vivo X70 Pro+レビュー。夜景に強いZEISS T*コーティングカメラ搭載、発熱も少なく高性能

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評価: 4.5

vivo X70 Pro+ (X70 Pro Plus) 中国版を購入しました。

ZEISSと共同開発したカメラレンズ搭載

vivo X70 Pro+はZEISSと共同開発したZEISS T*コーティングカメラを搭載したスマートフォンです。

カメラ性能が高いだけでなくSnapdragon 888 Plus、Samsung E5 LTPO AMOLEDでWQHD+ & 120Hzリフレッシュレート対応など他スペックも最高峰です。

OSのクセ・制限がかなり強いことが唯一にして最大の欠点です。

  • 夜景に強いZEISS T*コーティングカメラ
  • Samsung E5 LTPO AMOLED
  • 120Hzリフレッシュレート対応
  • Snapdragon 888 Plus + LPDDR5 + UFS 3.1
  • 高速な画面内指紋認証
  • 55W急速充電 & 50Wワイヤレス充電対応
  • IP68防水防塵
  • 中国版でも日本語対応
  • 日本キャリアでのVoLTE使用が不可
  • バックグラウンドアプリの制限が強すぎる
  • Bootloader Unlockできない
vivo X70 Pro+ V2145A
OS Android 11
RAM 8GB/12GB LPDDR5
ストレージ 256GB/512GB UFS 3.1
プロセッサ Qualcomm Snapdragon 888 Plus
ディスプレイ 6.78インチ QHD+ 120Hz AMOLED
サイズ 164.54 x 75.21 x 8.89mm
重さ 実測211.6g
SIM nano SIM + nano SIM
メインカメラ 50MP (GN1)
+ 48MP (超広角 IMX598)
+ 12MP (ポートレート IMX663)
+ 8MP (ペリスコープ ov08a10)
フロントカメラ 32MP
バッテリー 4500mAh
USB端子 USB Type-C (USB 3.2 Gen 1、映像出力対応)
バンド 2G GSM: 850/900/1800/1900MHz
2G CDMA: BC0/BC1
3G WCDMA: B1/B2/B4/B5/B8
3G CDMA2000: BC0/BC1
4G TD-LTE: B34/B38/B39/B40/B41/B42
4G FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28/B66
5G SA: n1/n3/n5/n8/n28/n41/n77/n78/n79
5G NSA: n38/n40/n41/n77/n78/n79

vivo X70 Pro+

パッケージはなかなか高級感のある手触りで、イヤホンのほか保護ケース、66W充電器、USB Type-A to Cケーブル、説明書などが付属しています。

ハイドロゲルフィルムを貼るための保護シールも用意されています。

付属品

美しいE5 AMOLED

vivo X70 Pro+は外販向けとしては新しいSamsung E5 LTPO AMOLEDを搭載しています。

発色や視野角が良く、WQHD+解像度なのも相まってかなり美しいです。

エッジなのが残念ですが、Pixel 6 Proとあまり変わらない程度のカーブです。

保護フィルムは最初から貼られていますが、指紋が付きやすく拭き取りにくいので剥がして使った方が良いと思います。

ディスプレイ

Diamond Pixel配列です。

Diamond Pixel

120Hzリフレッシュレートに対応しており、120Hzに固定することもできます。

タッチサンプリングレートは300Hzです。Touch Sampling Rate Checkerの結果では125Hzでした。

カラーはプロフェッショナル (sRGB?)に変えたり色温度を調整したりできます。

ディスプレイ

Widevine L1です。

Widevine L1

高速な画面内指紋認証センサー搭載

vivo X70 Pro+は画面内指紋認証センサーを搭載しています。

OnePlus 9 Proなどと同じく下側に寄った配置になっています。

認証速度は問題なく、すぐロック解除してくれます。

手触りの良いレザー背面

vivo X70 Pro+の中国版ではブラックのほか、レザーを採用したオレンジとブルーが発売されています。

残念ながらブルーは512GB限定のようです。

ガラスと違って冬でも冷たくなく、グリップ力も良いですし滑らかな手触りで素晴らしいです。

背面

ガラス版のブラックより軽い…ものの、標準搭載の保護フィルム込みで211.6gでした。

211.6g

50MP GN1と48MP超広角のデュアルメインカメラ

vivo X70 Pro+は50MP (GN1) + 48MP (超広角 IMX598) + 12MP (ポートレート IMX663) + 8MP (ペリスコープ ov08a10)のクアッドカメラ構成です。

