広告あり
評価: 4
OnePlus Nord 2 5G DN2103を購入しました。
目次
ColorOS統合後初のOxygenOS 11.3を搭載
OnePlus Nord 2 5Gは初となるMediaTek Dimensity 1200-AIを搭載したスマートフォンです。
Dimensity 5G Open Resource Architectureと呼ばれる、メーカーがSoCを柔軟にカスタマイズできる仕組みを採用しており、通常のDimensity 1200よりもAI関連の性能が高くなっています。
さらにOPPO ColorOSとコードベースを統合したOxygenOS 11.3を搭載しており、これまでとほとんど変わらない見た目でありながらもソフトウェアアップデートの保証が長くなっています。
ColorOS特有の「やたらとタスクキルしたがる」性質が所々ににじみ出ていますが、それ以外のColorOSの大きなデメリットは取り込まれておらず、うまいこと統合されているという印象です。
なお、このレビューは11.3.A.08 (DN2103_11_A.08)にアップデートした状態で行っています。
- Snapdragon 865並の3D性能
- LPDDR5並の速度のメモリ
- 90Hz AMOLEDフラットディスプレイ
- 指紋が付きにくい背面
- 上位モデルと同じSony IMX766 50MPカメラ
- 高速な65W急速充電
- 性能の割に発熱が大きい
- Gmailの通知が遅れる (最適化を外せない)
- 最適化オフにする設定が2箇所に分かれていて面倒
- バグでYouTubeでのステレオ再生ができない
OnePlus Nord 2 5G DN2103 | |
---|---|
OS | Android 11 |
RAM | 6GB/8GB/12GB LPDDR4X |
ストレージ | 128GB/256GB UFS3.1 |
プロセッサ | MediaTek Dimensity 1200-AI (MT6893Z_A/CZA) |
ディスプレイ | 6.43インチ FHD+ 90Hz Fluid AMOLED |
サイズ | 159.1 x 73.3 x 8.2mm |
重さ | 189g (実測190g) |
SIM | nano SIM + nano SIM |
メインカメラ | 50MP (Sony IMX766) + 8MP (超広角) + 2MP (モノクロ) |
フロントカメラ | 32MP (Sony IMX615) |
バッテリー | 4500mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB2.0) |
バンド | GSM: GSM850, GSM900, DCS1800, PCS1900 WCDMA: B1/2/4/5/6/8/19 LTEB1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/34/38/39/40/41 NR NSA: N40, N41, N78 NR SA: N1, N3, N28A, N40, N41, N78 |
AliExpressのOnePlus Official StoreでDHLを選んで購入しましたが、ラベル発行から一向に発送に進まず9日目にようやく発送されたのでDHLを選ぶのはおすすめしません。
最終的に届くまでに11日かかって無料配送と同じかむしろ遅いぐらいなので、無駄に$26.73払ったことになりました…。
付属品はWarp Charge 65充電器、USB Type-A to Cケーブル、透明保護ケース、クイックスタートガイド等です。
残念ながらステッカーは付属していません。
ミドルレンジでも綺麗なディスプレイ
最近のOnePlusはローエンド~ミドルレンジでもAMOLEDを積極的に採用しており、OnePlus Nord 2 5Gもその例に漏れず90Hzリフレッシュレート対応のFluid AMOLEDを搭載しています。
視野角や発色が良く、ハイエンドモデルにも引けを取らないレベルです。
Diamond Pixel配列です。
画面内指紋認証センサーを搭載しています。
認証速度はかなり高速で、ストレスを感じさせません。
Widevine L1で、AmazonプライムビデオでHD画質再生できることを確認しました。
指紋が付きにくい背面
背面はさらっとした手触りで、指紋が残りにくくなるよう加工されています。
長い間使った後でも綺麗な状態を保ってくれますし、拭く手間もありません。
重さは190gです。
