起動されてしまうのがネックです。

個人的には、Z3+/Z4のデザインのままで指紋センサーなどの新要素を取り入れて欲しかったです。

キャップレス防水カメラ

ホワイトの背面はシルバーのようなフロストガラスで、さらさらした手触りとなっていて、指紋も全く気になりません。
カメラのリングもなく、一体感が増しています。

国内版はどうなっているのか知りませんが、グローバル版では中心に配置されているSONYロゴがゴムっぽい手触りで、少し引っかかります。
これはどういう意図なんでしょうか…。

ともかく、側面には不満がありますが、背面は大満足です。

S810の発熱問題は(ほぼ)克服

Xperia Z5で採用されているSnapdragon 810 v2.1 MSM8994はZ3+/Z4で酷評されたように発熱が問題となっています。
しかし、Z5ではヒートパイプを2本に増やしたことで、発熱問題が大幅に改善されています。

いくらでも数字を作れるのでベンチマークは好きではないですが、AnTuTu Benchmark v6でベンチマークすると、スコアは69,838でした。
さすがにベンチマーク後は背面が熱くなりますが、体感温度はZ3と同じぐらいで、すぐに冷めていきます。

STAMINAモードは拡張使用以外オン、CPUガバナはondemand (デフォルトのinteractiveよりバッテリー持ち優先のもの) にして、I/Oスケジューラはsioにするなどした状態で、さらに日常的な使用でのスコアにするため、電車内でブラウザやTwitterなどを30分以上使った後にベンチマークをしています。

Antutu v6のスコア

G+コミュニティにいくつかベンチマーク結果がありますが、同じS810のLG G Flex 2が63,000~70,000、Z3が49,000などとなっているので、ベンチマークのスコア改善用の調整なしで7万近くというのは高い方ではないでしょうか。

ちなみに、AnTuTu Benchmark v6では従来とはスコアの算出方法が変わっています。
Q&Aによれば、CPU性能よりGPU性能のほうが求められる状況を見越してCPU+RAM : UX : 3Dの評価が1:1:1になり、高性能なGPU、Adreno 430を搭載したS810にとっては従来の算出方法より有利になっています。

もちろん、スコアだけが高いのではなく、実使用で恩恵がある場面でS810の高パフォーマンスが発揮されていて、Z3ではカメラアプリの初回起動に5秒程度かかっていたところ、Z5では1秒程度で開けます。
他のアプリの起動も軒並み速くなっていて、操作した際の引っかかりなども感じません。

ただ、big.LITTLE技術はスマホには早すぎたのか、バッテリー消費がZ3に比べると増えています。

Cortex-A53 (省電力) が常時4コア、Cortex-A57 (高パフォーマンス)が常時1コア動作しているため、いくら省電力といっても、4コア動作しっぱなしにはならないZ3よりは消費するようです。

私の使用環境の場合、Z3では一時間に0.5~1%以下の消費でしたが、Z5では一時間に1~3%ほどバッテリーを消費してしまいます。

ソフトの最適化が進んでいない、使っているアプリが64bitに完全に適応できていないなどの可能性もあるので、バッテリー消費の改善は今後に期待です。

プリインアプリが少ない

初回起動時のホーム画面

ExpansysのZ5だったため、香港版 (Customized HK)ファームウェアでしたが、まず感じたのがプリインストールアプリの少なさです。

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フォルダにいくつか入っていますが、香港版専用のプリインアプリはAASTOCKSのみです。
Z3のUK版ではもっと入っていた印象があるので、香港版はなかなか良さそうです。

はじめに

ホーム画面にある「Xperiaへようこそ」ウィジェットをタップすると、以前の端末からのデータコピーや新機能の紹介などをしてくれる「はじめに」が起動します。
これは親切で良いですね。

残念ながらフォント変更機能は国内版のZ5にしか搭載されませんでしたが、root化すれば追加できます

6.0が来るときに英数字も変えられるようにしてグローバル版にも追加してもらえればありがたいですね。

指紋センサーの感度は良好

指紋のセットアップ

設定→セキュリティで指紋の設定ができます。

指紋設定の説明がんばれ♥がんばれ♥指紋設定完了

指紋の設定は何度も指を押しつけるだけでできますが、広めの範囲で設定していても、持ち方によって微妙に位置がずれて反応しないこともあるので、複数登録しておくとより精度が高まります。

今のところ5つしか登録できないので、もう少し上限を増やしていただきたいです。

指紋認証はAndroid 5.x Lollipopではロック解除にしか使えず、説明にあるような購入時の認証には使えないようです。正式対応となる6.0 Marshmallowでの活躍に期待ですね。

What's Newウィジェット Xperia Careスマート着信操作

ちなみに、Z5では指紋設定の説明画像にあるようなフラットな感じのイラストがいろいろなところに登場します。

0.03秒オートフォーカスは快適、ただし課題も

Z5では長らく大きな進化がなかったカメラにも手が加えられ、0.03秒オートフォーカスや約2300万画素での撮影などに対応となりました。

フォーカス速度がかなり速いのですが、シャッターボタンを押した後に0.5秒~1秒ほど止まった後撮影されるので、微妙にストレスに感じます。
これまでフォーカスの遅いZ3では特に気にならなかったのですが、Z5のフォーカス速度が速いだけに、余計にこの微妙なラグが気になってしまいますね…。

変わったのはカメラの性能だけではありません。カメラのUIがアップデートで一新され、より使いやすくなっています。
(別記事: Z5のカメラに2.0.0アップデート、UIの変更が実施される)

プレミアムおまかせオートでも色合いや明るさが調整できるようになったので、より自分好みの写真が撮影できます。(翻訳が「リセット 色合い・明るさ」という残念訳ですが)

マニュアルで23MPに設定するとISOが設定できないなど、まだまだ細かい部分で自分好みにできない箇所があるため、RAW対応なども含め、今後のアップデートでさらに設定できる箇所が増えるのを期待しています。あとそろそろDRMキー無効時の暗所性能低下を止めてください…。

Xperia Z5のroot化

root化と文鎮からの復旧が簡単。だから私は、Xperia。という人もいるかと思いますが、Z3+/Z4以降、Xperiaではdm-verityを採用しているため国内版はこれまで以上にroot化が困難になっています。

グローバル版はBootloader unlockができるため、dm-verityを無効にしたカーネルを作ることでroot化やXposedの導入などが自由にできます。
なお、Xposedを導入するとカメラがエラーで起動できなくなるので、この方法で修正してください。

グローバル版の中には技適を取得していない、日本で使用してはいけないモデルがあります。
この記事で紹介しているとおり、グローバル版を購入する際は必ず技適のあるモデルを購入するようにしてください。

技適を取得しているモデルはすべてExpansysやAmazonなどで購入できます。

まとめ

Z3と比べるとカメラや指紋認証、パフォーマンス向上など進化している点が多く、全体的な完成度は高いように思います。

ただ、0.03秒オートフォーカスの強みを殺してしまう写真保存時の微妙なラグやバッテリー消費の問題など、まだまだ課題が残っていることが残念です。

Z3から積極的に乗り換えるほどではないかもしれませんが、S810搭載端末としてはかなり健闘しているほうなので、気軽に写真を撮りたい人や、ハイレゾとノイズキャンセリングの両立を楽しみたい人などにはお勧めです。

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root化済み・非rootそれぞれのやり方はこちらの記事を参考にしてください。