メインカメラ級のカメラが2つもあるため、通常の撮影はもちろん超広角撮影でも綺麗に撮影できます。

カメラ

vivo X70 Pro+で撮影した写真はこちらに保存しています。

最大60倍のデジタルズームができますが、ザラザラな写りなので実用的ではありません。

カメラUI

ZEISS T*コーティングがされているため、通常のレンズよりもゴースト・白飛びが起きにくくなっています。

夜間の街灯などが映り込むと通常は白く発光してしまうことが多いですが、vivo X70 Pro+だとテキトーに撮っても街灯の形が見える程度に収まっていました。

フレア

周囲が真っ暗な状況でも、まるで夕方に撮影したかのような明るさで撮影できます。

独自のV1チップのおかげで処理が早く、数秒待つだけで完了します。

夜景

超広角でも、このように50MPメインカメラとほとんど変わらないような撮影ができます。

広範囲の夜景、イルミネーションなどを撮影したいときに便利そうです。

超広角撮影

昼間の撮影でも、オートで撮るだけで良い感じにボケてくれます。

ZEISSスタイルポートレートモードを使うと玉ボケなどZEISSならではのボケ方をシミュレートすることもできます。

植物

解像感が高く、ディテールが潰れにくいように感じます。

解像感

中華スマホはやたらと彩度を上げがちですが、vivo X70 Pro+ではZEISSナチュラルカラーをオンにすることで自然な色合いで撮影できます。

以下はZEISSナチュラルカラーOFFの状態との比較ですが、OFFのほうが彩度が高くなっていることが分かります。

ZEISSナチュラルカラー

5軸のジンバルカメラという強力な光学式手ぶれ補正を搭載しているおかげで、走って揺れていてもブレがかなり軽減されています。

ただ静止画と比べると画質が微妙でパリッとした感じがなく、写真性能に比べると動画性能は凡庸という印象です。

赤外線ポート搭載、ステレオスピーカー

vivo X70 Pro+の上部には赤外線ポートがあります。

別途リモコンアプリをインストールすることでテレビやエアコンなどを操作できます。

赤外線ポート

通話用スピーカーを利用するタイプのステレオスピーカーです。

音量は十分ですが、高音があまり出ていません。

スピーカー

Dolby Atmosは非対応で、代わりにスーパーオーディオという機能が搭載されておりスピーカーではデフォルト有効です。

Hi-Fiチップも搭載しており音楽アプリで個別に有効化することもできます。

ただアナログ接続のUSB Type-Cイヤホンでないと効果が無いようで、デジタル接続だと違いが分かりませんでした。 (おそらく二重にDACを通すような形になるため)

HiFi

右側面に電源ボタンや音量ボタンがあります。

右側面

左側面には何もありません。

左側面

映像出力対応のUSB 3.2 Gen 1ポート

vivo X70 Pro+のUSB Type-CポートはUSB 3.2 Gen 1対応です。

DisplayPort Alt Modeでの映像出力にも対応しています。

高速なデータ転送ができるので、大量に写真や動画を撮影してもすぐPCへ転送できて楽です。

独自規格の55W急速充電や50Wのワイヤレス充電、10Wリバースワイヤレス充電に対応しています。

映像出力

対応バンドは豊富だがVoLTEは…

vivo X70 Pro+の対応バンドは

  • 3G WCDMA: B1/B2/B4/B5/B8
  • 3G CDMA2000: BC0/BC1
  • 4G TD-LTE: B34/B38/B39/B40/B41/B42
  • 4G FDD-LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28/B66
  • 5G SA: n1/n3/n5/n8/n28/n41/n77/n78/n79
  • 5G NSA: n38/n40/n41/n77/n78/n79

