広告あり
Xiaomi 12S Ultraを購入しました。
目次
カメラもCPU性能も最強クラス
Xiaomi 12S UltraはSnapdragon 8+ Gen 1を搭載したスマートフォンです。
Snapdragon 8 Gen 1は発熱する上に効率が悪くMediaTek Dimensity 8100に安定性で負けることもある状態でしたが、TSMC 4nmプロセスを採用した8+ Gen 1は大幅に改善されており、高い効率とQualcommの高性能なAdreno GPU、葉脈コールドポンプ冷却技術が組み合わさることにより、そこらのゲーミングスマホをも凌駕する高い性能を低消費電力で発揮してくれます。
Leicaとコラボしており、メインカメラは1インチセンサーの50MP SONY IMX989を搭載し、48MPの超広角やペリスコープ望遠レンズも搭載することでどんな場面でも綺麗な撮影が可能です。
このレビューはV13.0.3.0.SLACNXMバージョン、12GB+256GB版で行っています。
- 圧倒的な高性能&省電力の8+ Gen 1
- Leicaコラボの1インチセンサーカメラ
- 48MPペリスコープ望遠レンズ
- 120Hzリフレッシュレート対応WQHD+
- 鮮やかなSamsung製 E5 AMOLED
- 側面ステレオスピーカー (ただし左右非対称)
- IP68防水防塵
- 重い
- カメラ周りの出っ張りが大きすぎる
- 写真撮影時に緑などが強く出過ぎる場合がある
Xiaomi 12S Ultra 2203121C | |
---|---|
OS | Android 12 |
RAM | 8GB/12GB LPDDR5 |
ストレージ | 256GB / 512GB UFS 3.1 |
プロセッサ | Snapdragon 8+ Gen 1 |
ディスプレイ | 6.73インチ WQHD+ 120Hz AMOLED LTPO |
サイズ | 163.17 x 74.97 x 9.06mm |
重さ | 225g |
SIM | nano SIM + nano SIM |
メインカメラ | 50MP (OIS・Sony IMX989) + 48MP (超広角 Sony IMX586) + 48MP (OIS・ペリスコープ望遠 Sony IMX586) |
フロントカメラ | 32MP (OmniVision ov32c) |
バッテリー | 4860mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 5G:n1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79 4G:FDD-LTE:B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B12 / B17 / B18 / B19 / B26 TDD-LTE:B34 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42 3G:WCDMA:B1 / B2 / B4 / B5 / B6 / B8 / B19 2G:GSM:B2 / B3 / B5 / B8 CDMA 1X:BC0 |
付属品は透明保護ケース、67W充電器、専用USB Type-A to Cケーブル、説明書等です。
透明保護ケースはXiaomi 12S Ultraに釣り合わない安っぽさと手触りの悪さで付けるのを躊躇うレベルですが、ケースを付けた状態だとRICOH GR IIIなどのレンズキャップがぴったりはまります。
内径53mmほどのレンズキャップであれば保護ケースなしにはめられそうです。
ケースを付けたい場合は、Xiaomi純正保護ケース (JD、GIZTOP、AliExpress) を購入したほうが良いでしょう。
カメラエリアに貼り付けるタイプの保護カバーもあります。
Xiaomi 12S Ultra専用レンズキャップレビュー。裸のままカメラだけ保護できる – AndroPlus
また、AliExpressではNDフィルターなどを取り付けられるケースセットも販売されています。
緩やかなエッジの2K AMOLEDディスプレイ
Xiaomi 12S Ultraは6.73インチ WQHD+解像度のAMOLEDディスプレイを搭載しています。
vivo X Foldと比べるとほんの少し黄色っぽい感じがする表示ですが、このあたりは好みの問題でしょう。
派手な鮮やかさを求める場合は設定でモード・色温度を調整すれば良いと思います。
中央にパンチホールがあります。
残念ながらエッジディスプレイですが、vivo X80 Proなどよりは緩やかなエッジになっているため、端が黒っぽくなりにくいです。
Samsung製で、ダイヤモンド配列です。
最初から保護フィルムが貼られています。
アンチグレアなどが良ければミヤビックスさんの保護フィルムがおすすめです。
リフレッシュレートは60・90・120Hzから選べるようになっています。
60Hzはもう無理、でも120Hzは消費電力が気になるという場合に中間の90Hzを選べるのは良いですね。
