評価: 5
Banggood様よりLenovo XiaoXin Pad Pro 2021をいただきました。
目次
11.5インチ有機EL、microSDカード対応
Lenovo XiaoXin Pad Pro 2021は11.5インチ2560×1600解像度の有機ELディスプレイを搭載したAndroidタブレットです。
Snapdragon 870にLPDDR5メモリ、UFS 3.1ストレージを搭載し、USB 3.1 Gen1・DisplayPort Alt Modeに対応するなどかなりのハイエンドスペックで、競合となるXiaomi Pad 5と違ってmicroSDカードにも対応しています。
- 11.5インチ OLED
- 90Hzリフレッシュレート対応
- 高性能なSnapdragon 870搭載
- 4基のJBLスピーカー
- 8600mAhバッテリー
- USB-C映像出力・PCモード対応
- microSDカード対応
- Widevine L1・Netflix対応
- ペン・キーボード対応
- (中国版ROMで) Playプロテクト認証済み
- Wi-Fi 6ルーターとの相性問題あり (ZUI 13で解消)
- GPS非対応 (Wi-Fi・BTスキャンのみ)
- 公式グローバル版はなし
Lenovo XiaoXin Pad Pro 2021 TB-J716F | |
---|---|
OS | Android 11 |
RAM | 6GB LPDDR5 |
ストレージ | 128GB UFS 3.1 |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon 870 |
ディスプレイ | 11.5インチ 2560×1600 90Hz OLED |
サイズ | 264.28 x 171.4 x 5.8mm |
重さ | 485g (実測488.5g) |
SIM | — |
メインカメラ | 13MP |
フロントカメラ | 8MP |
バッテリー | 8600mAh |
USB端子 | USB Type-C (USB 3.1 Gen1) |
付属品は説明書、USB Type-A to Cケーブル、充電器、USB Type-C to 3.5mmイヤホンジャック変換アダプター等です。
本体に3.5mmイヤホンジャックがあればベストでしたが、変換アダプターが付いてくるのは良いですね。
鮮やかな有機ELディスプレイ
Lenovo XiaoXin Pad Pro 2021は90Hzリフレッシュレート対応の有機ELディスプレイを搭載しており、やはりIPSディスプレイのXiaomi Pad 5などと比べると発色が良いです。
ダブルタップで画面オンに対応しています。
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RGB-Delta配列で大画面なこともあり263ppiと画素密度が低めなため、画面に近づいてみるとDiamond Pixel配列のスマホより若干にじんだような表示に見えることがあります。
ただ、少し離れれば気にならない程度なので普段使いには問題ないでしょう。
ミヤビックスさんにアンチグレア保護フィルムを作成していただきました。
OverLay Plusを貼ると映り込みを大幅に低減でき、指滑りもさらさらで指紋が付きにくいため快適に使えます。
メタリックな背面
背面はLenovoのタブレットに共通したツートンスタイルで、メタリックです。
カメラが若干出っ張っているのが少し残念ですが、シンプルでLenovoロゴの主張も激しくなく良い感じです。
バーコードのシールは剥がせますが、少しノリが強めでした。
microSDカードで容量追加できる
側面にスロットがあり、microSDカードを入れられるようになっています。テストされている範囲では1TBまで使えているそうです。
ライバルとなるXiaomi Pad 5はmicroSDカード非対応ですし、動画や音楽などを大量に入れたい人にはXiaoXin Pad Pro 2021のほうが良いですね。
高速な指紋認証センサー
XiaoXin Pad Pro 2021の指紋認証センサーは電源ボタンと兼用のタイプです。
タブレットにありがちな「おまけ」ではなく、ちゃんと高速なものが搭載されています。
認識するのは電源ボタンに指を乗せたときで、顔認証と併用することもできます。
高速データ転送や映像出力もできるフル機能USB Type-Cポート
XiaoXin Pad Pro 2021のUSB Type-CポートはUSB 3.1 Gen1・DisplayPort Alt Modeに対応しています。
