Sony Xperia 1 802SOレビュー。3万円だから我慢できたけど10万円だったら我慢できなかった

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新品未使用かつ3万円台で購入したSony Xperia 1 802SOをレビューします。

未使用品3万円ならOK

Xperia 1は定価10万円以上していたハイエンドスマホですが、ゲオモバイルにて【新品未使用品】 (中古ではなく) が36,800円+ポイント還元で販売されていたので購入しました。

ポイント分も合わせて3万円台前半で購入できたのでまだ良いですが、「定価10万円のハイエンドスマホの姿か?これが…」と思える微妙なポイントがいくつもありました。

人によって同様の現象が起きたり起きなかったりするようなので、この個体は特にハズレだったようです。

  • 4K 有機ELディスプレイ搭載
  • 大画面ながらも比較的軽量
  • 未使用品Snapdragon 855端末を格安で購入できた
  • ハズレ個体を引いてしまった (個体差が激しい)
  • 指紋認証がよく認識しなくなる
  • 顔認証がない & Smart Lockがよく効かなくなる
  • ポケットモードが効果なし
  • ストレージが64GB & 低い書き込み性能
  • 明るさの自動調整が動かないことがある
Xperia 1 802SO
OS Android 10
RAM 6GB
ストレージ 64GB UFS2.1
microSDXCカード対応
プロセッサ Qualcomm Snapdragon 855
ディスプレイ 6.5インチ 4K (3840×1644)
サイズ 167 × 72 × 8.2mm
重さ 178g
SIM nano SIM
メインカメラ 12.2MP + 12.2MP (望遠) + 12.2MP (超広角)
フロントカメラ 8MP
バッテリー 3200mAh
USB端子 USB Type-C (USB 3.1 Gen1)

Xperia 1 802SOはSoftBankから発売されたモデルで、当初は13万円 (!) で販売されていました。

2020年8月末にはSIMフリー版J9110が86,900円で発売されましたが、グローバル版を国内販売しているだけなのでFeliCaやテレビ機能はありません。

定価10万円クラスなのにストレージは国内モデルではたったの64GBとなっています。

今ネット上で売られているのは中古が多いですが、私が購入したのは「新品未使用品」です。中古ではないのでかなりお得でした。

802SO

付属品はクイックスタートとテレビ用アンテナケーブルのみです。

充電器やケーブルが付属しない、という点ではiPhone 12のトレンドを先取りしています。

付属品

保護フィルムも特になかったので、ミヤビックス OverLay Plusアンチグレアフィルムを貼り付けました。

保護フィルム

反射防止でありつつもギラギラ感が少なく、指滑りも良くて素晴らしいです。

フィルム

ただ、Xperia 1はフラットディスプレイのように見えて微妙にカーブしているため、端の部分までは覆えません。

エッジ

背面はガラスで、指紋が目立ちやすいです。

カメラが中央に配置されており、SIMカード1枚分ぐらいの出っ張りなので机の上に置いたときあまりグラつきません。

背面

カメラアプリは立ち上がりが少し遅く、特にBootloader Unlock後は「カメラを起動できません。カメラまたは機器を再起動してください。」や「不明なエラー」と出たり、ラグまみれで結局写真を保存できなかったり、と事実上カメラが使えない状態になりました。

Bootloader Unlock前から頻度は少ないながらも同様のエラーが起きていました。

【追記】
いただいた情報によれば、別の個体ではBootloader Unlock後もカメラは正常動作するようです。つまり、これはBootloader Unlockが原因ではなく私の個体特有の問題ということになります。

(Googleフォトに撮影した写真を保存しています)

 

ちなみにテレビ (フルセグ) は当然ながらアンテナケーブルを付けないと使えませんが、付けた状態でも窓に近い位置でないと映りにくかったです。室内で使う用途で期待すると駄目なので、屋外で使うようにしましょう。

