評価: 5
Xiaomi 12T グローバル版をいただきました。
8100-Ultra搭載でちょうどいい高性能
Xiaomi 12TはMediaTek Dimensity 8100-Ultraを搭載したスマートフォンです。
Dimensity 8100-UltraはTSMC 5nmプロセスを採用しており、Snapdragon 888並のGPU性能と8+ Gen 1並の省電力性能を兼ね備えています。
ミドルハイ機種でありつつも、108MPカメラ・120W急速充電・120Hzリフレッシュレート対応1.5K解像度ディスプレイを搭載するなど普段使いに役立つ機能が盛りだくさんです。
なお、認証情報はグローバル版である22071212AGの1種類しか用意されておらず内部的に日本版の存在を示す情報はなかったため、おそらく日本で正式に発売されることはないと思います。
このレビューはバージョン13.0.6.0.SLQEUXM、8GB+256GB版で行っています。
- 1.5Kディスプレイ
- 120Hzリフレッシュレート対応AMOLED
- 比較的省電力なMediaTek Dimensity 8100-Ultra
- 120W急速充電対応5000mAhバッテリー
- ステレオスピーカー搭載
- 夜景撮影には弱め
- 12S Ultraよりは発熱対策が弱い
- 12GBメモリ版がない
Xiaomi 12T 22071212AG | |
---|---|
OS | Android 12 |
RAM | 8GB LPDDR5 |
ストレージ | 128GB / 256GB UFS 3.1 |
プロセッサ | MediaTek Dimensity 8100-Ultra |
ディスプレイ | 6.67インチ 2712 × 1220 アスペクト比 20.01:9 120Hzリフレッシュレート AMOLED |
サイズ | 163.1 x 75.9 x 8.6mm |
重さ | 202g (実測205.6g) |
SIM | nano SIM + nano SIM |
メインカメラ | 108MP (Samsung S5KHM6) + 8MP (超広角 Samsung S5K4H7) + 2MP (マクロ GalaxyCore GC02M1) |
フロントカメラ | 20MP (Sony IMX596) |
バッテリー | 5000mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 2.0) |
バンド | 5G: n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38/n40/n41/n66/n77/n78 4G: LTE FDD: B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17//18/19/20/26/28/32/66 4G: LTE TDD: B38/40/41 3G: WCDMA: B1/2/4/5/6/8/19 2G: GSM: 850 900 1800 1900 MHz |
目次
付属品は保護ケース、120W充電器、USB Type-A to Cケーブル、説明書等です。
保護フィルムは最初から貼り付けられています。
なお、日本向け120W充電器は楽天市場で販売されています。
Xiaomi初の1.5Kディスプレイ搭載スマホ
これまでのXiaomiスマホはFHDもしくは2K解像度のものが多かったですが、Xiaomi 12Tはその中間となる1.5K解像度となっています。
FHDより高精細で、2Kよりは消費電力を抑えられます。
フラットディスプレイで画面の端まで見やすく、中央パンチホールは小さく邪魔になりません。
ダイヤモンドピクセル配列です。
明るさ自動調整オンでのHDR動画再生時に最大875nitに達しました。
WALT Latency Timerで計測したタッチ遅延はタッチからカーネルが8.3ms、カーネルからJavaが3.7ms、画面描画が28.0msで合計40msでした。
MediaTek SoC搭載端末は画面描画で大きな遅延が発生することが多いのですが、Xiaomi 12S Ultraと遜色ないレベルに抑えられています。
Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。
心拍数も測れる画面内指紋認証センサー搭載
Xiaomi 12Tは画面内指紋認証センサーを搭載しており、そこそこ素早い認証が可能です。
顔認証とも併用できます。
また、心拍数を計測することもできます。
15秒間触れ続けないといけないので実用性は微妙なところですが、運動中に気になった場合などには目安として使えそうです。
指紋が残りにくい背面
Xiaomi 12Tの背面はさらさらとしていて、指紋が付きにくいです。
重さは最初から貼られている保護フィルム込みで205.6gです。
108MPカメラ搭載
Xiaomi 12Tは108MPのSamsung S5KHM6をメインカメラとしたトリプルカメラ構成です。
Xiaomi 12シリーズ等と同じくシャッター間隔が短く、連打すると保存の待ち時間がほぼなく連写できます。
シャッターボタンを押しながら左右 (もしくは上下) どちらかにスライドすることで自動連写できます。
撮影した写真はこちらに保存しています。
彩度はあまり極端な強調はされておらず、赤とマゼンタの区別が付きやすいです。
1x、0.6x、2xの順に撮影してみました。
0.6xだと8MPの超広角カメラを使うため、細部が潰れてしまっています。
強い光源に向けた際はフレア・ゴーストが出やすいです。
動画では1080p@60fps・4K@30fpsまでの撮影が可能です。
残念ながらOIS 光学式手ぶれ補正は非搭載で、EIS 電子式手ぶれ補正は利用できます。
手ぶれ補正を有効化した1080p@30fps撮影ではほんの少しですがブレが少なくなっています。
ステレオスピーカー搭載
Xiaomi 12TはDolby Atmos対応のステレオスピーカーを搭載しています。
どちらかというと低音より高音の方が強めで、ハイハットなどの音がクリアに聞こえました。
WALT Latency Timerでオーディオ出力遅延を計測すると126.6msでした。
25分で満充電できる120W急速充電対応5000mAhバッテリー
Xiaomi 12Tは5000mAhバッテリーを搭載しており、120W急速充電に対応しています。
大容量と急速充電を両立しているのは良いですね。
ブーストしている状態では最大98Wほどで充電され、50%以上で一旦30W台に抑えられてその後40W台に徐々に上昇していきます。
