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OPPO Pad 2が日本でも発売されました。
Dimensity 9000搭載のハイエンドタブレット
OPPO Pad 2はMediaTek Dimensity 9000を搭載した高性能なAndroidタブレットです。
日本市場ではまだまだ高性能なタブレットの選択肢が少ないため喜ばしいものの、公開市場での販売ではなくクラウドファンディングサイトGREEN FUNDINGでの数量限定販売となっています。
OPPOが『ほぼ売る気がない定価から20%オフしたことにして、クラファンをまるでECサイトのように使って既製品を販売する』やり方を取ってしまった、ということは大変残念です。
他の大企業がユニークで新しい製品をクラウドファンディングで実現している中で、すでにキャリアや公式ストア等の販売網を持つOPPOが既製品の日本展開をするためだけにクラウドファンディングを利用することの必要性が感じられません。
テストマーケティングで既存チャネル以外に認知してもらう目的ならまだマシですが、結局高性能タブレットを必要とする人には数十人にしかリーチできていません。
二重価格疑惑、宣伝のためのクラファンか
OPPO Pad 2は定価90,000円から20%オフということにして72,000円で販売されているものの、オーストラリアでは699AUD (約6.5万円、輸入消費税を入れても約6.9万円ほど) で販売されているため定価9万円というのは明らかに虚偽です。
イタリアでは€599.99 (約9.4万円) ですが付加価値税が20%以上とかなり高いため税抜で約7.7万円ほどで、ペンとキーボードケースも付いているため実質的にはさらに安いです。
もちろん技適やサポート面でコストは増加するでしょうが、6.9万円→7.2万円のような数千円の差が一般的で、FeliCaもモバイルデータ通信対応もないタブレット (グローバル版と同一モデル) に30%・2万円以上の上乗せがあるのは不自然です。
日本法人であるオウガ・ジャパンが存在するため、代理店を複数社挟んでいて高騰した、という可能性も低いです。
実際に7.2万円で販売できており目標金額 (≒採算がとれる額) もたった7台分の50万円なのですから、GREEN FUNDINGの手数料20%が差し引かれる「7.2万円」が赤字覚悟の価格とは考えられず、日本で売るために定価を9万円にせざるを得ない合理的な理由はないはずです。
なお、日本版はほとんどがグローバル版より1割から2割高い (ので輸入消費税込6.9万円から3割以上プラスした定価9万円は正当) と主張する方もいますが、日本版発売時のレートでグローバル版と比較すると1割高いのはSamsungやLenovo/motorolaぐらいで、1~2割高いものがほとんどとは言えませんでした。
グローバル版価格は実際には輸入消費税がプラスされるため、税を考慮するとさらに価格差は縮まります。
商品名 | 日本版 | グローバル版 |
---|---|---|
Xiaomi Pad 6 | 49,800円 | 55,000円 ($399) |
ROG Phone 7 | 129,800円 | 139,600円 ($999.99) |
Nothing Phone (2) | 79,800円 | 83,900円 ($599) |
ASUS Zenfone 8 | 79,800円 | 77,700円 ($699.99) |
Pixel Fold | 253,000円 | 252,500円 ($1,799) |
Galaxy Tab S6 Lite | 56,798円 | 50,300円 ($349.99) |
motorola razr 40 ultra | 155,800円 | 141,700円 ($999.99) |
Lenovo Tab P12 | 45,299円(税抜) | 56,200円 (VAT抜 £316.66) ※1.1万円相当のペンとケース付き |
グローバル版から日本版で30%を超える上乗せをされている例は皆無であるため、OPPO Pad 2の定価設定が異常であることは明白です。
価格表示ガイドラインの第4-2-(1)-イで『表示された将来の販売価格が十分な根拠のあるものでないとき(実際に販売することのない価格であるときや、ごく短期間のみ当該価格で販売するにすぎないときなど)には、一般消費者に販売価格が安いとの誤認を与え、不当表示に該当するおそれがある』『将来の販売価格を用いた二重価格表示を行うことは、適切でないと考えられる』、第5-1-2-エに『任意に設定した価格を算出の基礎として、割引率又は割引額の表示を行うこと。』と事例があるぐらい典型的な二重価格です。
【追記】
オウガ・ジャパンにクラウドファンディング終了後の販売予定について問い合わせたところ、『今後の別の販路での販売に関しましては、現在未定となっております。』との返答をいただきました。
二重価格に該当させないためにはクラウドファンディング終了後は必ず定価で販売しなければならないため、未定と答えること自体が問題です。現時点では定価は実際に販売するつもりがない価格であるということになります。
MakuakeやCAMPFIREなどでは終了後に販売しなければならない、一定期間は支援価格以下にしてはならないなどと指導が入るのですが、GREEN FUNDINGでは指導されていないようです。
景品表示法違反の可能性があるため、消費者庁に情報提供を行いました。
なおGREEN FUNDINGでは手数料20%を取られるため、もし姑息な真似をせずOPPO公式ストアで販売していればその分を消費者に還元して72,000円よりもさらに安く提供できた可能性があります。
目標金額もかなり低いですし、消費者のことは考えず「わずか1日で目標達成」「目標○○%超え」という宣伝をしたいがためにクラウドファンディングという形式を利用したのではないかと思います。
【追記】案の定『達成率797%』として宣伝に使われていました。なお、08/21時点でOPPO Pad 2本体を購入したのは50人程度でしかありません。
ワロタw pic.twitter.com/x3QaRS3V0G— すまほん!! (@sm_hn) August 20, 2023
【08/25追記】
ケータイ Watchの取材にてクラウドファンディングを利用した理由は『通常のやり方では新鮮味がない』であると説明されていました。…え?
さらに『クラウドファンディングで好評だった場合、量販も検討する。』と、現時点で販売予定がない = 20%オフの根拠となる将来の販売価格は実際に販売する予定がない価格であることも明かしています。
堂々と発表するとは、どうせ摘発できないだろうと消費者庁を馬鹿にしていますね…。
アスペクト比7:5
OPPO Pad 2のアスペクト比は7:5で、大画面でありつつも動画再生時の黒帯が出にくくなっています。
120Hzリフレッシュレートに対応し、一部のゲーム等では144Hzリフレッシュレート表示できます。リフレッシュレートの説明はまるで60Hzだと画面がぼやけるような印象を植え付ける画像になっており、例が極端すぎます。
専用スタイラスペンでの入力に対応しています。
Dolby Atmos対応のクアッドステレオスピーカー搭載です。
9510mAhのバッテリーを搭載し、67W急速充電が可能です。
OPPO Pad 2はオーストラリア等グローバルでも販売開始されています。
OnePlus Padのほうが販売地域が多く、AliExpress等でも購入しやすいです。
GREEN FUNDINGでは2023/08/04現在、定価90,000円から20%オフということにして72,000円で販売されています。
オーストラリアでは699AUD (約6.5万円) で販売されているため、どう考えても定価9万円は嘘です。