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Androidスマホ単体でフレームレートや消費電力、CPU使用率などを計測できるアプリ『TakoStats』を紹介します。
PerfDogより格安にフレームレート計測が可能
Androidスマホでは一部のメーカーが独自にフレームレートを計測する機能をゲームモードなどに追加していますが、グラフ化など詳細に見たい時には使えません。
Playストアで配布されているFPSモニターはほぼすべて無意味な数値しか出してくれないため、非root環境では有料ツールであるWeTest PerfDogを使わないとまともにフレームレート計測ができない状況でした。
PerfDogは基本的には有料で、セール価格でも120分間$9.9、通常価格$99となかなか高額です。
今回登場したアプリ『TakoStats』では、660円 (2023/04/22現在) と安価な買い切り型であるにもかかわらず、フレームレートやCPU使用率、消費電力などをかなり正確に計測できます。
しかも非rootかつスマホ単体で計測できるため、PCを用意する手間はありません。
2023/04/22現在、270円の年間プランと660円の買い切りプランの2つがあります。
今後2年以上開発され続けるか不安なら年間プランが安心です。Shizuku開発者が作っているため更新がすぐ止まることはおそらくないですし、PerfDogに比べれば激安なので買い切りプランでも良いと思います。
Shizukuを使うことでスマホ単体で動作可能に
TakoStatsはShizukuと呼ばれるアプリを利用することで、PCからUSBデバッグ・ADBコマンドを打つときと同じような権限をスマホ単体で使えるようにしています。
※OPPO / OnePlus / realme ColorOS・realmeUIではまず開発者向けオプションの一番下の方にある「認可の監視を無効化する」をオンにしてください。
Shizukuの案内に従って開発者向けオプションでワイヤレスデバッグをオンにして、「ペア設定コードによるデバイスのペア設定」を押します。
出てきたコードを覚えるかメモしてから通知領域を開き、Shizukuの通知を押してコードを入力してください。
ペアリングできたらShizukuに戻り、「開始」ボタンを押してください。
これでShizukuの準備は完了です。
TakoStatsを開き、「開始」を押すと計測を開始できます。
無料では5分間のみ計測できます。
誤差の少ないデータを出すには最低15分間記録しないといけないので、5分の計測はあくまでもお試しです。
一度購入すればその後はいつでも時間制限なく計測できます。
TakoStatsで計測できる項目は?
TakoStatsは
- フレームレート (FPS)
- CPU使用率
- CPU周波数
- CPU温度
- GPU温度
- バッテリー温度
- スキン温度 (手に触れる部分の温度)
- アップロード / ダウンロード速度
- 電流
- 電圧
- 消費電力
- フレーム毎の消費電力
を計測できます。
このようにリアルタイムな数値がオーバーレイ表示されます。
オーバーレイの文字サイズや背景色、位置なども変更できます。
アプリ単位で記録を残すことも可能
TakoStatsはリアルタイム表示だけでなく、選択したアプリのみ記録を残すこともできます。
「記録」の「記録するアプリの選択」を押すとアプリ一覧が出るので、記録を残したいアプリにチェックを入れてください。
平均FPSやフレーム時間、99パーセンタイルなどを表示できます。
リアルタイム表示させていない項目もすべて記録され、グラフ化されます。
グラフをタップするとその時点の詳細数値を確認できます。
グラフの表示の仕方が違うので比較しにくいですが、PerfDogとTakoStatsを3DMark Wild Life Extremeの結果で比較してみるとほぼ同じ計測結果となっています。
CPU・GPU温度などの上がり方の傾向も同じです。
現在のバージョンのTakoStatsだとジャンク・スタッターなどの細かい数値は出ていないため、「フレームレートは出ているが実際の画面表示は飛び飛びになっている」というような状態の把握はできません。
先行して企業が開発しただけあって今はPerfDogのほうがアプリ開発に役立つデータを細かく出してくれるものの、TakoStatsはまだまだ開発され始めたばかりの状態なので要望が出ればどんどん機能追加してくれると思います。
GitHubのIssuesで機能追加要望を出せます。
「開発者向けオプションで見たら原神が120FPSで動いてます」「2、3分プレイした結果だとスムーズに動いてました」など意味のない感想ではなく、ちゃんとしたフレームレート・温度上昇の記録を残すことで説得力が増します。
また、AnTuTuベンチマークなどはメーカーによる不正ブーストのせいで比較する意味が無くなっているため、実際のゲームでフレームレートや消費電力の動きを把握することの重要性が高まっています。
PerfDogに比べてかなり安価・手軽に計測できるので、これを機にベンチマークだけでなくゲームアプリの動作を計測して比較する動きが広まって欲しいものです。