格安なのに2ポートUSB PD 100W。Less is More USB-C PD 3.0 4ポート充電器レビュー

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Less is More USB-C PD 3.0充電器 Mighty-hub100を購入しました。なんとAnkerの半額近くでUSB PD 100W出力・USB-C 2ポートを実現しています。


お手頃価格でUSB PD 100W出力

USB PD 100Wといえば、Anker PowerPort Atom PD 4HP Thunderbolt3ドック 120W G2のような1万円近くする製品ばかりで、気軽に買うことが出来ませんでした。

そんな中登場したLess is More USB-C PD 3.0充電器 Mighty-hub100は、なんとAtom PD 4の半額近くの、6,980円でUSB PD 100W出力・USB Type-C 2ポートを搭載しています。

Less is More USB-C PD 3.0充電器
品番 Mighty-hub100
サイズ 約110 × 98 × 20 mm
重さ 約241.4g (電源ケーブル込み325.2g)
USB Power Delivery出力 100W側 商品説明: 5V/4.3A, 9V/4.3A, 12V/4.3A, 15V/4.3A, 18V/4.3A, 20V/4.3A
実際のPDO: 5V/3A, 9V/3A, 15V/3A, 20V/5A, PPS 3.3~16V/3A, PPS 3.3~21V/5A
USB Power Delivery出力 60W側 商品説明: 表記なし
実際のPDO: 5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 18V/3A, 20V/3A
ポート数 USB Type-C x2
USB Type-A x2

USB Type-C to Type-Cケーブルの他、縦置きスタンドも付属しています。何故か折り鶴とスマホ用防水ケースらしきものもおまけで付いてきます。

5A充電するためのケーブルはeMarkerと呼ばれるチップを搭載していなければいけないと規格で決まっていますが、付属ケーブルはeMarkerを搭載していないようです。使用する際は、エレコム USB-CケーブルのようなちゃんとeMarkerを搭載したケーブルを使用した方が良いでしょう。

【追記】
Less is Moreからの回答は「あと、ケーブルの件ですがeMakerチップは内蔵されておりません。弊社でも対応中でございます。」でした。

電源ケーブル込みでも325.2gと、約457gのAnker PowerPort Atom PD 4より軽量です。

縦置きスタンド付き

仕様面は87Wバージョンからコピペしたのかデタラメで、USB-Cが最大4.3Aになっていたり、USB-Aで20V/3.5A出力できることになっていたりします。

PSEマークもあり、「株式会社Templom」と書かれています。最近は中国メーカーが日本人っぽい偽名を使っていることも多いですが、株式会社テンプロムは香川県にある会社で、代表の礒部敬芳氏はちゃんと日本人のようです。

【2019/11/24追記】
いつの間にか茨城県のレンタルオフィスに住所が変わり、代表取締役名も赤坂久佐子に変わっています。ちなみに以前の代表取締役名だった「礒部敬芳」で検索すると、今は大阪のマンションを拠点としている「ジパングショップ」や怪しげなブーツショップにたどり着くため、中華通販業者が日本人風に見せかけるために使う偽の名義である可能性もあります。

【追記】
Less is Moreからの回答は「本体の刻印に4.3Aと記載がありますが、印字に不備がありました。大変申し訳ございません。実際は100W出力が可能です。」とのことでした。

デタラメ表記

USB Type-C x2、USB Type-A x2の合計4ポートです。

左端には通電確認用のLEDが付いています。

4ポート

この充電器はHyperJuiceを製造した工場で作られたようで、見た目がそっくりです。分解して中身を確認したいところですが、そのために4,980円払うのはちょっと…。

HyperJuiceと同じく、USB PD 100W出力出来るモバイルバッテリーも販売されています。こちらは1.5万円と高いので手が出せません。誰か買ってください…

ちなみにAmazonの商品説明はAnkerのものをコピペしているため、当初は商品説明にAnkerと書かれたままになっていました。シリーズ累計販売台数20万台突破と書かれていますが、さすがに嘘でしょう。そもそも充電器はこの製品以外売っていないですし…。

本当に100W出力できる

Cold Socket (非Vbus Hot) –

USB Type-Cの規格では、機器が接続されたことを確認してからVbusに電圧をかけるよう定められています。

この充電器は機器が接続されていない状態ではVbusに電圧をかけておらず、規格に適合した動作をしています。

Bridged CCs –

USB Type-Cポートは別個のRpでプルアップされています。

e-MarkedケーブルでもSinkの接続を検出できるため、問題なく充電できます。

PDO –

仕様とTotal Phase USB Power Delivery Analyzerで確認した実際に通知されているPDOは一致しませんでした。コピペなので当たり前ですが…。(100W側のログはこちら60W側のログはこちら)

接続した時点で下記のPDOを通知していたため、Split PDOではありませんでした。

まず100W側のUSB Type-Cポートでは、5V/3A, 9V/3A, 15V/3A, 20V/5A, PPS 3.3~16V/3A, PPS 3.3~21V/5Aに対応していることが分かりました。

5A充電できるのはPPS以外では20Vの場合のみです。PPS (Programmable Power Supply) はQuick Charge 4+でも使われている技術で、対応機器ではより効率的でバッテリーに優しい急速充電が可能となります。

100W側ではUSB Power Delivery 3.0が使用されます。

ケーブルが5A対応かどうかチェックされないため、付属ケーブルでも100W出力できてしまうことになり、危険です。

100W側

60W側のPDOは5V/3A, 9V/3A, 12V/3A, 15V/3A, 18V/3A, 20V/3Aと、あまり見かけない18Vまで含まれています。

100W、60Wどちらのポートでも12V/3A充電が出来るので、One Mix 3などのUMPCも急速充電できます。

60W側ではUSB Power Delivery 2.0が使用されます。

60W側

高速充電規格 – ×

USB Type-CポートはUSB PD以外の急速充電規格に対応しているので、規格違反となります。

100W側ではQuick Charge 2.0・3.0に対応しています。eMarkerを搭載した5A対応ケーブルでQuick Charge 2.0・3.0充電すると最悪の場合チップが焼ききれる可能性があるため、スマートフォンを充電する際は5A対応ケーブルを使わない方が良いです。

100W側の規格

60W側ではQuick Charge 2.0のみの対応です。

60W側の規格

過電流防止機能 –

100W側の20VのPDOでは、5.1Aで出力がシャットダウンされました。

20V 5.1A

60W側の20VのPDOでは、3.9Aでシャットダウンされました。

60W 3.9A

 

コピペで仕様表記がおかしかったり、100W出力なのに付属ケーブルにeMarkerがなかったり、と不安になるポイントはいくつかありますが、充電器本体としては特に問題なく100W出力もできるため、USB Type-CポートでQC2.0/3.0に対応していることに注意さえすれば普通に使えます。

日本でのサポートはLINE@でされているので、早速仕様表記やeMarkerについて質問しておきました。返事が来たら追記します。

【08/23追記】
再入荷されました…が、上記問題は直っていないようです。

「対応中です」と返答して2ヶ月近く経っても改善が見られない、というのはクラウドファンディングで資金集めしている企業としてはフットワークが重すぎますし、製造元を管理できる能力がないとしか思えません。Less is Lessですね。

USB Type-C製品のレビューが役立った場合、私のほしい物リストから何か贈っていただけると嬉しいです。

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