とかなり豊富で、Y! mobileSoftBankLINEMOといったSoftBank系の回線はもちろん楽天モバイルでもauパートナーエリア含めて利用可能で、ahamoIIJmioOCN モバイル ONEなどのdocomo回線でも概ね問題ないでしょう。

SIM

ただ、日本で使うにあたって問題になるのが「VoLTE」。

vivoはかなり几帳面で、販売地域外である日本ではVoLTEが使えないようにCarrierConfig.apk内でVoLTEを無効化する設定がされています。(3大キャリア+楽天モバイルはもちろんフルMVNOのIIJmioまで網羅)

抜け道もすべて潰していく徹底ぶりで、HD通話オプションを表示するアクティビティや発売当初は使えていたMBN Testもアップデートで潰されています。

なおこちらのAPKをインストールすればMBN Testは復活させられます。

MBN Test

残念ながらVoLTEオプションを有効化する方法は見つけられませんでしたが、ひとまずデータ通信とSMS受信ができる状態にはできました。

かろうじてDIAGモードにできる隠しコマンドが生きていたので、VoLTEプロファイルだけはインストールできます。

【追記】今のバージョンだとVoLTEも有効化できるようになったそうです。MBNインストール後、再起動して電話を掛けるとVoLTEを有効化するための通知が出てきます。

Test

簡単に説明すると以下のような手順です。

QPSTやドライバーをインストールしておいてください。

  1. 電話アプリで「*#558#」をダイヤルして、「Debugging port」をOpenにする
  2. こちらのグローバル版から取り出したMBNをダウンロードする
  3. 自分が使っているキャリアのMBNを2. のZIPから取り出す (DCM→docomo、SBM→SoftBank)
  4. PDCを開き、Loadを押して3. のMBNファイルを読み込む
  5. 4. で追加したものを右クリックしてSetSelectedConfigで選択する (SIM 1がSub0、SIM 2がSub1)
  6. Activateを押す
  7. 再起動する

何故か他のサイトではVoLTE-CUを選べ、いやSpain-VoLTE-Vodefoneだなどと色々書かれていますが、日本のキャリアのMBNを読み込んでしまえばいいだけの話です。

今回はPDCでやりましたがMBN TestでもMBN読み込みができるので、おそらくMBN Testでも大丈夫だと思います。

PDC

これで「VoLTEを使える状態だが、VoLTE通話のトグルは設定画面に出ないので有効にできない」という状態になるため、VoLTE通話以外のデータ通信やSMS受信はできるようになります。

楽天モバイルであればRakuten Linkを使えば擬似的に通話もできるようになりますね。

憂さ晴らしにバラしておきますが、シークレットコードは以下のようなものが見つかりました。

  • *#*#9483#*#*…デュアルLTEのオンオフ、パスワードはIMEI 1の下4桁を入れると開ける
  • *#*#2288#*#*…2Gオンリーのオプションを表示
  • *#*#86583#*#*…ViLTEのトグルを表示 (表示するだけでグレーアウトしているので選択不可)
  • *#*#8353564#*#*…通話関連のログ
  • *#*#34834#*#*…5Gオプションの強制表示
  • *#*#746972#*#*…5G SAオプションの強制表示
  • *#*#46739#*#*…IMS Expireのオンオフ
  • *#*#3646633#*#*…HD通話オプションの通知が出る
  • *#*#2828136#*#*…SIMロック関係

高いパフォーマンスで発熱も少なめ

vivo X70 Pro+はSnapdragon 888 PlusにLPDDR5メモリ、UFS 3.1ストレージを搭載しており、かなり高い性能を誇っています。

3DMark Wild Life Stress Testではスコア5904→4424で、温度上昇は22℃→37℃ (15℃上昇) でした。

20℃上昇していたOnePlus 9RTと比べると性能がほぼ変わらないにもかかわらず発熱が抑えられています

3DMark

Pixel 6 ProのGoogle Tensorには負けますが、Snapdragon 888シリーズの中ではトップクラスです。

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Geekbench 5ではシングルコア1152、マルチコア3438で、こちらもトップクラスの結果です。