Snapdragon 8+ Gen 1が優秀なためか、過去の120Hz対応Xiaomiスマホよりも全体的に動画がキビキビとしていて軽快です。
解像度はFHD+とWQHD+を選択できます。
タッチサンプリングレートは最大240Hzで、WALT Latency Timerで計測したタッチレイテンシーはタッチからカーネルが8.7ms、カーネルからJavaが2.5ms、画面描画が27.9msで合計39.1msでした。
240Hzのスマホとしては遅延が小さめです。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。
ビデオツールボックスでアプリを選択すれば有効化できる…のですが、Special features→Floating windows→Sidebarというかなり深い階層に隠されています。
以前はSpecial features直下にあったというのに…。
対象に追加した動画アプリでサイドバーを開き、Pictureを押してEnhanced animationをオンにすることでMEMCを有効化できます。
シリコンレザーで手触り良し
Xiaomi 12S Ultraの背面はシリコンレザーが使用されており、従来のレザーより劣化しにくいそうです。
vivo X Foldのレザーと比べると質感が異なっており、しっとりとした感触でコンデジのボディにありそうなイメージでした。
IP68防水防塵です。
Xiaomi 12S Ultraの重さは227gです。
折りたたみスマホに比べれば軽いですが、6.7インチ画面のスマホとしては重いです。
Leicaコラボで雰囲気のある写真撮影が可能
Xiaomi 12S Ultraは
- 50MP (OIS・Sony IMX989)
- 48MP (超広角 Sony IMX586)
- 48MP (OIS・ペリスコープ望遠 Sony IMX586)
というかなり豪華なLeicaコラボのトリプルカメラです。
1インチセンサーのSony IMX989は国内だとAQUOS R7が搭載しているものと同じですが、20万円するのに1眼のみでOIS非搭載のAQUOS R7に対してXiaomi 12S UltraはOIS付きトリプルカメラで12万円という大きな差が付いています。
カメラの出っ張りはかなり大きく、SIMカード6枚分ほどです。
なお、振るとカタカタ異音がするのはOIS (光学式手ぶれ補正) の部品が動くためで、正常です。
鮮やかな印象のLeicaバイブラントと現実的な色合いに近いLeicaオーセンティックのどちらかを選んで撮影することになります。
オフにすることはできないようです。
通常の写真とポートレートモードではLeicaの特徴的な透かしを入れられます。
透かしがあるだけでプロの作品っぽい印象になります。
夜景モードは通常の写真モードとは別に用意されていますが、通常の写真モードのまま自動で夜景モード撮影させることもできます。
すべて手持ち、オートのLeicaオーセンティックで撮影した写真はこちらに、Leicaバイブラントで撮影した写真はこちらに保存しています。
オーセンティックは周辺減光のようなシャドウが出やすく、バイブラントではシャドウが引き上げられやすいようです。
左がLeicaバイブラント、右がLeicaオーセンティックですが、どちらも彩度が高めです。
いくつか撮影したところ何らかの条件下で彩度を上げすぎてしまう調整ミスがあるようで、バイブラント・オーセンティックにかかわらず実際よりもやたらと彩度が高くなることがありました。
Xiaomiスマホは出始めはカメラの調整がこなれていないことが多いので、このあたりはアップデートでの改善に期待です。
夜景モードではオーセンティックのほうが白飛びしやすいため、明るく白飛びしていない夜景を撮影したければバイブラントで撮影した方が良さそうです。
逆に明るさを抑えた、雰囲気のある夜景を撮影したければオーセンティックのほうが良いでしょう。
左がバイブラント、右がオーセンティックです。
左がバイブラント、右がオーセンティックで、バイブラントのほうがシャドウが持ち上げられていることが分かります。
手持ちで星空も写せます。
肉眼だと真っ暗な状態でもバイブラントだとかなり明るく撮影できますし、vivoほどではないですがかなり夜景に強いです。
パッと撮るだけでも良い感じにボケてくれます。
ただ1インチセンサーの特性上、近いものにはフォーカスが合いにくいことがあります。
2倍ズームでもかなり綺麗ですし、少し離れてズーム撮影しても良いと思います。
ポートレートモードを使えば常に背景をボケさせて撮影できます。
1x、0.5x (0.6x)、5xの順で撮影してみました。
5xでは緑の彩度が上がりすぎる調整ミスが発生しており、実際よりもかなり鮮やかになってしまっています。
ズームは最大120倍までできますが、実用的なのはせいぜい50倍程度までです。
2倍ズームでPixel 7 Proと比較してみたところ、Xiaomi 12S Ultraのほうがくっきりとノイズなく撮影できました。