指紋認証のみ、なのに安定性が微妙

Xperiaといえば電源ボタンを兼ねた指紋認証センサー…だったのですが、Xperia 1では分離されています。

Android 10では顔認証には対応しておらず、生体認証は指紋認証にのみ対応しています。

これも最初の内はスムーズに認証できるのですが、使っている内に段々認証できないことが増えていきます。特段指やセンサーが汚れていたり濡れていたりするわけではないのですが…。

さらにSmart Lockも相性が悪いのか、他の端末では問題ないのにXperia 1では「信頼できる場所」「信頼できるデバイス」がうまく動かず、設定した場所/デバイスの近くだというのにロック解除されないことが多いです。

これもまた「個体差」なのでしょう。

指紋認証センサー

4K 有機ELディスプレイ

※このセクションでは、保護フィルムを貼る前の状態で評価をしています。

 

Xperia 1は4K AMOLEDディスプレイを搭載しています。

ノッチ・パンチホールがないため、動画やゲームをする際に邪魔になりません。

PCモニターで使用しているDELL U2720QMと比べると若干黒つぶれしているように感じます。

4Kディスプレイ

21:9の縦長ディスプレイだと大きすぎないか、と少し心配でしたが、実のところ6.78インチのOnePlus 8 Proとサイズ感はほぼ変わりませんでした。

横幅が少し狭くなっていて178gと比較的軽量なため持ちやすいです。

縦が長いため、ウェブサイトなどでは一画面に表示できる情報量が多く、小説などを見る際もスクロールを少なめに出来ます。

ただ、マンガなどでは小さめな表示になって少し見にくいです。

 

デフォルトだと寒色寄りの設定になっており、ホワイトバランスで中間設定にしてもまだ青っぽい感じです。

保護フィルムを貼る前にも確認しているので、アンチグレアフィルムのせいではありません。これもまた個体差でしょうか。

OnePlus 8 Pro

有機ELディスプレイのおかげでアンビエント表示 (AOD) で常に時計や通知を表示しておけるのですが、だいたい1時間に2%ほど消費します。

アンビエント表示

常時表示だと一日電池が持たなくなる可能性もあるので、「スマート表示」などにしておいたほうが良さそうです。

アンビエント表示

なお、下部のUSB Type-CポートはDisplayPort Alt Modeでの映像出力に対応しています。

USB Type-Cポート

USB Type-C to USB Type-Cケーブルで接続すれば、モニターの大画面で動画などを見られます。

ただし、21:9のまま表示されるので16:9のモニターだと黒帯が大きくなってしまいます。

クリエイター向けを謳うのであれば、Samsung Dexモードとまではいかなくても、カメラのプレビュー用途などで使えるよう縦横比を変えるオプションを用意するなどしておいて欲しかったです。

モニター表示

ポケットモード搭載、ただし動作は…

かつて強い要望があったもののなかなかXperiaに搭載されなかった、ポケットモードに相当する「画面OFF時の誤操作防止」がXperia 1には搭載されています。

…が、オンにしていても画面が点灯することがよくあります。試しにテーブルに伏せた状態で電源ボタンを押しても普通に点灯してしまいましたし、まるで役に立ちません。

また、画面点灯時に明るさの自動調整がうまく動かず、明るさが最低のままになることがあります。その場合スライダーを自分で動かさないと直りません。

ここも「個体差」なのだとすると、この個体は近接センサーにも不具合を抱えているのでしょう。不具合祭りですね。

誤動作防止

ストレージ性能が低すぎる

Xperia 1はUFS 2.1ストレージを搭載しているので高速…なはずなのですが、実際にCPDT Benchmarkで計測してみるとeMMCにも劣る速度であることが分かりました。

普段使いに特に影響を及ぼしやすいランダムライトで比較してみると、eMMC 5.1のPixel 3aよりも遅く、Rakuten Mini1万円台の激安タブレットとほとんど変わらないというとんでもない低性能です。