データ転送も高速に行えますし、安さだけを追求したXiaomi Pad 5と違ってLenovoは普段使いでの快適さも重視していることがうかがえます。
バッテリーは8600mAhで独自らしき20W急速充電対応ですが、USB PD充電器でも約18Wの急速充電が行えました。
映像をミラーリング出力できるので、より大画面で楽しみたいときに便利です。
さらにアプリをマルチウィンドウで使いやすいPCモードもあり、キーボードやマウスを繋げればまるでPCのように使えます。
残念ながら一部のゲームアプリなどはPCモードで動かないことがあるようです。
4基のJBLスピーカー搭載
XiaoXin Pad Pro 2021は4基のスピーカーを搭載しており、JBLによりチューニングされています。
高音が少し弱い反面、低音やボーカルはしっかり出ており音量も大きめです。
Dolby Atmosに対応しており、音楽モードにすればさらに低音・高音が強めに調整されます。
あまり中華スマホで見かけないタイプのドルビーサウンドで、トーンやイコライザー調整もできます。
下部にはキーボードケースをドッキングするためのポゴピンがあります。
マグネットなので、磁力に弱いものは近づけないほうが良いでしょう。
重さは488.5gでした。
Banggoodでは謎のグローバル版ROM入り
Banggoodで販売されているXiaoXin Pad Pro 2021には、Lenovo Tab P11 ProのROMを改変したと思われるグローバル版ROMが搭載されています。
改変ROMなのでアップデートは受けられず、Bootloader UnlockされているためWidevine L3でPlayプロテクト認証も通りません。
日本語が選べるのは良いですがWidevine L3ではせっかくの大画面を有効活用できないので、オリジナルの中国版ROMを焼き直すことにしました。
中国版ROMであればWidevine L1でPlayプロテクト認証済みになり、ネットフリックスもPlayストアから普通にインストールできます。
グローバル版ROMはこちらに保存してあります。(QFIL非対応、端末固有のパーティションも含んでいます)
Lenovo製品はQPST/QFILでROM焼きできるので、文鎮化耐性がかなり高いです。グローバル版が出れば、中国版本体にグローバル版ROMを焼いてしまうこともできます。
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前提条件:
- QPST 2.7.472以降をインストール
- ドライバーもインストール
- 設定でビルド番号を7回タップして開発者向けオプションを出し、USBデバッグを有効化
- adb・fastbootをセットアップ
(接続時にPCのデバイスマネージャーで⚠アイコンが出ていればドライバーの更新→コンピューターを参照~→コンピューター上の~でAndroid Bootloader Deviceを選択) - (念のため) 開発者向けオプションでOEM ロック解除をオンにする
- ⚠完全文鎮化する可能性がないとは言い切れません。(書き込み途中でエラーが起きるなど) fastbootコマンド等の前提知識があり、リスクを受け入れられる方だけ実行してください。
手順:
- このページからROMをダウンロード
- Cドライブ直下にフォルダを作り、ZIPの中身を展開する
- QFILを開き、Configurationを押す
- Device TypeをUFSにして、「Reset After Download」にチェックを入れてOKを押す
- Load Contentを押し、2.で展開したcontents.xmlを選ぶ
- コマンドプロンプトで
adb reboot edl
を実行する (もしくは電源オフでケーブルを外した状態で、音量キー上を押しながらUSB接続) - SelectPort…を押して表示されているものを選ぶ
- Download Contentが青くなったらすぐに押す
- しばらくすると書き込み完了し再起動する
(fastbootモードから進めなくなった場合はコマンドプロンプトでfastboot set_active a
を実行する) - (L3のままになっている場合) Bootloader Lockedに戻らないことがあるようなので、
fastboot flashing lock
を実行してLockedにする
なお、fastboot set_active a
コマンドはBootloader Unlock状態でないと実行できないようです。
