Redmi K50 Proレビュー。大躍進のMediaTek Dimensity 9000搭載、原神を平均55FPSで遊べるパワフル格安機

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背面

評価: 4.5

Xiaomi Redmi K50 Proを購入しました。

Snapdragon 8 Gen 1を超えるCPU性能

Redmi K50 ProはMediaTek Dimensity 9000を搭載したスマートフォンです。

これまでのMediaTek SoCといえば「性能が出ない安物」でしかありませんでしたが、今回はなんとSnapdragon 8 Gen 1をも超えるCPU性能となっており、最高画質の原神を平均55FPSで遊べるほどのパワフルさです。

PC向けCPUでIntelが怠けているうちにAMDが追いつき追い越してきた、というのと同じような現象が起きています。

Redmi K50 Proは120Wでの超高速な充電が可能で、120Hzリフレッシュレート対応のSamsung製AMOLEDを搭載しており、カメラ以外の普段使いやゲーム性能を重視している人にぴったりです。

このレビューはV13.0.9.0.SLKCNXMバージョン、8GB+128GB版で行っています。

  • 120Hzリフレッシュレート対応WQHD+
  • 鮮やかなSamsung製AMOLED
  • 120W充電で10%→100%がたった20分
  • Dimensity 9000搭載で8 Gen 1より高いCPU性能
  • カメラ性能は当然ながら高くない
  • バランスモードでは告知なしに性能が制限される
  • ステレオスピーカーだが低音が弱め
Redmi K50 Pro 22011211C
OS Android 12
RAM 8GB/12GB LPDDR5
ストレージ 128GB / 256GB / 512GB UFS 3.1
プロセッサ MediaTek Dimensity 9000
ディスプレイ 6.67インチ WQHD+ 120Hz AMOLED
サイズ 163.1 x 76.15 x 8.48mm
重さ 201g
SIM nano SIM + nano SIM
メインカメラ 108MP (Samsung s5khm2)
+ 8MP (超広角 Samsung s5k4h7)
+ 2MP (マクロ GalaxyCore gc02m1)
フロントカメラ 20MP (SONY IMX596)
バッテリー 5000mAh
USB端子 USB Type-C (USB 2.0)
バンド 5G :n1/ n3/ n5/ n8/ n28a/ n38/ n40/ n41/ n77/ n78
4G:FDD-LTE :B1/ B2/ B3/ B4/ B5/ B7/ B8/ B18/ B19/ B26
TDD-LTE:B34/ B38/ B39/ B40/ B41/ B42
3G:WCDMA:B1/ B2/ B4/ B5/ B6/ B8/ B19
CDMA EVDO : BC0
2G:GSM:B2/ B3/ B5/ B8
CDMA 1X : BC0

箱

やたらと120W・2Kを強調する箱に入っている付属品は透明保護ケース、120W充電器、専用USB Type-A to Cケーブル、説明書等です。

Redmiのマスコットキャラクターの恐竜も書かれています。

付属品

100Vでも120W充電できるタイプのようです。

USB Type-AポートしかないのにUSB PD対応という謎仕様で、USB PDでは最大20V/3.25A = 65W充電が可能です。

規格外なのであまりXiaomi製品以外に使わない方が良さそうですが…。

充電器

フラットなSamsung製2K解像度AMOLEDディスプレイ

Redmi K50 ProはWQHD+解像度のAMOLEDディスプレイを搭載しています。(設定でFHD+に変更可能)

格安機であるRedmiシリーズでもついに2K解像度が普通に採用されるようになるとは驚きです。

発色が良く、視野角も十分です。

直角に立てて画面を上から見下ろすような角度だとさすがに少し青白くなりますが、そんな角度から見る人が画質にこだわっているはずがないので問題ないでしょう。

表示領域はフラットなため、光の反射で端が見にくくなることがありません。

ディスプレイ

Samsung (ID 38) 製で、ダイヤモンド配列です。

Samsung

ミヤビックスさんに保護フィルムを作成していただきました。

OverLay Plusだと反射がかなり抑えられ、指紋も残りにくく指滑りも良いです。

Widevine L1で、Amazonプライムビデオ (ベータ版) などでHD画質でのストリーミング再生ができます。

Widevine

タッチ・レイテンシ(ms)の測定アプリでの計測結果は平均43.4msでした。

タッチレイレンシー

ぱっと見割れているように見える背面デザイン

Redmi K50 Pro 墨羽カラーでは、背面が隕石をモチーフとしたデザインになっています。

…ただ、特に屋外で太陽光に当てると反射して、ガラスが割れているようにしか見えません。屋内だと黒い結晶のようでクールなのですが…。

Redmi K40シリーズだとダマスカス鋼モチーフで格好良かったので、今回の墨羽のデザインは個人的には残念でした。

IP53防水です。

背面

重さは保護フィルム込みで207.6gでした。

重さ

Redmi Note 11 Pro+ 5Gと同じカメラ

Redmi K50 Proのカメラは実はRedmi Note 11 Pro+ 5Gと同じ構成で、108MP (Samsung s5khm2) + 8MP (超広角 Samsung s5k4h7) + 2MP (マクロ GalaxyCore gc02m1)のトリプルカメラです。