Geekbench

PCMark Work 3.0ではスコア14043でした。

PCMark

ストレージ・メモリ性能も高めで、どれか一つに特化しているわけではなくすべてバランス良く速いです。

ストレージ

OSは日本語対応で多機能だがクセが強すぎる

vivo X70 Pro+中国版に搭載されているOriginOSは日本語対応です。

Playストアはインストールされていませんが別途APKをインストールすれば利用でき、Playプロテクト認定済みでNetflixのインストールも可能です。

素のAndroidからゴリゴリにカスタマイズされており、ART++ Turboなるアプリ起動の高速化をするという機能もあります。

日本語

ディスプレイ→フォントスタイルで経典字体を選ぶと日本語フォントになります。

フォント

OriginOSでは、そのままだとGmailの通知などは一切届きません。

通知の表示を許可した後、バッテリー→バックグラウンドでのバッテリー消費量の管理で節電を無効化して、アプリ履歴でロックダウンしないと届きにくいです。

それでもPixel 6 Proなどと比べると通知が来るのが遅かったり来なかったりするので、普段使いは厳しいです。

中国国内で配布されているアプリは低品質なものが多く、バッテリー消費が激しくなるのでこういった節電機能が中国人には喜ばれるのですが、完全に無効化するオプションを用意してもらいたいものです…。

ホームアプリについては、セキュリティ設定でシステムランチャーの置換を有効化しないと変えられません。vivoアカウントの作成を求められます。

バッテリー

ジェスチャー操作は三種類から選ぶことができ、一般的な全画面ジェスチャーのほか画面下部からのジェスチャーだけで操作するタイプもあります。

ジェスチャー

Multi-Turbo、拡張RAMといった高速化・最適化機能が搭載されています。

バックグラウンドのアプリは即終了・サスペンドされるので、メモリを増やしたところで効果は薄いです。

高速化

ダブルタップで点灯、スライドしてロック解除などジェスチャー操作は豊富にあります。

中国向けなのでQQやWeChatを起動するオプションがありますが、せめてアプリを指定できるようにしてくれれば…。

ジェスチャー

セキュリティでは、指紋認証と顔認証を併用できます。

スマートロック解除はGoogleではなく独自のものなので、Bluetooth機器でのロック解除しか使えません。

セキュリティ

Bootloader Unlock不可

vivo X70 Pro+はBootloader Unlockができないよう制限されています。

かつてはfastboot bbk unlock_vivofastboot vivo_bsp unlock_vivoでできたようですが、vivo X70 Pro+ではFAILED (remote: signature verify fail)と出て失敗します。

EDLやFTMもすべて無効化されているので打つ手なしです。

【追記】回避策が見つかりました。

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まとめ

  • 夜景に強いZEISS T*コーティングカメラ
  • Samsung E5 LTPO AMOLED
  • 120Hzリフレッシュレート対応
  • Snapdragon 888 Plus + LPDDR5 + UFS 3.1
  • 高速な画面内指紋認証
  • 55W急速充電 & 50Wワイヤレス充電対応
  • IP68防水防塵
  • 中国版でも日本語対応
  • 日本キャリアでのVoLTE使用が不可
  • バックグラウンドアプリの制限が強すぎる
  • Bootloader Unlockできない

vivo X70 Pro+はカメラ性能もパフォーマンスも良く、レザーのボディは高級感がある手触りで素晴らしいです。

しかし内側のソフトウェアは通知が来なかったりVoLTEが使えなかったりと普段使いするにはクセが強すぎるので、カメラ専用スマホのような扱いになってしまいそうです。

とにかくカメラ性能が高いスマホが欲しい、同じZEISSカメラでもXperiaは嫌だという方はvivo X70 Pro+を使ってみてはいかがでしょうか。

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eBayではグローバル版 (インド版) が売られています。グローバル版はFuntouch OS搭載で、Origin OSよりはGoogleサービスを使いやすいようにされています。

インドは国外輸出規制がかなり厳しく個人での輸入は輸入代行を挟んでもほぼ不可能なので、普段使いしたいのであれば数万円高くぼったくられてでもeBayでグローバル版を買うしかなさそうです。

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root化済み・非rootそれぞれのやり方はこちらの記事を参考にしてください。