30倍ズームでもノイズや文字の潰れが少なく、ドロイド君の柄などもはっきり分かります。
ステレオスピーカーだが低音は強くない
Xiaomi 12S UltraはHarman Kardonチューニングのステレオスピーカーを搭載しています。
側面にスピーカー穴が配置されているものの、残念ながら左右非対称です。
横持ちしたときに片方のスピーカー穴が手で覆われてしまいやすいです。
POCO F4 GTなどに比べると低音があまり強く出ていないように感じます。
Xiaomi MIX 4のときはDolby AtmosではなくHarman Kardonサウンドだったのですが、Xiaomi 12S UltraだとDolby Atmosしか選べないようになっています。
WALT Latency Timerでオーディオ出力レイテンシーを計測すると34.0msでした。
Cirrus Logic製のCS35L41が搭載されています。
公式には音質面では特段言及がないのですが、Xperia 1 IIと同じスマートブーストパワーアンプです。
ボタン類は右側面に集中
電源ボタンや音量ボタンは右側面に並んでいます。
左側面には何もありません。
コマンド一つでVoLTE有効化が可能
Xiaomi 12S Ultraは4860mAhの第2世代シリコン酸素負極電池を搭載しており、67W急速充電に対応しています。
残念ながら120W急速充電との両立はできなかったようです。
対応バンドは
- 5G:n1 / n3 / n5 / n8 / n28a / n38 / n40 / n41 / n77 / n78 / n79
- 4G:FDD-LTE:B1 / B2 / B3 / B4 / B5 / B7 / B8 / B12 / B17 / B18 / B19 / B26
- TDD-LTE:B34 / B38 / B39 / B40 / B41 / B42
- 3G:WCDMA:B1 / B2 / B4 / B5 / B6 / B8 / B19
- 2G:GSM:B2 / B3 / B5 / B8
- CDMA 1X:BC0
と幅広く、Y! mobileやSoftBank、LINEMOといったSoftBank系の回線はもちろん楽天モバイルでもauパートナーエリア含め利用可能で、ahamo、
IIJmioやOCN モバイル ONEなどのdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。
初期状態ではVoLTEが無効になっていますが、電話アプリで*#*#86583#*#*とダイヤルすることでVoLTEを有効化できます。
すべての8 Gen 1搭載スマホを過去にする8+ Gen 1
Xiaomi 12S Ultraが搭載しているSnapdragon 8+ Gen 1は、「+」では収まらないレベルの性能改善が行われています。
元々QualcommはGPUが強く各ゲームの最適化もされていることが多かったため、Adreno 730 GPUにTSMC 4nmプロセスのCPU、さらに12S Ultraで搭載された葉脈コールドポンプ冷却技術が組み合わさることでMediaTek Dimensity 9000をも超えるレベルの性能と省電力の両立が実現されています。
Xiaomi 12S Ultraには初期状態で使われるバランスモードとパフォーマンスモードがあります。通常利用での結果の方が普段使いにおいては大事なので、ベンチマークはバランスモードで計測しています。
Geekbench 5ではシングルコア1294、マルチコア4253です。
シングルコア・マルチコアどちらもDimensity 9000を超えています。
パッケージ名を原神に偽装したバージョンでも大きな差がないため、パッケージ名判定でのスロットリングは行わないように変更されたようです。
3DMark Wild Life Stress Testではスコア10389で、温度上昇は32℃→44℃ (12℃上昇)、22~77 FPSでした。
これもSnapdragon 8 Gen 1やDimensity 9000超えですが、CPUに比べると変化が小さめです。
やはりCPUがSamsung製からTSMC製に変わったことが一番大きく影響している、ということでしょう。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0ではスコア13276でした。
LPDDR5メモリ・UFS 3.1ストレージ搭載で、シーケンシャルライトが特に速めです。
バランスモードとパフォーマンスモードで動きがかなり変わります。
まずはバランスモードで原神を最高画質・60FPS設定でプレイしてWeTest PerfDogで計測すると、平均45.8FPSで1FPSあたり89.4mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大でも38℃程度までしか上昇せず、サイドフレームもそれほど熱くならないので快適でした。
そこそこのFPSを維持しつつ温度を上げずに長くプレイしたい場合はバランスモードが良さそうです。