OIS 光学式手ぶれ補正対応なので手ぶれに強めなものの、Redmiシリーズはカメラに関するコストを特に抑えることで価格を下げているため、カメラ性能に期待してはいけません。

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カメラ

撮影した写真はこちらに保存しています。

あまり彩度を高めすぎない調整になっているようです。

色

明るい場所だと白飛びしてしまいやすいように感じました。

白飛び

夜景は肉眼と同じ程度の暗さでしか撮影できません。

LED周辺の部分が見えているだけマシですが、夜景撮影向きではないと思います。

夜景

ステレオスピーカー搭載

Redmi K50 Proはステレオスピーカーを搭載しており、上部と下部それぞれにスピーカーを搭載しています。

ただ位置的には左右対称ではありません。

ステレオスピーカー

どちらかというと高音のほうが強く出ており、低音は少し聞こえにくかったです。

迫力ある低音を求めている場合はRedmi K50Gのほうが良いと思います。

吸音マットで囲んで約30cm離れたところからminiDSP UMIK-1で計測した周波数特性は以下の通りです。

周波数特性

VoLTEも利用可能

Redmi K50 Proの対応バンドは

  • 5G :n1/ n3/ n5/ n8/ n28a/ n38/ n40/ n41/ n77/ n78
  • 4G:FDD-LTE :B1/ B2/ B3/ B4/ B5/ B7/ B8/ B18/ B19/ B26
  • TDD-LTE:B34/ B38/ B39/ B40/ B41/ B42
  • 3G:WCDMA:B1/ B2/ B4/ B5/ B6/ B8/ B19
  • CDMA EVDO : BC0
  • 2G:GSM:B2/ B3/ B5/ B8
  • CDMA 1X : BC0

Y! mobileSoftBankLINEMOといったSoftBank系の回線はもちろん楽天モバイルでもauパートナーエリア含め利用可能で、ahamoIIJmioOCN モバイル ONEなどのdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。

今のところK50 Proのグローバル版についての情報は得られていないですが、Redmi K40Sのグローバル版POCO F4ではLTE B19など一部バンドが削られているらしいとの情報を得ているので、POCO F4 Proとしてグローバル展開される時は同様に削られるかもしれません。

USB Type-C

Xiaomiスマホでは電話アプリで「*#*#86583#*#*」と打ち込むだけでVoLTEを有効化できます。

au回線のpovo等では特に問題なくVoLTE通話を確認できたのですが、楽天モバイルの場合は何故かそれをやってもVoLTEが有効になりませんでした。

VoLTE

*#*#3646633#*#*でEngineerModeを開き、Misc Feature Config内の「hVolte」の項目で「hVolte」を選択するとVoLTEが有効になりました。

hVoLTE

たった20分で10%→100%充電できる120W充電

Redmi K50 Proが対応している120W急速充電では、10%から100%までたったの20分で充電が完了しました。

寝ている間に充電するのではなく、朝起きて挿しておけば身支度している間に満充電できるという優れものです。

温度上昇は最大45.4℃ほどで少し熱めですが、100%まで充電されれば5分ほどで35℃まで冷めました。

充電

120Wがフルに出るのは残量が少ないときだけで、20~49%の間は90W程度になり50%ほどで70Wに制御されます。

94W

なお、120W急速充電はオフにすることもできます。

ブースト

MATECH Sonicharge 100W Proのような一般的なUSB PD・PPS充電器でも通常25W程度での急速充電はできたので、最高速度を求めなければ専用充電器を使わなくても良いという所も素晴らしいです。

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サイドに指紋認証センサー搭載

最近の有機ELディスプレイ搭載スマホとしては珍しく、サイドに指紋認証センサーが搭載されています。

指紋認証センサー

認証速度は高速です。

同じ指でも登録していない部分だとちゃんと弾かれますし、精度もそれなりに良いのだと思います。

指紋認証するタイミングは電源ボタンを押したとき、触ったときのどちらにするか選べます。

顔認証とも併用できます。

指紋認証

原神を平均55FPSで遊べるが設定の必要あり

Redmi K50 Proが搭載しているMediaTek Dimensity 9000は、TSMC 4nm 製造プロセスを採用しておりSnapdragon 8 Gen 1をも超えるCPU性能を誇っています。

かつてはハイエンドSoCといえばSnapdragon一強でしたが、もはやMediaTekも無視できない存在となってきました。

 

ただ、そんなDimensity 9000のフルパワーはデフォルトではXiaomiによって制限されてしまっています。

特に何も説明はされていないのですが、バッテリーで「Performance」を選んでいない場合、「ベンチマークアプリ以外では」パフォーマンスが制限されます。

「Performance」を選ぶと制限が解除されます。

制限を解除するだけで、CPUクロックが上限に張り付くなどの余計な挙動はしないようです。

バッテリー

ベンチマークアプリでは「Balanced」を選んでいても制限されていない性能が出るというのが厄介なところで、多少知識をかじった程度の一般人だと「AnTuTuで100万点出た!(だから普段使いでも高性能なはずだ)」と騙されてしまいます。