ミドルレンジだと手を抜いて200g越えにしてくるメーカーもありますが、OnePlus Nord 2 5Gはハイエンドモデルと同じ程度の重さに抑えてくれていて良いですね。
50MP Sony IMX766カメラを搭載
カメラはOnePlus 9 Proの超広角で使われているSony IMX766を搭載しており、OIS (光学式手ぶれ補正) にも対応しています。
50MPメインカメラのほかに8MP (超広角)、2MP (モノクロ)を搭載しています。
通常 (12.6MP) と50MPで撮影するモードがありますが、通常モードのほうが暗めに撮影されやすいようです。
撮影した写真はこちらに保存しています。
グラフィックのカラーサンプルを撮影してみると、実際の色よりも少し濃いめになっていました。
Xiaomi Mi 11 Lite 5Gのような赤色を強くしすぎてしまう調整と比べればまだマシです。
ミドルレンジながらも夜景に強く、真っ暗闇で薄暗いライトしかない状態でさえ下の写真のように明るく撮影できます。
まるで木をライトアップしているように見えますが、実際には本当に足下を照らす程度の光しかありません。
アラートスライダーあり
OnePlus Nord CE 5Gではアラートスライダーがありませんでしたが、OnePlus Nord 2 5Gにはちゃんと搭載されています。
左側面には音量ボタンがあります。
39分で10%→100%充電できる
下部にはスピーカーがあり、通話用スピーカーと組み合わせるタイプのステレオスピーカーなのですが、YouTubeではモノラル再生されてしまいます。
他のアプリではステレオ再生されるため、おそらくバグです。
音量は十分で、低音が弱めです。
OnePlus Nord 2 5Gはミドルレンジでありながらも、OnePlus 9 Proと同じく65WでのWarp Charge 急速充電が可能となっています。
付属充電器がヨーロッパ向けだったのでOnePlus 9 Pro用に購入していたUSプラグ・USB Type-Cポート版のWarp Charger 65Wにて充電したところ、10% → 100%の充電にかかった時間はたった39分でした。
ピーク時で42℃になる程度で、充電速度の割には発熱が抑えられています。
寝る前に充電するのを忘れていた、という時でも朝に充電するだけですぐ満充電にできるので、かなり便利です。
豊富な4G LTEバンド
OnePlus Nord 2 5Gの対応バンドは
- GSM: GSM850, GSM900, DCS1800, PCS1900
- WCDMA: B1/2/4/5/6/8/19
- LTEB1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/34/38/39/40/41
- NR NSA: N40, N41, N78
- NR SA: N1, N3, N28A, N40, N41, N78
とかなり広く、5Gバンドはヨーロッパ向けなので仕方がないとしても4Gではプラチナバンドも含まれています。
Y! mobileやSoftBankといったSoftBank系、楽天モバイル、IIJmioやOCN モバイル ONEなどdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。
VoLTEはデフォルト非対応、ただし非rootで有効化できる
ColorOSとの統合で一番期待していた「日本キャリアでのVoLTE対応」は残念ながら実現しませんでした。
ただ、非rootかつ特殊なツールを使わない手順でVoLTEを有効化できることは確認しました。
OnePlus Nord 2 5Gのリカバリはadbコマンドを受け付けるようになっており、何故かadb root
が塞がれていません。
時間が掛かってtimeoutと出るので一見すると失敗しているように見えますが、adb shell
を実行してみるとちゃんと#になっています。
adb root
を実行できてしまうとBootloader Unlockしなくても特権を得られてしまうため、他機種だと「バックドアだ、これだから中華スマホは」と大騒ぎされて即塞がれるものなのですが、今回は塞がれていないおかげでVoLTEの有効化に活用できます。
11.3.A.08 (DN2103_11_A.08) の段階では利用できることを確認しています。初期設定時にWi-Fiが有効だと強制アプデされるので、最初はWi-Fi接続やSIMを入れずにVoLTEが使えるようになるところまでセットアップするのがおすすめです。
【11/26追記】xdaにバラされてしまいました。おそらく次のアップデートで塞がれると思います。