10%→100%を約25分で充電できました。
充電ブースト設定をしていない場合は20%台になるまでは45~90Wで充電するものの、それ以降は30W程度に抑えられます。
日本キャリアのVoLTEに一部対応
Xiaomi 12Tの対応バンドは
- 5G: n1/n3/n5/n7/n8/n20/n28/n38/n40/n41/n66/n77/n78
- 4G: LTE FDD: B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17//18/19/20/26/28/32/66
- 4G: LTE TDD: B38/40/41
- 3G: WCDMA: B1/2/4/5/6/8/19
- 2G: GSM: 850 900 1800 1900 MHz
で、4GだとY! mobileやSoftBank、LINEMOといったSoftBank系の回線はもちろん楽天モバイルでもauパートナーエリア含め利用可能で、ahamo、
IIJmioやOCN モバイル ONEなどのdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。
日本ではn79での5Gを使えないことは人によってはマイナス要素です。
SoftBankと楽天モバイル回線では*#*#86583#*#*
をダイヤルしなくてもVoLTEを利用できました。
ただ、au回線であるpovo 2.0では何故かVoLTEがオンになりませんでした。
VoLTE設定は出ているのですが…。
ボタン類は右側面に集中
Xiaomi 12Tの左側面には何もありません。
電源ボタンや音量ボタンはすべて右側面にあります。
フレーム部分はプラスチックで、発熱したときでもあまり熱が伝わりにくいです。
CPU性能は低めだがGPUは888並
Xiaomi 12Tが搭載しているMediaTek Dimensity 8100-Ultraは、CPU性能はSnapdragon 870より少し劣る程度ですがGPU性能はSnapdragon 888と同じぐらいとなっています。
アプリの重たい処理ではGPUを使うことが多いので、必要十分なCPU性能にしつつ強いGPUでサポートする、というのは理に適っています。
ただメモリが8GB版しかないので、MIUIのタスクキラーも相まって重たいゲームとバックグラウンドアプリの両立が難しい場合があります。
Geekbench 5では原神偽装版でシングルコア753・マルチコア2990、通常版でシングルコア922・マルチコア3007です。
パッケージ名でのスロットリングを行っており、シングルコアについてはその影響が大きいようです。
ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0ではスコア13624でした。
Snapdragon 8 Gen 1 / 8+ Gen 1搭載スマホに迫るスコアです。
3DMark Wild Life Stress Testではスコア5900で、温度上昇は30℃→47℃ (17℃上昇)、25~43 FPSでバッテリー消費は10%でした。
安定度は99.6%とかなり安定しており、温度上昇も緩やかで素晴らしいです。
ストレージはUFS 3.1で、特にシーケンシャルリード・ライトが速めです。
GAME TURBOではパフォーマンス設定ができるため、ゲーム性能はパフォーマンスモードで計測します。
GAME TURBOではFPS表示もあるものの、動きがないロード画面で120FPSと出ていることから分かるように「GAME TURBOメニュー自体のFPS」を表示してしまうので意味がありません。
原神を最高画質・60FPS設定でプレイしてWeTest PerfDog (AndroPlusをみたとチャットやwetest@wetest.net宛で伝えると20%オフで利用権を購入できます) で計測すると、平均57.7FPSで1FPSあたり100.76mWの消費電力でした。
バッテリー温度は最大で45℃程度まで上昇しましたが、サイドフレームはそれほど熱くなりませんでした。
温度上昇によるスロットリングが起きたのか、15分を過ぎたあたりで30FPSに低下してしまう場面がありました。
Snapdragon 8+ Gen 1に近いフレームレートと省電力性ではあるものの、全力で動かし続けるには発熱対策が少し足りていないようです。
World of Tanks Blitzでは、120FPS設定・グラフィック設定すべて最高値でのプレイしたところ平均111.1FPSで、1FPSあたり41.45mWの消費電力でした。
Dimensity 8100搭載のrealme GT Neo 3 150Wだとフレームレートが落ちやすかったのですが、8100-Ultra搭載のXiaomi 12TではSnapdragonスマホと遜色ないレベルです。
温度は37.9℃まで上昇しました。
MIUI 13.0・Android 12搭載
Xiaomi 12TはAndroid 12ベースのMIUI 13.0を搭載しています。
Xiaomi Pad 5など既存のグローバル版端末ではMIUI 13.1の配信が始まっているのですが、Xiaomi 12TはMIUI 13.1プリインストールとはなりませんでした。
「コントロールセンターのスタイル」はMIUI 13.1では完全に削除されましたが、MIUI 13.0搭載のおかげで使えました。
ジェスチャー設定でダブルタップで画面オン、スクリーンショットジェスチャーなどをオンにできます。
13.0.6.0.SLQEUXMの時点では音量ボタンと電源ボタンでのスクリーンショット撮影が何故かできませんでした。
まとめ
- 1.5Kディスプレイ
- 120Hzリフレッシュレート対応AMOLED
- 比較的省電力なMediaTek Dimensity 8100-Ultra
- 120W急速充電対応5000mAhバッテリー
- ステレオスピーカー搭載
- 夜景撮影には弱め
- 12S Ultraよりは発熱対策が弱い
- 12GBメモリ版がない
Xiaomi 12TはTSMC 5nmプロセスのMediaTek Dimensity 8100-Ultraのおかげで高い性能を出しつつも消費電力が抑えられており、バッテリー持ちも良いです。
バッテリーがなくなっても120W急速充電のおかげで30分と経たずに充電を終えられます。
カメラの夜景性能が少し低いことぐらいしか大きなマイナスポイントがなく、優等生なミドルハイスマホです。
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