同じUFS 2.1だと、「ミドルレンジの」OnePlus Nordの20MB/sに大差を付けられています。

802SOではSK hynix製H28U72301CMRが使用されていますが、同時期に発売され、Xperia 1と同じH28U72301CMRを採用しているPixel 4 XLではランダムライトは30MB/s程度出るようなので、ソフト・カーネル調整のツメが甘い可能性が高いです。

6月頃に発売したGalaxy S10でも同様に遅く、9~10月発売のMi 9やPixel 4 XLでは問題ないので、7~8月に何かしらブレイクスルーがあった…という可能性もありますが、そのような話は聞いたことがありません。

 

例えばスクリーンショットは4K解像度で保存されるため、書き込み性能が低いことも相まって保存まで3~5秒ほどかかります。

  • 起動してアプリ自動起動が落ち着いた状態
  • カーネルMODなし
  • 書き込みに関する調整なし (デフォルト状態)
  • root権限を使うチューニングアプリなし
  • 自動起動するプリイン以外でバックグラウンドアプリなし
  • Xperiaホーム・デフォルト壁紙

の状態で3~5秒なので、他のアプリが邪魔をしているわけではありません。

Xperia XZ Premiumの頃だと「UFS 2.1自体が出始めなので最適化が済んでいないのだろう」と擁護できたのですが、これではまるで進化していません。

(その他の比較データはこちら)

CPDT

Xperia 1は4K AMOLEDディスプレイを搭載しているため、大容量の動画をダウンロードして視聴する人が多くなることは容易に想像できます。

クリエイター向けともアピールしていますし、そういった人たちは4K動画の撮影もよくするでしょう。

それなのに64GBしか搭載しない上、激安タブと変わらない低性能なストレージを採用するとはひどすぎます。

 

容量はmicroSDカードで一応解決できますが、遅さは解決できないですしソフト調整はしっかりしてもらいたいものです。

UL BenchmarkでもInternal random writeが5 MB/sとなっているため、これは個体差でないことは確実です。

SIMスロット

CPU/GPU性能は普通

ストレージ性能は激安タブ並でしたが、さすがにSnapdragon 855だけあってCPU・GPUの面では他社Snapdragon 855搭載スマホと変わらない程度でした。

GeekBenchではシングルコア 746、マルチコア 2690でした。

GeekBench

3DMark Wild Lifeではスコア2041、平均フレームレート12.20でした。

2041

まとめ

  • 4K 有機ELディスプレイ搭載
  • 大画面ながらも比較的軽量
  • 未使用品Snapdragon 855端末を格安で購入できた
  • ハズレ個体を引いてしまった (個体差が激しい)
  • 指紋認証がよく認識しなくなる
  • 顔認証がない & Smart Lockがよく効かなくなる
  • ポケットモードが効果なし
  • ストレージが64GB & 低い書き込み性能
  • 明るさの自動調整が動かないことがある

久しぶりにXperiaを触りましたが、「そんなだからシェア下がるんですよ」と言いたくなる出来でした。

新品未使用品で3万円なので格安スマホとして見ればパフォーマンス面では申し分なく、不具合があるのは安かろう悪かろうだ、と思えますが、10万円クラスのハイエンドとしては1年前の機種であることを考慮しても、少し見劣りします。

この個体だけがハズレなのかもしれませんが、個体差に収まらない「せっかくの4Kディスプレイで4K動画の撮影から視聴まで1台で完結できるのに、64GBの書き込み性能が低いストレージを採用する」などの開発思想のチグハグさはXperia 1の大きな問題点でしょう。

そもそも、10万円を超えるスマホで個体差が激しいとすればそれはそれで問題です。

Xperia acro→Z→Z1→Z2→Z3→Z4 Tablet→Z5 Premium→X Performance→XZ→XZ Premiumと使ってきましたが、もう今後Xperiaを買うことはないと思います。

Xperiaが好きだからこそ、Xperia 1には本当にガッカリしました。

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