次にパフォーマンスモードで原神を最高画質・60FPS設定でプレイしてWeTest PerfDogで計測すると、なんと平均58.8FPSで1FPSあたり82.5mWの消費電力でした。
MediaTek Dimensity 9000搭載スマホでもここまでのFPSを維持できることはありませんでしたし、計測した中で効率が良かったvivo X80でも平均50.9FPS・108.42mWだったため、描画性能でも省電力性でもDimensity 9000を超える結果となっています。
もちろんDimensity 9000にフレームレートの安定性で劣るSnapdragon 8 Gen 1とも大きな開きがあり、もはや8 Gen 1搭載ゲーミングスマホを最強スマホなどと言っている人はホラ吹きになってしまいます。
Androidスマホ ベンチマーク結果まとめ。CPU・メモリ・ストレージ性能・タッチレイテンシー一覧 – AndroPlus
温度も最大で41℃ほどで持てないほどの熱さではなく、どちらかというと背面よりもディスプレイ面のほうが熱い状態でした。(レザーの熱伝導率のせいかもしれません)
室温29℃ほどの部屋での結果なので、他の8 Gen 1搭載スマホを計測した冬の時期より過酷な条件でこの結果というのは素晴らしいです。
Xiaomi 12S Ultraがすごいのは原神だけの話ではありません。
ヨーロッパ製のゲームWorld of Tanks Blitzでは、120FPS設定・グラフィック設定すべて最高値でのプレイで平均121.3FPS (!?) で1FPSあたり45.33mWの消費電力でした。
30FPS固定のメニュー以外はグラフでも120FPS台から落ちている場面がほとんどなく、とてつもない滑らかな表示でプレイできました。
低ければ低いほど良いスムーズ度はなんと0.0、ジャンクも0で、こんな結果は8 Gen 1でもDimensity 9000でも見られませんでした。
Dimensity 9000のように中国製ゲームだけに最適化されているわけではなく、あらゆるゲームで高い性能を発揮できるということになります。
120FPSでのプレイ時は大きな負荷がかかるものですが、温度は最大で41℃でした。
OSは英語のみ
残念ながらXiaomi 12S Ultraは中国国外での正式販売の予定はありません。
そのため中国版では中国語か英語かしかメニューからは選べないようになっています。
MIUIバージョンを7回連打してDeveloper optionsを出してAdditional settingsで開き、USB debugging、USB debugging (Security)を有効にした上でPCでadb shell settings put system system_locales ja-JP
を実行して再起動することで日本語設定にできます。
システムはカメラアプリ等を除き英語のままですが、Playストアからインストールしたアプリなどは日本語になります。
フォントについてはテーマストアでMejiro・McMejiro・Robotoなどをインストールすれば日本語フォントになります。
中国版Xiaomiスマホ向けのXiaomi․eu・グローバル版ROMがないなら自分で日本語化すれば良いじゃない – AndroPlus
Google PlayストアはAPKMirrorなどからダウンロードしてこないといけませんが、特に面倒な設定は必要なくファイルアプリでインストールするだけで使い始められます。
まとめ
- 圧倒的な高性能&省電力の8+ Gen 1
- Leicaコラボの1インチセンサーカメラ
- 48MPペリスコープ望遠レンズ
- 120Hzリフレッシュレート対応WQHD+
- 鮮やかなSamsung製 E5 AMOLED
- 側面ステレオスピーカー (ただし左右非対称)
- IP68防水防塵
- 重い
- カメラ周りの出っ張りが大きすぎる
- 写真撮影時に緑などが強く出過ぎる場合がある
Xiaomi 12S Ultraは現時点で販売されている8 Gen 1搭載ゲーミングスマホをも上回る高い性能を低い消費電力で実現しています。
同じTSMC製だったMediaTek Dimensity 9000の弱点である「一部のゲームでしか性能を発揮できない」という点もSnapdragon 8+ Gen 1では解決していますし、Snapdragon 8+ Gen 1一強時代の幕開けと言っても過言ではないでしょう。
Leicaとコラボした割にはカメラの調整がまだ追いついていないのが少し残念ですが、基本的にはオートで撮るだけで雰囲気のある写真撮影ができ、ペリスコープ望遠レンズのおかげで遠くのものでもはっきり撮影できます。
ハイエンドスマホ選びで悩んだらXiaomi 12S Ultraを選べばまず間違いありません。
Xiaomi 12S Ultraは5999CNY~で販売されています。
カメラ性能はそこまで求めていない、という場合はXiaomi 12S・Xiaomi 12S Proがおすすめです。
特にXiaomi 12Sは比較的コンパクトかつ軽量です。