OnePlus Nord 2 5GでのVoLTE有効化手順:
- adbコマンドを使える状態にする
adb reboot recovery
を実行し、リカバリへ再起動する- 言語を選ぶ画面になるとadb接続できるようになるので、ドライバのセットアップが完了するまで待つ
※デバイスマネージャーで⚠と出ているとドライバを読み込めていないので、右クリックしてドライバーの更新→コンピュータを参照してドライバーを検索→コンピュータ上の利用可能な~→Android Device→Android Composite ADB Interfaceを読み込んでください。
それでも駄目なら一度ケーブルを抜き差ししたりUSB 2.0のポートを使ったりしてみてください。 - 以下のコマンドを一行ずつ実行する
adb root
adb shell setprop persist.dbg.ims_volte_enable 1
adb shell setprop persist.dbg.volte_avail_ovr 1
adb shell setprop persist.dbg.vt_avail_ovr 1
adb shell setprop persist.radio.VT_ENABLE 1
adb reboot - 再起動後、SIMの設定に「VoLTEコール」が出てくるのでオンにする
adb rootが使えてしまうのはただの脆弱性なので使える内はありがたく使っておいて、塞がれても文句は言わないようにしましょう。
MediaTek特有の問題なのかVoLTEは有効化できても5Gは有効にならず、5Gを使いたい場合は他の対策も必要なようです。私の行動範囲では5Gを使えないので詳しくは調べていません。
【追記】電話アプリで*#*#4636#*#*を押して出てくるメニューでモードをNR/LTE/TDSCDMA/GSM/WCDMAに変えてしまえば掴むそうです。
Snapdragon 865並の3D性能
OnePlus Nord 2 5Gが搭載しているMediaTek Dimensity 1200-AIは通常版よりもAI性能を高めているカスタマイズモデルです。
OnePlus 9 Proでは消費電力の削減のためにスロットリングしていて一部で問題視されていましたが、OnePlus Nord 2 5GはCPUを最大クロックに固定する「高パフォーマンスモード」を搭載しており、消費電力を気にせず高い性能を得たい場合にユーザー側で自由にオンにできるようになっています。
高パフォーマンス・90Hzリフレッシュレート時の3DMark Wile Life Stress Test (20回連続実行) ではスコア4300 → 2535、温度上昇は30℃ → 45℃ (15℃上昇) でした。
熱い熱いと言われるOnePlus 9 Proでさえもっと高いスコア5811 → 3229で最大42℃までの上昇だったので、性能の割には少し発熱が大きめです。
高パフォーマンスモードをオフにするとスコア4235 → 2524、温度上昇は32℃ → 46℃ (14℃上昇) でした。
Androidスマホ ベンチマーク結果まとめ。CPU・メモリ・ストレージ性能一覧 – AndroPlus
PCMark Work 3.0ではスコア13611と、Snapdragon 888搭載スマホをも上回るスコアでした。
ただ、高パフォーマンスモードをオフにするとスコア8499にガクッと下がり、Snapdragon 855~865程度になります。
高パフォーマンスモードオフで原神を最高画質・60FPS設定の最高負荷状態で動かすと、中央値 38FPSでそれなりにスムーズな動作で遊べました。(プロ向けベンチマークソフトGameBench Proにて計測しています。詳細な結果はこちら)
やはり発熱によるスロットリングがネックで、15分のプレイでバッテリー温度は47℃にまで達しており、最初は40FPS以上でることがあっても最後の方には20~30FPS台に落ちてしまっています。
100%充電状態でプレイできる時間は単純計算で約2時間54分と短めです。
ストレージ・メモリ性能はかなり高く、シーケンシャルリード以外はハイエンドスマホを打ち負かして上位に上り詰めています。
実際に使っている間も突っかかりがなくストレスがありませんが、性能が高すぎるが故に発熱を引き起こす一因にもなっているのかもしれません。
ColorOSとコードベース統合したOxygenOS 11.3
OPPOとの協力関係を深めたOnePlusは、OxygenOS 11.3よりColorOSとコードベースを統合したバージョンに変化しています。