通常のGeekbenchだとシングルコア1242・マルチコア4197だったところ、パッケージ名を通販アプリJD・京東のものに偽装するとシングルコア940・マルチコア3073にまで大幅に低下しました。

これはSnapdragon 870相当のスコアで、Dimensity 9000の性能を期待して買った人が何も知らずに使うと「ベンチマーク結果は良いのに、普段使いだと差を感じられない」ということになってしまいます。

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「Performance」を選ぶことで、JDに偽装したバージョンでもシングルコア1232・マルチコア4154で通常版と同等の結果になりました。

なお、原神など一部ゲームはシステムレベルで最適化されているため、パッケージ名を原神に変えるとクラッシュしてしまいました。

Geekbench

3DMark Wild Life Stress Testではスコア7997で、温度上昇は21℃→43℃ (22℃上昇)、29~58 FPSでした。

CPU性能ではSnapdragon 8 Gen 1に勝る結果でしたが、GPU性能では一歩及ばず、といったところです。

とはいえMediaTek Dimensity 1200がSnapdragon 870と同じか低いレベルだったことを考えると、かなりの大躍進です。

3DMark

ドキュメント操作など普段使いでのパフォーマンスを計測するPCMark Work 3.0ではスコア13039でした。

PCMark

UFS 3.1ストレージ、LPDDR5メモリ搭載で、特にシーケンシャルリード・ライトとメモリコピー速度は速めです。

ストレージ

前述の通り「Performance」でないと本来の性能を発揮できないため、「Performance」でゲームの動作を計測しました。

原神を最高画質・60FPS設定で動かしてWeTest PerfDogで計測すると、平均55.2FPSでした。

バッテリー温度は最大44.2℃程度まで上昇しており、背面も熱くなっていました。

ただフレームがメタルではなくプラになっているおかげで、持てないほどの熱さではありませんでした。

Snapdragon 8 Gen 1搭載のRedmi K50Gで平均51FPSだったことを考えるとかなり良い結果ですが、やはりTSMC 4nmプロセスでも発熱の問題は避けられないようです。

原神

開発者向けオプションでUSB debugging (Security)をオンにした後、adb shellで

  • settings put system peak_refresh_rate 120.001
  • settings put system min_refresh_rate 120.001
  • settings put system user_refresh_rate 1

を実行することで一部のゲームは120FPSに設定できます。

例えばWorld of Tanks (WoT) では通常60FPSしか選べないところ、120FPSにする設定が出てきます。

WoT

WoTでグラフィック最高・120FPS設定にすると、平均111.2FPSでプレイできました。(メニューは30FPSに制限されています)

一瞬画面が止まったように見える「ジャンク」はなんと0で、滑らかな表示で楽しめました。

WoT

これまでSnapdragon一強だった影響で、まだMediaTekが採用しているMaliシリーズに最適化しているゲームが少ないため、例えばウマ娘では「3Dレース表現の高品質化」をオンにした上で3人以上レースに参加させると結果画面でメモリリークが起きてフリーズし、システムUIごと落ちます。

どちらかというとゲーム側の問題ではありますが、今後MediaTek SoCでも高性能なものが出たということがゲーム開発者に知れ渡っていけば改善されるでしょう。

 

Game Turboでは画面の彩度・コントラストを高めて見やすくしたり、ネットワーク帯域を調整したりする機能が使えます。

Game Turbo

アプリは日本語化できる

Redmi K50 Proは中国版のため、中国語や英語しか選べません。

ただしUSB debugging、USB debugging (Security)を有効にした上でadb shell settings put system system_locales ja-JPを実行して再起動することで日本語設定にできます。

システムはカメラアプリ等を除き英語のままですが、Playストアからインストールしたアプリなどは日本語になります。

フォントについてはテーマストアでMejiro・McMejiro・Robotoなどをインストールすれば日本語フォントになります。

ブラウザはテーマの対象外なので中国語フォントになってしまいますが、Kiwi Browserをインストールして「滑らかな日本語フォント化」拡張機能をインストールすれば日本語フォントに変えられます。

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まとめ

  • 120Hzリフレッシュレート対応WQHD+
  • 鮮やかなSamsung製AMOLED
  • 120W充電で10%→100%がたった20分
  • Dimensity 9000搭載で8 Gen 1より高いCPU性能
  • カメラ性能は当然ながら高くない
  • バランスモードでは告知なしに性能が制限される
  • ステレオスピーカーだが低音が弱め

Redmi K50 Proはベンチマーク結果だけ良く見せかける制限があることに注意さえすれば、パワフルなMediaTek Dimensity 9000を活かして快適なゲームプレイが可能です。

120W急速充電対応のおかげでバッテリー残量のことをほとんど気にしなくて済み、高解像度なAMOLEDディスプレイで高級スマホと同じような映像体験ができます。

カメラとスピーカーが10万円クラスのスマホに比べると劣るのが残念ですが、格安な分どこかで節約しないといけないですし仕方がないと思います。

 

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root化済み・非rootそれぞれのやり方はこちらの記事を参考にしてください。