Bootloader Unlockするには認証が必要なため本体裏面の[S/N]を確認し、こちらのサイトでLenovo平板→序列号にS/Nを、E-mailと画像認証を入力して利用規約にチェックを入れて提交申请を押してください。なお、シリアルナンバーはXiaoXin Padをネット接続してからしばらく経たないと認識されないので、エラーが出たら半日ほど待ってやり直してください。
メールが来なければ「临时邮箱」で検索して中国系サービスで捨てメールアドレスを取得してください。
届いたメール内リンクからsn.imgをダウンロードしadb reboot bootloader
でBootloaderへ再起動した後、fastboot flash unlock sn.img
とfastboot oem unlock-go
を実行すればBootloader Unlockされます。
中国版では英語しか言語を選べませんが、adb shell settings put system system_locales ja-JP
コマンドで日本語設定にできます。(再起動で反映されます)
比較的AOSPに近いUIで、タスクキルもそれほど強くありません。
ただ、中国国内向けに調整されているためかWi-Fi 6ルーターとの相性問題が発生することがあるようで、ASUS RT-AX82UでWi-Fi 6を有効にしたアクセスポイントだと接続ができませんでした。(Wi-Fi 6を無効化すれば接続できました)
【12/02追記】ZUI 13アップデートでWi-Fi 6ルーターとの相性問題が改善されました!問題なくWi-Fi 6のアクセスポイントとリンク速度1200Mbpsで接続できます。
Playストアは別途インストールする必要があります。
Playプロテクト認証済みでWidevine L1になり、Amazonプライムビデオ (ベータ版) やNetflixでHD画質のストリーミング再生ができることを確認しました。
高性能なSnapdragon 870 + LPDDR5メモリ + UFS 3.1ストレージ
XiaoXin Pad Pro 2021は性能と発熱のバランスが良いSnapdragon 870を搭載しており、Androidタブレットとしては最高峰の性能を持っています。
3DMark Wild Life Stress Testではスコア4324→4305、17~32FPSと高水準で安定しています。
放熱性が良いことも影響して、ブラウザ操作など普段使いでの快適さを測るPCMark Work 3.0ではスコア12399で、Snapdragon 888スマホを超えるほどです。
Androidスマホ ベンチマーク結果まとめ。CPU・メモリ・ストレージ性能一覧 – AndroPlus
Geekbench 5ではシングルコア966・マルチコア3184でした。
ストレージはUFS 3.1、メモリはLPDDR5と現状では最高レベルの規格を採用しているおかげで読み書きが高速で、特にランダムリード・ライトが他社ハイエンドスマホと比べても速めです。
これだけあれば数年経っても快適に使えると思います。
原神を最高画質・60FPS設定と最高負荷で動かすと、中央値 58FPSの滑らかな動作でした。(プロ向けベンチマークソフトGameBench Proにて計測しています)
ほぼ60FPSで安定性も96%とかなり高く、プレイしていてカクついているように感じることはほとんどありませんでした。
画面が広すぎて操作が難しくなることもありますが、高いパフォーマンスを維持できるのは素晴らしいです。
充電しながらのプレイでもガクガクとすることがなく、充電を残量40~60%の範囲に抑える機能もあるのでバッテリー切れを気にせずプレイすることもできます。
まとめ
- 11.5インチ OLED
- 90Hzリフレッシュレート対応
- 高性能なSnapdragon 870搭載
- 4基のJBLスピーカー
- 8600mAhバッテリー
- USB-C映像出力・PCモード対応
- microSDカード対応
- Widevine L1・Netflix対応
- ペン・キーボード対応
- (中国版ROMで) Playプロテクト認証済み
- Wi-Fi 6ルーターとの相性問題あり (ZUI 13で解消)
- GPS非対応 (Wi-Fi・BTスキャンのみ)
- 公式グローバル版はなし
Androidタブレットといえば低性能なものが多い中、XiaoXin Pad Pro 2021はハイエンドスマホさながらの90Hzリフレッシュレート対応有機ELディスプレイにSnapdragon 870、LPDDR5メモリ・UFS 3.1ストレージを搭載しており、かなり快適に使えます。
ライバルとなるXiaomi Pad 5と違ってmicroSDカードが使える、USB 3.1 Gen1でデータ転送が高速で映像出力できるといったアドバンテージもあり、映像を色々な方法で楽しみたい人におすすめです。