内部的には「OplusOS」と呼ばれているようで、内部ストレージにOplusOSフォルダが作成されています。
OplusとはOPPO、OnePlus、realmeのグローバル展開を監督する投資家企業の名称で、おそらくは今後3つのブランドで共通化が進んでいくのでしょう。
見た目はOxygenOSを踏襲しており、ほとんど見分けが付きません。
左がOxygenOS 11.3、右がOxygenOS 11.2のクイック設定ですが、何もスタイルが変わっていないことが分かります。(フォントは変更済み)
一番違いに気がつきやすいのは設定です。
OxygenOS 11.2に比べて妙に細分化されています。
中身の説明が一切書かれていないので初心者には分かりにくくなったような…。
OxygenOSの特徴だったデバイス情報の端末画像も削除されてシンプルになっています。
アップデータはGoogle製のものに置き換えられており、root化時のフルイメージのダウンロードやローカルアップデートが不可能となっています。
元々アメリカでは先行してGoogle製に置き換えられていましたが、ヨーロッパでもGoogle製に置き換わるとなるとroot化したいユーザーにとっては面倒なことになります…。
ColorOS統合で一番影響を受けているのは「バッテリー最適化」で、従来だとアプリの詳細画面で「最適化しない」を選べば十分でしたが、OxygenOS 11.3ではアプリの詳細情報から「バックグラウンドアクティビティを許可」、設定→バッテリー→バッテリーの使用を最適化からは「最適化しない」をそれぞれ選ばないといけません。
せめてアプリの詳細画面で両方とも弄れるようにして欲しいです…。
さらにGmailなど一部のGoogle系サービスの最適化をオフにできないように改悪されており、3分ほど通知が遅れます。
わざわざオフにできないようにしなくても電池持ちは何とでもなるはずですし、OPPOの協力を得た迅速なアップデートでの改善をやってみせてほしいものです。
ここまではデメリットが大きかったですが、ColorOSとコードベースを統合したことでのメリットもあります。
その一つは地味に便利な「アダプティブスリープ」の先行実装です。
画面を見ている間は画面を点灯させたままにする機能で、アプリ側がスリープを阻止する機能を持っていない場合に役立ちます。
ジェスチャー操作も地味に対応パターンが増えており、上下左右のスライドでのアプリ起動などに対応しています。
ColorOSでは開発者向けオプションやユーザー補助サービスを有効にしていると警告が出ることがありましたが、OxygenOS 11.3にはそのような警告はありません。
もちろんホームアプリを強制されることもありません。
中国版ColorOSはひどい出来ですが、OxygenOS 11.3は中国版より優しいグローバル版ColorOSからさらに毒を抜いたイメージで、全体的に見ると一般ユーザーにとっては統合によるアップデート速度・期間が強化されたことなど得られるメリットのほうが大きい印象です。
まとめ
- Snapdragon 865並の3D性能
- LPDDR5並の速度のメモリ
- 90Hz AMOLEDフラットディスプレイ
- 指紋が付きにくい背面
- 上位モデルと同じSony IMX766 50MPカメラ
- 高速な65W急速充電
- 性能の割に発熱が大きい
- Gmailの通知が遅れる (最適化を外せない)
- 最適化オフにする設定が2箇所に分かれていて面倒
- バグでYouTubeでのステレオ再生ができない
悪名高いColorOSとのコードベース統合で危惧されていたような使い勝手の大幅な劣化はなく、Gmailなどの最適化をオフにできないこと以外には致命的なデメリットは見当たりません。
元々OxygenOSでも昔はGmailの最適化をオフにできませんでしたし、ユーザーが声を上げれば解決していくでしょう。
日本キャリアでのVoLTEがデフォルト有効になっていないのは残念ですが、現状では非rootでサクッと有効化できますし問題ありません。
OnePlus Nord 2 5GはAliExpressにて47,022円で購入できます。
イタリアAmazonでも購入でき、最安送料・消費税込みで387.01EUR (約5万円) で購入できます。
AliExpressのOnePlus Official Storeは届くまでにDHLですら11日以上かかるため、早めに欲しければAmazonで購入した方が良いと思います。
ETORENでも一応購入できますが、65,000円とぼったくり価格です。